外で飲むビールが大好き、コーラが大好き、炭酸はやっぱり冷えた状態が最高! そんな人にオススメの炭酸飲料対応ボトル「真空断熱炭酸ボトル」がタイガー魔法瓶から登場しています。発売されてからも大人気。さっそくビールを入れてみました!

シュワシュワした炭酸飲物を入れて持ち運べる、タイガー魔法瓶の「真空断熱炭酸ボトル」。左が容量500mLのMTA-T050、右が容量1.2LのMTA-T120です。そのほか、容量800mLのMTA-T080、容量1.5LのMTA-T150があります

○実は、普通のボトルに炭酸を入れるのは危険なんです

真空断熱炭酸ボトルのラインナップは、容量の異なる4製品。容量と品番は0.5L(500mL)が「MTA-T050」、0.8L(800mL)が「MTA-T080」、1.2L(1,200mL)が「MTA-T120」、1.5L(1,500mL)が「MTA-T150」です。このほか、底ラバーの色や容量を組み合わせられる「真空断熱炭酸カスタムボトル」も、オンラインストアで取り扱っています。

価格はオープンで、推定市場価格は、MTA-T050が6,000円前後、MTA-T080が6,500円前後、MTA-T120が7,000円前後、MTA-T150が7,500円前後です。本体カラーは各容量とも、カッパー、エメラルド、スチールの3色。今回はMTA-T120とMTA-T050を試用しました。

MTA-T050(左)とMTA-T120(右)

従来のボトルに炭酸飲料を入れて持ち運ぶと、ボトル内の圧力が上がって、キャップや栓(せん)が破損したり、吹きこぼれたりする可能性があります。このためタイガーでは、安全性の観点から炭酸飲料を入れての持ち運びは推奨してこなかったそうです。今回、炭酸飲料への正式対応を明言したのは、この問題を解決する新しい構造を開発したから。

それは、炭酸ガス抜き機構と安全弁を備えた独自の新しい栓構造「BubbleLogic(バブルロジック)」です。キャップを回して開けるとき、キャップのすき間から炭酸ガスが先に抜けるため、吹きこぼれがありません。また、真夏の車中放置などで温度が著しく上昇するなど、万が一、ボトル内の圧力が異常に高まったときは、炭酸ガスを安全弁から自動的に逃がします。

キャップ開栓時に炭酸ガスを先に抜く、炭酸ガス抜き機構

安全弁の仕組み。真夏の車中放置などで温度が高まり、ボトル内の圧力が異常に高まったとしても、ボトル内の炭酸ガスを逃がすので不安がありません

このほか、ボトルの内面は凹凸を少なくすることで、炭酸の気化を抑える「スーパークリーンPlus」加工が施されています。

○多少は揺れてもまったく問題なし

では、1時間ほどウォーキングして公園へ行くため、ビールを入れましょう(仕事です)。1.2LのMTA-T120には350mLの缶ビールが3本と少し入ります。0.5LのMTA-T050にはコーラを入れました。こちらは500mLのペットボトルを1本分です。

1.2Lはサイズがやや中途半端かも。ただ、これは通勤やアウトドアに持ち歩くというより、ホームパーティなどでビールピッチャーにしたり、炭酸水を入れてハイボール用にしたりといった使い方を想定しているようです。

ビールを入れます。いい音で入っていきます(仕事です)

飲料を入れるときはボトルの栓を開けて、広い口に注ぎます。栓を閉めるときは注意が必要です。MTA-T050に500mLのコーラを入れたとき、うっかり飲み口のキャップを開けずに閉めようとしたため、閉め切る直前に圧力で中身が少し吹き出してしまいました。この失敗をしたのは一度きりでしたが、慣れないうちはついやってしまいそう。ユーザー側で気を付けたい部分です。

ボトルに炭酸飲料を入れるときは、できるだけ空気を入れないように、500mLなら500mLを入れるのが炭酸を長持ちさせるコツ。また、ボトルから少しずつ飲むよりは、一度に飲むくらいのほうが炭酸を堪能できるでしょう。スーパークリーンPlus加工により、炭酸が気化しにくくなっているとはいえ、ちょくちょくキャップを開けていれば炭酸は逃げてしまいます。

