自律神経が整う睡眠時間は?疲れがスッキリ取れる「最高の眠り方」
仕事や家事、育児など、毎日が忙しいESSE世代。責任が増えてやりがいを感じると同時に、「しっかりしなくてはいけない」と、自分を追い込んで睡眠時間を削ってまで、がんばりすぎてはいませんか。心と体のために休息をとることも必要ですよ。オトナ女子の強い味方、産婦人科医の高尾美穂先生に、忙しいESSE世代が最も大切にしてほしい「睡眠」について伺いました。
睡眠不足は、自律神経や女性ホルモンの分泌に悪影響
仕事や家事、育児に忙しいESSE世代がおろそかにしているのが、毎日の睡眠です。
●睡眠は残った時間を充てるのではなく、24時間から先取りしよう
「睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、女性ホルモンの分泌に悪影響を及ぼします。睡眠不足の状態では自律神経の交感神経が優位になり、血管が収縮。すべての臓器への血流が減り、卵巣への血流も減ることで働きが低下します」(高尾先生)
多くの人は、1日24時間のうち、仕事などのやるべきことや、趣味など好きなように過ごした残りの時間を睡眠に充てようと考えます。
「でも、心と体のことを考えるなら、まずは7時間の睡眠を確保すること。ここから1日のスケジュールを組みましょう。仮に明日の朝、7時から活動したいのであれば、その日は23時までにはベッドに入ると決めます。そして、そのためには何時までに仕事や家事、入浴を終わらせればいいか逆算して1日を過ごしましょう」(高尾先生)
睡眠不足は、女性ホルモンへの影響だけでなく、生活習慣病、認知症のリスクが上がるなど、なにひとついいことがありません。逆に、十分な睡眠がとれていれば、心身が休まり、元気で前向きな生活が送れますよ。
●夜、スマホが手放せない人のちょいワザ
「パソコンやスマホから目に入るブルーライトは、脳を刺激してメラトニンの分泌を抑え、覚醒させる作用があります」(高尾先生)
入眠をスムーズにするためにも、眠る1時間半前ぐらいからは画面を見ないのがいいはず…と思ってはいても、スマホなしの生活が考えられない人は多いもの。ついつい画面をチェックしてしまいますよね。そんなときは、こんなちょいワザを取り入れてみませんか?
「最近のスマホは、液晶の明るさを夜用モードに変えられるようになっています。機種によっては明るさや、温かみのある暖色系にトーンを変えたり、時間によって夜用モードに自動切り替えができたりしますよ。ゲームなど刺激があるものは避けたいですが、読み物などを見ながら寝落ちしたい人は、こんな方法もあり、です」(高尾先生)
また、スマホを枕元に置くだけで、自分の睡眠状態を計測できるアプリ(スリープアプリ)もあります。
「寝る前に起動させると、自分では意識できない深い眠りや浅い眠りなどをグラフ化。睡眠状態を観察できます。また、多くは目覚まし機能が付いていて、希望の起床時間からもっとも近く、かつ眠りの浅いタイミングでアラームを鳴らしてくれるので、すっきり目覚められますよ」
高尾先生もスマホの夜用モードなどを活用しているそう。テクノロジーの力を上手に利用するのも、オトナ女子の賢い選択かもしれませんね。
●自分の心と体を「今」からいたわろう
この記事では睡眠にフォーカスしましたが、高尾先生はつねに「体や心が悲鳴を上げる前に、いちばん身近にいる人、つまり自分の心と体の声に耳を傾けて、いたわってほしい」と話します。
「でも、具体的にどうやっていたわったらいいの…?」と思う人もいるかもしれませんね。そんなヒントをくれるのが、高尾美穂先生の最新刊『オトナ女子をラクにする心とからだの本』(扶桑社)。
本の中では、女性の一生を左右する女性ホルモンにもプラスになる生活習慣や、心をラクする気持ちの切り替え方などを紹介しています。また、よく耳にする健康情報についても言及。生理痛や骨盤、冷えにまつわる正しい知識が身につきます。
この先、10年、20年と元気で自分らしくいるためにも、私たちの人生を左右する女性ホルモンを知り、心身をいたわる習慣を取り入れていきましょう。