阪神・矢野燿大監督【写真:荒川祐史】

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今季26度目の完封負け、6回に2つの送球エラーが重なり決勝点を献上

■ヤクルト 1ー0 阪神(18日・甲子園)

 阪神は18日、本拠地・甲子園で行われたヤクルト戦に0-1で敗れた。今季26度目の完封負けで、CS争いを繰り広げる広島と3位で並んだ。送球エラーで決勝点を献上した内容に、現役時代に阪神、ヤクルトなど4球団で計21年間捕手として活躍した野球評論家の野口寿浩氏は「当たり前のアウトを取れていない」と振り返った。

 甲子園がため息に包まれたのは6回だった。先頭・塩見が放った遊撃へのゴロを中野がこの日、2つ目の送球エラーで無死二塁に。続く、山崎の犠打を藤浪が一塁へ悪送球して先制を許した。打撃陣も1点を追う8回に1死一、二塁、9回も2死一、二塁と一打サヨナラの好機を作ったが無得点。球団ワーストを更新する今季26度目の完封負けを喫した。

 決勝点を許した6回の送球ミスに野口氏は「決勝点は藤浪の送球ミスだが、この日は中野のエラーが全てだった。難しい体勢でなく余裕をもってプレーができる状況。ああいった場面での送球ミスはこの先も怖くなってくる」と指摘する。

藤浪は村上を2打数無安打に封じる「しつこいぐらいの配球は後々に影響が出てくる」

 この試合は3つの送球エラーが飛び出し、チーム全体ではリーグワーストの82失策を記録。シーズン終盤、CS争いを繰り広げるなかで連発する“凡ミス”。甲子園は土のグラウンドで、人工芝の球場に比べると守備は難しいと言われているが「送球にグラウンドは関係ない。基本的なキャッチボールの部分だと思います」と野口氏は口にする。

 唯一の救いは先発の藤浪が村上を完全に抑えたことだ。2回の第1打席は直球中心の配球で右直、4回の第2打席はオール変化球で左飛、6回の第3打席は申告敬遠。全体を通してみても6回2安打9奪三振1失点の好投だった。

「しつこいぐらいの配球は後々に影響が出てくると思います。仮にCSに出場して神宮で藤浪が投げるなら村上の頭には『そういえば極端な配球をしてきた』というのが残っている。それだけで、一つアドバンテージともいえます」

 2016年から7年連続で80失策と課題が解消されないタイガース。シーズンは残り6試合。CS争いを続けるなか、勝負所でのミスは命取りになる。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)