【書き起こし】民主党代表選・候補者ネット質問会 ~ユーザーの声 聞きます・答えます~(前編) - BLOGOS編集部
※この記事は2015年01月14日にBLOGOSで公開されたものです
12日夜、民主党代表候補による「候補者ネット質問会 ~ユーザーの声 聞きます・答えます~」が東京・六本木のニコファーレからニコニコ生放送で生中継され、登壇した長妻昭、細野豪志、岡田克也の各候補が視聴者からの質問に回答した。各候補・応援弁士による演説
司会・角谷浩一(以下、角谷):只今より「民主党代表選2015 候補者ネット質問会 ~ユーザーの声 聞きます・答えます~」を開催します。まずは、候補者と応援弁士による、入場・演説です。「日本はもっと良くなる」長妻昭候補です。応援弁士・小川敏夫:小川敏夫です。実は北海道の参議院議員の徳永エリさんが出る予定だったんですが、急に風邪で声が出ないということで、東京におります参議院議員の小川敏夫が急遽、応援演説ということになりました。よろしくお願いします。
私が長妻さんが代表だと確信したのは2年前です。先月の衆議院選挙の2年前の、あの選挙です。大変に民主党が惨敗した厳しい選挙でした。私、参議院議員で、色んな衆議院の方の応援に行きました。本当に厳しい選挙ですけど、長妻さんだけは違いました。本当に長妻さんの所へ行くとですね、有権者の方が長妻さんの方に寄ってきて「長妻さん、頑張ってね」「年金、ありがとう」こういう風に言ってくれてるんです。国民の信頼を受けている民主党の、この衆議院、政治家。やっぱり長妻さんが1番だと思いました。民主党をリードするのは長妻さんしかいないと確信しました。2年前も出てくれないかと言ったんですが、そのときはまだ決断してもらえませんでしたけど、今度は決断していただきました。民主党を変えて、建て直す、長妻昭です。
民主党が国民から少し見放されている1つの理由は、よく分からないと。姿勢がハッキリしないと、こういうふうに言われています。長妻さんはハッキリしています。集団的自衛権、認めません。原発再稼働、原則認めません。そして、政治のあり方、経済の中心は何か。格差を許さない。生活をする人、そこにしっかり視点を置いた政治を行なうんだという、間違いのない姿勢を持っております。税金の無駄遣いを許さない、そして、何のスキャンダルもありません。本当に清廉潔白、情熱の塊。まさに、日本の政治をリードする、この民主党を建て直すには長妻昭さんしかいないんです。是非とも、長妻昭さんをよろしくお願いします。では、長妻昭さん、少し短いですが決意を示してください。
長妻:私が言いたいこと。1番言いたいことを1つ言います。今日本は格差の拡大、これ限界に来てる。相対的貧困率見ても、先進国で2番目に格差が大きい。どんどん拡大してる。格差の拡大を放ったらかしといて、人の能力を潰しといて、何が成長なんだ。非正規雇用4割近くですよ?能力発揮させないで何が成長だ。
過労死でお亡くなりになる若者増えてます。若者を潰しといて何が成長なんだ。親の介護で辞める人、あるいは子育てで会社を辞めざるえない人。どんどんどんどん増えてます。能力を発揮させないで何が成長なんだ。大学進学率、日本はですね、5割です。先進国よりも低くなってしまった。年収500万以下のご家庭だと、大学進学率3割。やる気と能力があっても、金がないと大学に行けないっていう傾向がどんどん強まってるんです。若い人たちの能力を発揮させないでおいて、何が成長なんだっていうのを私は言いたいんです。生活保護を受けているお子さんの4人に1人が、大人になっても生活保護から抜けられない。こういう現状もあります。
私は、格差を是正することで、適切な人への投資をすることで1人1人の能力が最大限発揮できる社会を作りたい。すべての人に居場所と出番のある社会。そういう社会を作れば、必ず日本は良くなる。1人の人が100歩進む、後の人が1歩も進めない、そんな社会良いんですか? そうじゃなくて、1人の人、100歩進む人もいていいけれども、他の人も1歩2歩3歩とですね、歩みを進めていく。そういう社会の方が成長の基盤も作るし、民主主義の基盤も作るし、社会の基盤も作るんです。富とチャンスがグーッと一部の人に偏りすぎてんですよ、今。それを是正することで、日本はもっと良くなるというふうに確信をしてます。よろしくお願いします。
