エアバス超巨大機「A380」のエンジン、謎プロペラ搭載が現実味!? 摩訶不思議な取り組みなぜ実施へ?
将来飛ぶのがいろんな意味で楽しみです!
「オープン・ファン・エンジン」の検証のため
サフランとゼネラルエレクトリックの合弁会社であるCFMインターナショナルが開発を進めている、新たなスタイルの次世代航空機用エンジン「オープン・ファン・エンジン」。近い将来、ヨーロッパの航空機メーカー、エアバスとタッグし、このCFM製「オープン・ファン・エンジン」を、総2階建て旅客機「A380」の製造初号機に載せ、飛行試験を実施する計画です。エアバスはこの発表にともなって、A380のエンジンのうちの1基が、2つのプロペラが重なるユニークなものに付け替えられているイメージ図を公開しています。
「オープン・ファン・エンジン」を検証するA380のイメージ(画像:エアバス)
「オープン・ファン・エンジン」は、見た目はターボプロップ・エンジンに近いものの、現代のジェット旅客機で主流となっているターボファン・エンジンの発展版にあたるといいます。
このエンジンは、エンジンカバー(ナセル)がないぶん、ファンの直径を大きくすることができることから、燃焼しない気流と、エンジンコアを通過して燃焼する気流との比率「バイパス比」を高く(燃焼しない気流を多く)することができます。これはエンジンの効率が高くなり、燃料消費量が少なくなることにつながるほか、環境負担も軽減できることを意味するそうです。
CFMはまず、米・カリフォルニア州のビクタービルにあるGEAviationの飛行試験運用センターで飛行試験の検証とともに「オープン・ファン・エンジン」の地上試験を実施。その結果をもとに10年以内に「オープン・ファン・エンジン」を搭載したA380を、フランスのトゥールーズにあるエアバス飛行試験施設から飛ばす予定です。
エアバスは2022年、A380初号機をさまざまな次世代航空技術を検証する「空飛ぶ革新技術試験場」として使用していく旨を発表済み。今回の「オープン・ファン・エンジン」試験も、この一環といえます。