プロゴルファーが伝授!菅沼菜々プロが教えるスライス解消法&飛距離アップのコツ!
2022年は「リゾートトラストレディス」「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」で2位タイに入るなど、安定したパフォーマンスを見せ、メルセデスランキング8位に入った菅沼菜々プロ。
今回は菅沼プロに、アマチュアゴルファーの一番の悩みとなっている、ドライバーショット時のスライス解消法やドライバーの飛距離アップについて、ポイントを教えてもらいました。
また実践編として、コースに出たときに気を付けたほうが良いワンポイントアドバイス(ドライバー編)を2022年の「リゾートトラストレディス」「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」で優勝し、メルセデスランキング7位に入った小祝さくらプロに教えてもらいました。
トッププロ直伝のレッスン!これを見て、悩みの解決につなげましょう。
※2022年12月20日に開催されたデサントゴルフフェスタ2022(太平洋クラブ・成田コース)にて撮影を行いました。
3つのことを意識すれば、スライスは簡単に修正できる
アマチュアゴルファーは、体の回転が足らずにトップからクラブを腕で下ろしてしまうため、インパクトでフェースが開く傾向にあります。
フェースが開いて入ってボールに当たるため、どうしても右に曲がるスライスボールが出てしまいます。
特にビギナーの人が一番初めに悩むところだと思いますので、それを解消するためのポイントを菅沼菜々プロに教えていただきます。
スライス解消法1 グリップ時には右手に力を入れない
最初に確認することは、グリップです。
右手でグリップを強く持ちすぎないようにしてください。右手に力が入りすぎてしまうと、上半身に頼ったスイングになってしまいます。
その結果、切り返しやインパクトで手や腕を使ってボールを打とうとしてしまい、スイングがアウトサイドイン※の軌道になるためスライスの度合いが強くなってしまいます。
その解決策として、アドレスに入ったときに右手の親指を浮かし気味にしましょう。インパクト時にはどうしても力が入ってしまいますが、最初だけでも意識的に右手の親指をグリップから少し離すことで、右手に力が入らなくなります。
もし、それでも右手に力が入ってしまい右にボールが出てしまうのであれば、左手1本で素振りをするのも有効です。
片手で素振りを行うと「重いな」と感じてしまいますが、その重さの余韻が左手に残っているので、自然と右手が邪魔をしないスイングができるようになります。
※アウトサイドイン:クラブのスイング時に、クラブヘッドの軌道が体と平行な飛球線方向と並行したときに、そのラインの外側から中側へとクラブヘッドが抜けていくような軌跡を描くスイングのこと。基本的にアウトサイドインでのスイングを行うと、スライス系の打球になることが多くなります。
スライス解消法2 アドレスで左肩が開かないようにする
正しいアドレスのときは、両肩のラインが構えた場所と平行になっていなければいけませんが、スライスボールが出てしまう人は、アドレス時に左を向いてしまい(右打ちの場合)、肩が開いた状態になっている可能性があります。
そうなってしまうと、ダウンスイング時にアウトサイドから降りてくることとなり、スライスの原因になります。
練習場の鏡などで確認したときに、もしそうなってしまっていたら、アドレスのときにまず左肩を前に出すことを意識して、まっすぐ後ろへクラブを上げていくと良いです。
スライス解消法3 トップの位置を高くする
最後にトップの位置を確認しましょう。右に行きやすい人のトップ位置は低くなっている場合があります。
トップが低いということは、上体の捻転が少なくなっている場合があり、上体が目標方向に開くタイミングが早くなり、アウトサイドインの軌道になってしまいます。
練習場では鏡などを見て、トップ位置と体がきちんと回っているのかを確認し、クラブを高く振り上げるということを意識しながらスイングをしてみましょう。
飛距離を伸ばすために注意すべき2つのポイント
ドライバーショットのときに、もう少し飛距離が伸びれば良いなと感じている人も多くいるはずです。
特にビギナー、女性ゴルファーは飛距離がアップすることで、コースに行ったときにスコアメイクの助けにもなります。
気を付けるべき2つのポイントを解説していきます。
飛距離アップのコツ1 オーバースイングを修正する
飛距離が伸びない人は、オーバースイングになっていないでしょうか。
飛ばそうと思ってしまい、スイングが大きくなってしまうとインパクト時にボールの芯を捉えることが難しくなり、ミスショットにもつながります。
その一番の原因として挙げられるのが、クラブを上げていくときに膝が左右に動いてしまっている可能性があります。
膝の位置を変えないように意識すると、腕も上がりすぎなくなり、オーバースイングの防止になります。
またそのような人は、スタンスも狭くなっていることが多いので、肩幅ぐらいにスタンスを広くすることで下半身も安定します。
飛距離アップのコツ2 アドレス時にボールの左側を見る
次に押さえてほしいポイントは、インパクト時に体が起き上がらないことです。
体が起き上がってしまうということは、インパクトのときに右肩が下がっているため、ボールの上を叩いてしまうのでトップボールが出てしまい、飛距離も伸びません。
そのような人は、アドレス時にボールの少し左側を見てスイングをしましょう。
最後まで見るということを意識することで、頭が上がらなくなって自然と右肩が下がらなくなり、しっかりとクラブがボールに当たるようになるので、確実に飛距離がアップします。
小祝さくらプロのワンポイントアドバイス(ドライバー編)
ドライバーは最後までしっかりと振り抜く
ティーショットでドライバーを使用するときに一番大切なことは、最後までしっかりと振り抜くことです。
コースに出たときは「左右に曲がってしまったらどうしよう」とか、「右側がOBなので絶対にそこには打ちたくない」などと練習場とは違う環境に対しいろいろと考えてしまい、練習のときにできていたスイングができず、スイングも中途半端になってしまいます。
まずは外的要因を考えずに、コースに出たときは「最後までしっかりと振り抜く」ということを頭に思い浮かべながらスイングをしましょう。
菅沼菜々(すがぬま なな)
2000年2月10日生まれ、東京都出身。⽗の影響で5歳からゴルフを始め、2017年⽇本ジュニアゴルフ選⼿権競技(⼥⼦15歳~17歳の部)で優勝。埼⽟栄⾼等学校卒業後、2018年のプロテストに挑戦し⼀発合格を果たし、2020~21シーズンでは、「ヨネックスレディスゴルフトーナメント」で、最終⽇に⾃⾝最⾼となる8アンダーで回り、同⼤会のベストスコア賞を獲得し単独3位でフィニッシュ。2022年はシード選⼿として、33試合に出場。「リゾートトラストレディス」「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」で2位タイに入るなど、安定したパフォーマンスを見せ、メルセデスランキング8位となりました。
小祝さくら(こいわい さくら)
1998年4月15日生まれ、北海道出身。8歳でゴルフを始め、2017年プロテストに合格。2018年には13試合でトップ10入りして初シードを獲得。2019年の「サマンサタバサガールズコレクション・レディーストーナメント」で初優勝。2020~21年シーズンは「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」と「CATレディースゴルフトーナメント」で2週連続Vを飾るなど5勝。2022年は「リゾートトラストレディス」「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」で優勝し、メルセデスランキング7位となりました。