角谷:さあ、続きまして、「未来への責任」細野豪志候補です。
細野豪志(以下、細野):細野豪志です。私は昭和46年生まれ。15年前に国会議員になりました。28歳で議員になったんですが、その前はですね、実は挫折の多い人生を歩んできました。まず初めに高校受験で失敗しまして、親友は受かったんですが、私は落ちまして、ややちょっとすねたような時期がありました。その後、大学受験。これは高校をサボったことが原因なんですが、これも全部落ちまして。私は勉強向いてないかな、などと思ったんですが、それでもですね、1年間、思うところがあって勉強をして、一浪して大学には入りました。大学3年生のときにですね、父親が会社を辞めまして。有難いことにですね、学費を無償にしてもらって大学を卒業することができた。ですから、20年前の阪神・淡路大震災のとき、私はちょうど大学の4年生で時間があったんですが、あのときに、社会に支えてもらって学校に行かせてもらったから、今度は私が支える番だと。そういうふうに思って神戸に2ヶ月、現地にボランティアに入った。これがきっかけで、もっと政治や行政がしっかりやらなきゃなんない、こんな想いがありまして、政治家を志しました。
今日、私の応援にですね、鈴木宗男さんに来ていただきました。私は鈴木宗男さんと、いろんな形でのお付き合いをさせていただいて、ものすごい挫折を乗り越える強さを持っておられる。これ、民主党に足りなかったことだと思います。あとはですね、本当に人情を持っておられて、この人情が政治を動かすんだということをやってこられた。そういう方です。今日は是非ですね、鈴木宗男さんに一言、私に向けてもですねメッセージをいただければな、ということで登場いただきましたので、あとは鈴木宗男さん、よろしくお願い申し上げます。
応援弁士・鈴木宗男(以下、鈴木):天国と地獄を経験した鈴木宗男です。私は今回の民主党代表選挙を見て、細野候補、岡田候補、長妻候補、民主党には人材がいる! これを国民にアピールしている代表選挙ではないかなと、私は受け止めております。
今、ネット見てますと、何で鈴木宗男が出てるんだ。こういうですね、声が沢山出てますけども、細野さんから「鈴木、ちょっと来い」と呼ばれて、今日、私は北海道からやって来たんです。今、民主党に必要なことは私は何か? 情だと思っております。情けが必要ではないかと思っております。仲間内で集まって、好きだ嫌いだという感覚で、排除の論理で党を運営してはいけません。なんとなく暗い雰囲気の政党になってしまって、私は、平成24年の選挙、ああいう結果になってしまったと思ってます。その流れがまた、昨年12月の選挙に尾を引いていると思ってますね。
今やっぱり必要なのは、心なんです。ちょっとした思いやりと、慈しみと、愛情、優しさです。私は細野さんが最初に出てきた平成12年から、細野さんを、これは将来あるぞと思ってですね、付き合ってきました。細野さんが良いのは皆さん、明るいことです。いつもニコニコして人に会っている。皆さん、ニコニコして会われたら悪い気しませんね? それともう一つ、政治家には雰囲気が必要です。オーラがあります。何かしてくれるぞ、というようなですね、期待感や可能性を持った人なんです。それと皆さんですね、国会議員っちゅうのは、海千山千です。俗っぽい言葉で言えば、山賊と海賊の集まりです。それを束ねるにはどうしたらいいかって言ったら、腹です。それなりの苦労だとか、経験を積んでですね、束ねていくしかないんです。そういった意味で私は、細野さんにはその、器量、度量、肝っ玉がある。
天国と地獄を見た鈴木宗男が、45年、永田町で生活をしている鈴木宗男が、いろんな政治家を見てきた中でも、必ず日本を背負って立てる、日本のためになれる。誰よりも声なき声や、政治は弱い人のためだ、これを実現してくれるのが細んさんだという想いで、私は1票ありませんけども、私の娘、鈴木貴子は1票持ってますから(笑)、しっかり応援いたしますので、よろしくお願いします。
