さまざまな商品やサービスの相次ぐ値上げや歴史的な円安により、家計が厳しいと感じている人は多いでしょう。投資をして資産を増やし、この局面を乗り切りたいと考えている人もいると思いますが、未公開株や外国通貨、FXなどの投資を謳う詐欺が横行しています。被害に遭わないようにするために、投資詐欺を見破るには、どのような点に注意をすれば良いのでしょうか。

投資詐欺、どんな被害が起きている?

複数の出資者から募った資金を元手に事業や投資を行い、得られた収益を出資者に配分する「ファンド型投資商品」や証券取引所などに上場していない「未公開株」、金融機関以外で販売する「社債」など、魅力的に聞こえる投資話の多くには裏があります。

国民生活センターによると、近年は外国為替証拠金取引(FX)に関する相談が、2018年の577件から、2021年には2,172件と急増しています。
SNSやアプリなどを通じてFX取引を持ち掛けられ、入金してしまったものの「高額な手数料を要求された」「取引停止にできない」「お金が引き出せない」といった事態に陥り、取り扱い業者にも連絡が取れないといった事例が相次いで発生しています。

また、複数の人間が様々な役割を演じて消費者をだます「劇場型」と呼ばれる詐欺も増えています。被害に遭わないようにするには、何をすれば良いのでしょうか。

投資詐欺を見破るための3つのポイントとは?

金融庁の登録を受けた業者を利用する
投資詐欺などのトラブルが発生している原因の多くが、金融庁から金融商品取引法による登録を受けていない事業者です。免許・許可・登録などを受けている事業者の一覧は、金融庁のウェブサイトで確認できます。なお、金融庁などの公的機関が投資に関連する業務を民間業者に委託・指示することはありません。そうした謳い文句は、投資詐欺の典型的な手口のため注意しましょう。
また、無登録で金融商品取引業を行っているとして、金融庁(財務局)が警告書を発出した事業者も合わせて確認しておきましょう。

「必ず儲かる」といった、おいしい話に乗らない
株式や債券、投資信託などさまざまな金融商品がありますが、投資をする際は多かれ少なかれリスクがあります。「必ず儲かる」「上場間違いなし」「元本は保証される」など甘い言葉をかけてくる業者がいますが、投資は収益が出ることもあれば、マイナスになることもあることを念頭に、冷静な判断を心がけましょう。

未公開株や私募債(しぼさい)など、怪しい儲け話に注意
日本の未公開株式は一般的に、譲渡制限が設けられているケースが多く、簡単に売買することができません。一般に出回ることは少ないため、未公開株の購入を持ち掛けられた場合は注意が必要です。また、少人数を対象とした社債「私募債(しぼさい)」も、経営者の関係者などに限定して募集する場合がほとんどで、一般にはなかなか出回りません。未公開株や私募債に関する勧誘を受けても、誘いには乗らない方が良いでしょう。

怪しい業者からの勧誘や驚くほど高収益が見込めるといった甘い言葉には乗らず、投資詐欺の被害に遭わないよう注意しましょう。「おかしいな」と感じたら、金融庁の金融サービス利用者相談室や消費者ホットライン「188(いやや!)」などに相談を。