キャップを閉めるときは、回転してしっかり固定

MTA-T050は奥行きが75mmで、リュックのボトルポケットにきれいに収まってとても良い具合です。MTA-T120は奥行きが91mmあり、残念ながら私のリュックのボトルポケットでは奥まで入り切らず、リュックの中に入れて運びました。

MTA-T050は、リュックのボトルポッケにすっぽり

MTA-T120はちょっと厳しかったので、リュックの中に

携帯性は文句なしです。ボトルに入れて1時間たっても、冷蔵庫から出したときの冷たいビールが飲めました。もちろん炭酸も抜けていません。飲み口はSIAA認証の抗菌加工が施されていて、コップやグラスを使わずそのまま飲んでも衛生面は安心です。

公園でおもむろにボトルを取り出していただくビール。よく冷えたままで、夏だとめっちゃ気持ち良さそうです。ビールはしっかり飲みました(仕事です)

こちらにはコーラを

真空断熱炭酸ボトルの仕様によると、保冷効力(6時間)は、0.5Lが8℃以下、0.8Lと1.2Lが7℃以下、1.5Lが6℃以下です。より長く持ち運ぶことを想定して、12時間や24時間、入れっぱなしにしてみました。

24時間後はさすがに気(炭酸)が抜けていると感じましたが、12時間は微妙にOKな印象。また、コーラを入れてけっこう激しく振ってみましたが、吹きこぼれはありませんでした(マネしないように)。

真空断熱炭酸ボトルにビールを入れて、すぐグラスに注いだビール。泡が立っています

24時間入れっぱなしにしたあとのビール。さすがに気が抜けていました

使っていてちょっと気になったのは、飲むときにキャップを押さえていないとプラプラしてジャマなこと。姿勢によってはキャップが顔に当たります。ボトルを持つときに指でキャップを押さえれば大丈夫ですが、慣れるまでは気になるかもしれません。

ゴム製のストラップがゆらゆらして不安定なので、飲むときは指で押さえるとよいでしょう

ボトル自体の重さは、カタログベースでMTA-050が約290g、MTA-120は約470gです。実測したところ、どちらもカタログ値よりも少し軽く計測されました。

MTA-050の実測値。276.5g

MTA-120の実測値。456.0g

お手入れはとてもカンタン。栓ユニットを外して水で洗い、ボトル本体の中をすすぎ、乾いた布で拭けば終了です。糖分を含む飲料を入れた場合など、ていねいに洗いたいときは、栓ユニットを分解して個別に洗うと良いでしょう。キャップパッキンは小さいので無くさないように注意です。クレンザーや塩素系漂白剤はNG。金属たわしやナイロンたわしも使用不可です。また、食器洗い乾燥機にも対応していません。

本体に付いたニオイを消臭するには、ぬるま湯にお酢を少し混ぜてボトルに入れて、2時間ほどしてから水ですすぐのがオススメ。パッキンが臭う場合は、パッキンを30分ほど煮沸します。

炭酸栓ユニットの安全弁は、ときどきスプーンの柄などの硬いもので押して、スムーズに上下することを確認します。動きにくい場合は流水で洗います。今回の試用では、特に動きにくくなることはありませんでした。

爽快!(編集林)

栓、キャップ、ストラップを分解したところ。キャップの茶色いところがキャップパッキンです

タイガーの真空断熱炭酸ボトルは保冷専用なので、寒い季節よりは暑い季節に出番が多くなるでしょう。冷えたビールを持ち歩きたい! 炭酸飲料を携帯したい! という向きには満足度の高いアイテムです。

どちらかというと、多くの人は「ボトルで炭酸飲料を持ち歩くのはムリ」という認識でしょうから、潜在ニーズも掘り起こしそう。実際、発売から大人気で、年間目標としていた10万本の出荷本数を3カ月で達成しました。もちろん、炭酸じゃない飲み物も入れられます。贈り物にも喜ばれそうですね。