角谷:最後は「オール民主で原点回帰」岡田克也候補です。
岡田克也(以下、岡田):今日はありがとうございます。岡田克也です。よく私のことを、原理主義者だとか、頑固者だと言われます。確かに頑固かもしれません。20数年前に与党・自民党を出て、そして、とにかく自民党以外にもう一つちゃんとした政党を作って、お互い競い合っていく。政権交代可能な政治を目指す。ずっとそれでやって来ました。自民党と交わったことはそれ以来、1度もないんです。私の信念、ぶれずに政権交代がきちんとできる政治を作る。そういう観点から見ると、今の民主党が国民の皆さんの信頼を失っていることは本当に残念です。死んでも死にきれませんよ。なんとかこの党を立て直して、もう1回政権交代がきちんとできる政治を作る。それが、私は今回、代表選に立候補した最大の理由です。
いろんなこと言いたいですけど、時間も限られています。一つは、私はアベノミクスを全否定することはありません。良いことも悪いこともあります。もっとしっかりやれよと言いたいこともある。だけど、成長だけではダメなんです。その成長の果実をどう分配していくか。そこが政治ですよ。だから長妻さんも言われたように、格差の拡大や、若者や子どもたちの貧困や、地域の疲弊や、そういうことにしっかりと民主党は答えを出さなきゃいけない。もう1つは、民主党は未来志向の改革政党だったはず。それがどこかに行ってしまっている。地方分権改革や社会保障制度改革や財政改革や行政改革や、しっかり旗を掲げて、そしてもう一度政策を打ち出していく。これが大事だと思います。
最後に、私は民主党、厳しいなと思いますよ。簡単には政権交代できないかもしれない。しかし、次の選挙までに政権を争えるところまでは持ってかなきゃいけない。そのために私は、いつでも総理大臣が務まるという気概を持って民主党を引っ張っていきます。国会では先頭を切って安倍総理と議論して、10年間議論してきたけれど、何10回も議論してますが、負けたということは一度もないんですよ。ごまかされたことはあるかもしれませんけど。ですから、しっかり安倍さんと堂々対峙をして、そしてここに民主党あり、そのことをぜひ、示していきたいと思います。その先頭に、ぜひ立ちたいという風に考えています。よろしくお願いします。
応援弁士・辻元清美:私がなんで岡田さんを応援するか。自分でも言うてはったけど、ぶれない。それで20年以上ですね、信念貫いてきた人というのは、政界ではめちゃくちゃ珍しい。絶滅危惧種レベルにいってるかもしれないくらい、ぶれないんです。政治の世界は、あっちこっちええ顔したり、軸がなかなか分からへん人は沢山いてますけど、岡田克也ほど、ぶれずに軸通してきた、そんな人はいないと思うんです。私は今の日本にとって、やっぱり1つのことを追い求める、今「死んでも死にきれん」言うてましたけど、もう一度、野党を立てなおして政権交代可能な、この政党に民主党をしていくいうのは、誰よりも人生賭けてきたと思うんです。だから、もっかい岡田克也に賭けてほしいと思っています。
そして、実はコツコツ地道なことも一緒にやってきました。いろんな国々、発展途上国の貧困問題とか、地球温暖化の問題とか、そういうですね、本当にしんどい子どもたちの支援を、アジアやアフリカ現場にですね、自ら行って。そして、市民のNGOの皆さんと一緒に、活動してきたんです。私はそういうコツコツ地道な活動をしてる岡田克也も知ってるんです。だから、もう一度民主党を建て直す、そのキッチリと原点ぶれずに、そして、市民の皆さんとコツコツ地道にやってくる。それもできる岡田さんをリーダーとして選んでほしいと思っています。
今日はニコニコ動画でしょ? 実は外務大臣のときに、このニコ動を外務大臣の記者会見に、政界で初めてニコ動をですね、大臣の記者会見に入れたのは岡田克也なんです。情報公開とか、いろんなことをオープンにしてやっていく、それも岡田さんなんですね。ですから、この岡田さん、ちょっとね融通きかんとかね、原理主義者言われてるけどね、今の世の中、原理がぶれまくり。こんなときこそですね、ちょっと固めの、いやだいぶ固め。だいぶ固めの岡田克也。日本を建て直す、日本の再生のためには、ぶれない信念を貫く、固めの岡田をお願いします。ありがとうございました。
