新居の床下収納の設置場所を工夫、見た目&足元を快適に!点検口の役割も考慮
なにかと使い勝手の悪い床下収納。もしキッチンの動線上につくれば、ちょっとした段差がスムーズな調理作業のジャマになることもあります。床下収納は点検口を兼ねるケースもあるので、基本的には家づくりに必要なもの。どうしても、床下収納をすっきりと設置したかった日刊住まいライターは、間取り案を重ねてチェック。収納内に設置することを思いつきました。詳しくレポート。
床下収納は収納でもあり「点検口」でもある
今年家を建てるまで、存在意義をあまり感じなかった「床下収納」。筆者の実家のキッチンでも、その扉があけられたことは、ほとんどなかったと記憶しています。
使おうとしたところで、中が深く、ものが出し入れしにくい…。むしろこれならなくていいと思っていましたが、家づくりの際に工務店から意外な言葉が。
「水回りのトラブルがあったときの点検口の役割もあるので、なくせません(※)」
意外と重要なものだったんだなと、そのとき、初めて知りました。設置しなければならないなら、可能なかぎりジャマにならない場所にしたい(たとえば、床下収納の段差を気にしながら調理したくない)! ということで、いろいろ検討することになりました。
※床下収納が点検口を兼ねる場合。また、水回りのトラブル意外に、基礎や土台などの主要構造部を点検をするときにも利用されます
床下収納を「収納」してしまう
まず考えたのは、「扉つきの収納内に、床下収納をつくって隠してしまおう!」ということでした。検討中の間取りでは、1階に扉つきの収納がいくつか折り込みずみ。ですが、どれも十分な奥行きがない!
点検口を兼ねる場合、人が床下を点検できないといけないので、床下収納の扉を大きくとる必要があります。ちなみに、結果的にわが家に設置された床下収納の扉の寸法を測ってみたところ、62cm角でした。つまり、扉つき収納内に収めようと考えた場合、それより奥行きが必要ということ。
最近の家づくりでは、「収納は奥行き30〜45cmが使いやすい」という情報を見た筆者は、その寸法で間取りをつくっていました。確かに使いやすく便利ですが、床下収納を収めることなど考慮していません(当然ですが)。
しかし、例外が1か所ありました。和室の押し入れです。奥行き寸法(内寸)が約80cmと深く、62cm角の床下収納も余裕で収まります。
押し入れ内には、キャスターつきの衣装ケースを置く予定だったので、万一、水漏れで点検口を開くときも、どかしたり戻したりといった作業がスムーズ。
これで床下収納はバッチリ、と思っていたら、「床下収納は2か所つくってください」と工務店。
1か所あれば充分なんじゃないか、と思いましたが、「点検口が複数あるほうが安心」とのこと。というわけで、もう1か所をどこにするか考えました。
2つめの床下収納はパントリー内に
間取りと格闘したところ、どうやらオープン収納になっている、キッチン背面のパントリーなら収まることが判明。場所が水回りに近くて点検しやすい、ということもあって、ここに決定しました。
結果的に、通路に少々はみ出てしまったのが残念ですが、ジャマにはなりません。こちらも和室のように床下収納の上のものがすぐに移動できるゴミ箱を置いています。普段はほとんど隠れてしまっているので、存在感はありません。
キッチン通路に当たり前のようにある床下収納
床下収納は、施主側がとくに指定しなければ洗面所やキッチン通路などに配置されがち。ですが、そのいずれも家族が日常的に何度も通る場所です。
とくにキッチンの通路は、調理中に長くいる場所。動き回ることも多いです。縁のわずかな段差が気になったり、油や水はねで汚れやすかったり、見た目があまりよくなかったり…。
収納としての使い勝手を考えても、どうしても用途は限られます。そんなわけで、筆者の場合は、あくまで「点検口」と割りきり、隠してしまいました。
ちなみに現在、わが家では床下収納に今年仕込んだ梅酒が入っています。このように、「今使わないけどそのうち使う」というような使用頻度の低いものを一時保管するにはいいのかもしれません。完全に使わないものだと、私は入れたことすら忘れてしまいそうです。
床下収納の配置で、気をつけた方がいいと感じたこと
最後に、工務店とのやりとり、そして筆者の経験から感じた、床下収納の配置のポイントを紹介します。
・見た目だけを考えるのではなく、大事な家を点検するためのものなので、水回りから極端に離れた場所は避ける(工務店のアドバイス)
・点検口の上に、すぐ移動できない重量のある家具を置くのは、点検の妨げになるのでNG
・実際に点検口から床下に人が入れるが重要なので、周囲に造作家具を固定する際は慎重に
・収納内につくる場合は、収納のサイズと、点検口の上になにを置くかを事前に考えておく
これから家を建てる方は、床下収納の場所を今一度考えてみてはいかがでしょうか。キッチンまわりもスッキリした印象になりますよ!