AFX通信によると、米音楽出版大手ワーナー・ミュージック・グループは3日、第3四半期(4−6月)決算を発表した。それによると、好調な売り上げと経費削減により、最終損失は前年同期の1億7900万ドル(約206億円)、1株当たり1.41ドルから、1400万ドル(約16億円)、1株当たり10セントへと大幅に縮小した。前年同期は上場関連費用の計上があったが、これを除いた1株当たり損失は34セントだった。また、売上高は前年同期比11%増の8億2200万ドル(約947億円)となった。市場予想は売上高7億8480万ドル(約904億円)、1株当たり損失19セントで、いずれも上回った。

  同四半期は、日本でも大ヒットしたジェームス・ブラントのアルバムなどが好調で、レコード事業の売上高は同15%増の6億7800万ドル(約781億円)となった。同事業の13%を占めるデジタル音楽の売上高は同13%増の8800万ドル(約101億円)だった。今年上期のヒットチャートのトップ10に、ダニエル・パウターなどのシングルなど4曲が入った。

  同社のエドガー・ブロンフマン・ジュニア会長兼CEO(最高経営責任者)は「指摘されている上期の業界全体の落ち込みは、スーパースターの新作が同じ時期に競合したためで、下期には復調する」との見通しを示した。また、欧州裁判所が独禁法に抵触するとして、英EMIとの合併を差し止めたことを受け、合併交渉が停止していることについては、同CEOは言及を避けた。

  3日のニューヨーク証券取引所での同社の株価は、前日比10セント安の23.23ドルに下落した。【了】