大井川鐵道7両目のSLに「C56 135」 復元目指し一般から1億円調達へ
廃棄寸前で待ったをかけて引き取りました。
車両を増やして使用を分散化させる
大井川鐵道が2022年9月20日より、インターネットのクラウドファンディングを通じて一般から資金募集を始めました。目標額は1億円。新たに搬入したSL「C56形135号機」を再び動くよう復元するためです。
C56 135搬入の様子(画像:大井川鐵道)。
C56 135は戦前の1938年製造、九州や中国地方の国鉄線で使われ、1974年に廃車。翌年に兵庫県滝野町(現・加東市)内で静態保存されました。しかし荒廃が進み解体案が浮上。解体寸前というところで大井川鐵道が譲渡を申し入れ、2022年2月、静岡の自社内へ搬入しました。
大井川鐵道はこれまで6両のSLを受け入れ、現在は4両を営業用としてSL列車を運行しています。いずれも戦前製です。旅客人員のうち半数を占めるSL列車を長く運行させるため、車両を増やして負担を分散化させるほか、若手への技術継承も目的としています。
「動態化に取り組むにあたって部品をばらばらにして、ひとつひとつの構造や役割、しくみを理解し、過去に蒸気機関車と向き合った人たちがどんな修繕方法をとったのかを学んでいきます。若い技術者にとってはまさしく『学びの場』、熟練技術者にとってはより深く、高いレベルでの『学びの場』となるはずです」(大井川鐵道)
2019年頃からはSLの不具合が相次ぎ、電気機関車(EL)による代走も目立つようになっているといいます。SL列車運転の安定化を図るとのこと。
C56 135の動態化にかかる費用は3億円と見込まれているそうです。同社はクラウドファンディングサイト「READYFOR」を通じて資金を募っています。