新潟の短絡線「北越急行」時短効果は健在? 青春18きっぷ旅に組み込んだら“難題解決”か
新潟県の犀潟駅と六日町駅をむすぶ私鉄の「北越急行ほくほく線」は、青春18きっぷでは利用できません。しかし、きっぷを別途購入してでも、旅に便利となる場合があるのです。一日乗車券もあります。
かつては最速特急「はくたか」が走っていた「ほくほく線」
全国のJR普通列車が乗り放題となる「青春18きっぷ」。もちろんJR以外の私鉄各線は、一部の例外をのぞき一切利用できません。しかし、18きっぷ旅の途中であっても、旅の行程を考えるうえで乗る価値がありそうな私鉄路線も全国にあります。その一つが、新潟県を走る「北越急行」です。
北越急行ほくほく線は六日町〜犀潟間59.5kmを結んでいる(2016年5月、草町義和撮影)。
北越急行ほくほく線は六日町〜犀潟間をむすぶ59.5kmの路線。多くの列車はJRに直通し、上越新幹線の越後湯沢駅から、上越市の中心・直江津駅までを最短距離でつなぎます。しかも、トンネルの多い高規格な路線です。
ほくほく線の開業は1997(平成9)年。それまで東京から直江津までは長い道のりで、長野経由が一般的でした。1978(昭和53)年10月の時点で上野〜直江津間は特急で約4時間半。鈍行では約7時間半の道のりでした。
それを一変させたのがショートカット路線、ほくほく線です。上越新幹線から最高速度160km/hの特急「はくたか」へ乗り継ぐことで、東京〜直江津間はわずか2時間まで短縮されました。
2015(平成27)年に北陸新幹線が長野から金沢まで延伸開業。上越市内にも上越妙高駅が設置され、役目を終えた北越急行の特急「はくたか」は廃止となります。かわりに「超快速スノーラビット」が誕生。越後湯沢〜直江津間をわずか1時間でむすびます。
ほくほく線のショートカットっぷりは、青春18きっぷでの旅行の際も威力を発揮します。
ほくほく線を使うと「東京から日帰り乗り通し」可能になる路線とは
JRとは別途運賃のかかる、ほくほく線。これを行程に組み込むことで、青春18きっぷ旅の自由度は大きく高まります。
まず、東京から日帰りで大糸線の乗り通しが可能となります。6時台の高崎線に乗り、上越線の越後湯沢からほくほく線に乗り換えることで、糸魚川には昼過ぎに到着。13時台の大糸線の列車に乗車し、松本を経て深夜に新宿駅へ到達できます。
また、飯山線を旅行したい場合も便利になります。東京を早朝に出て、上越線の越後川口で飯山線に乗り換えると、長野へ到着するのは最速で17時前です。しかし、上越線の六日町駅からほくほく線で十日町駅までワープすると、2時間前の飯山線の列車に接続でき、14時半には長野駅へ到達できるのです。
ちなみに、新潟県内から東京へ帰ろうと上越線を南下する場合、越後湯沢〜水上の県境区間がネックになります。夕方には終電を迎えてしまうからです。直江津駅からこの早い終電に間に合うようにプランを組むとき、北越急行でショートカットすれば、JRで柏崎方面を回るより、1時間遅く出発ができます。
どのきっぷを買えばお得?
ほくほく線で犀潟〜六日町間の全線を乗り通した場合、普通運賃は1090円。一日乗車券「ほくほくワンデーパス」は1500円です(毎日発売)。「トンネルの中の駅」美佐島駅を訪問する場合、六日町〜美佐島間が290円、美佐島〜犀潟間が940円。この場合も、まだワンデーパスの料金には足りません。
ちなみに、JR2社が発行する「北海道&東日本パス」では北越急行に乗車できます。こちらは11330円で7日間乗り放題ですが、連続利用しかできないので、注意しましょう。