3−1で勝利したポーランド戦では、2G1Aで全得点に絡んだエムバペ。(C)Getty Images

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 現地時間12月4日、カタール・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦で、FIFAランキング4位のフランスは、同26位のポーランドと対戦。3−1で快勝を収め、3大会連続の準々決勝進出を決めた。

 勝利の立役者となったのは、2ゴール・1アシストと、全得点に絡む圧巻の活躍を見せたキリアン・エムバペだ。

 まずは44分、絶妙なスルーパスでオリビエ・ジルーの先制点をお膳立て。このジルーのゴールは、並んでいたティエリ・アンリ氏を抜き、フランス代表歴代単独トップに立つメモリアル弾となった。

 そして圧巻だったのが終盤の2発。74分に無回転気味の強烈なシュートをニアに叩き込めば、90+1分にはファーに突き刺した。その後、ラストワンプレーでロベルト・レバンドフスキにPKで1点を返されたため、結果的にはエムバペの1点目が決勝点となった。

 フランス紙『Le Parisien』によれば、23歳のエースは試合後の会見でこう語っている。

「準々決勝に進出できてとても嬉しい。決して楽なゲームではなかったよ。難しい相手と対戦したからね。僕らは重要な場面でゴールを決められた。前半は少し苦しい時間帯もあったが、少なくとも継続してゲームをコントロールできた」
【動画】ニアへ、ファーへ!もはやお手上げ?のエムバペ弾×2 ※投稿の白部分をクリック
 ここまで頑として沈黙を貫いていた。この取材拒否の件に関しては「最初の質問の前に言っておきたかった。なぜ今まで声を出さなかったのか」と自ら切り出し、「ジャーナリストや人々に対するものではない。プレーに集中する必要があるからだ。それは昔も今も変わらない。100%で取り組まなければならないし、他にエネルギーを奪われたくない」と思いを明かした。

「FFF(フランスサッカー連盟)が罰金を払うと聞いたので、FFFの代わりに払うと決めている。僕が個人の判断で行なったことだ。FFFがお金を出す必要はない。あとはこのワールドカップの準備をしたいという思いがあった。僕らと僕自身が設定した目標にはまだ程遠い。準々決勝があるので、そこに照準を合わせることが今日、最も大事だ」

 エムバペは今大会での得点数を5に伸ばし、単独トップに立った。個人賞最高の名誉バロンドール受賞へ近付いているが、本人にその意識は全くないようだ。

「僕の目標というか、ここでの唯一の目標は、ワールドカップでの優勝だ。そしてそれは、次の試合での勝利から始まる。バロンドールを獲得するためにここにいるのではない。もちろんそうなれば嬉しいが、そのためにいるのではなく、あくまで代表チームで試合に勝つためだ」
 
 イタリア(1934、1938)、ブラジル(1958、1962)に次いで史上3か国目のW杯連覇へ――。新世代の旗手がレ・ブルーを力強く牽引している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部