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長妻:一体、何が問題だったのかということでありますが。一つはですね、やはりマニフェストの問題があったと思います。非常に期待値を高めた、ああこんなこともやってくれるのか、具体的にこういう数字もやってくれるのか。しかし現実は、できないものが多々ありました。我々は、そのマニフェストがなければ、かなり良いことをやったと自負しておりますけれども、そのマニフェストで皆さんは、こんなに素晴らしいことが実現できるという期待を持った、持たせてしまった。そのマニフェストを作るときに我々、ずっと野党でしたから、官僚の皆さんの協力は得られなかった。有識者、そしてスタッフ、国会議員で作った。その詰めが甘かったというのがまず1点あります。
そして2点目は、民主党の中で腹合わせ、政策合わせ、そして意識合わせ、これを気の遠くなるような時間をかけてディスカッションして合意をしていくという作業が、非常に薄かったというのがあります。そして政権に就いたときに、官僚の皆さんと政権の政治家と、同じように腹合わせ、意識合わせ、そして政策合わせ。これも気の遠くなるようなコミュニケーションの中で醸成をしていくということが不足をしていた。あとはさっきの宗男さんの話じゃないですけれども、腹、腹の力。おっしゃるように、海賊と山賊の、国会議員は集まりだ。これ、なるほどと私は思いました。そういう集団を束ねていく力量や腹、そして、もう1つ私、足りなかったのは、私が今回、代表選に出る理由もそうなんですけど、明確な旗が立ってなかった部分がある。旗がグラグラしていた。その旗が民主党という政党は、社会を作る、こういう社会を作るんだという明確な旗をもっとキチッと立てていればですね、これは、その旗の元に皆さんが合意をして結集できるはずだ。こういう旗を立てたいと思います。
細野:私はある企業経営者の方からこういうこと言われたことがあるんですね。中々のやり手の経営者の方なんですけど、徹底的に会議をすると。中々、いろんな意見が出て良かった、しかし結論が決まらなかった、こういう会議を民主党状態というと。これで何人か笑っておられるけど、本当に笑えない民主党の現実だったんです。民主的にいろんなことを議論するのは良いことです。ただ最後はしっかり決めてまとまっていくという、この文化がなかった。私も民主党だけしか知りませんから、この党に思い入れあります。
さっき冒頭で言ったようにね、いざというときには社会に支えてもらう。逆に自分に力があるときは、社会の支え手になるというね、これ共生社会と我々、呼んでるんですけど。この理念もしっかり残したいと思います。しかし、この理念を残して民主党をもう一度政権に戻すためには、我々が過去と決別をして変わらにゃいかん。もっとも変わらなければいけないのは、このバラバラと言われる民主党の文化です。これを結束できるかに、ほぼかなりの部分は関わっていると言っても良いと思いますね。ですから、私はですね、リーダーも変わらなきゃならないと思います。しっかり退路を断って、そして自らがですね、自腹を切ってしっかりと仲間と信頼関係を築いていく。私は比例区への重複は、もうリーダーをやるべきではないと思っていますので。小選挙区だけで出ようと思ったのは、リーダーとしての態度を示す、このことが重要だと思ったからです。(拍手)宗男先生ありがとうございます。その上で、長妻先生もおっしゃいましたけど、やっぱり山賊、海賊ですかねえ。
長妻:(笑)
細野:ただ山賊、海賊も、賊として一つにまとまるのは多分、リーダーがいて、いろんな人の面倒見たりね、お互いに貸し借りあって、いろいろ一緒にやっているからだと思うんですね。そういう人間関係をもう1度作る、血の通った政党に民主党を変えることも、絶対に重要だというふうに思います。そのリーダーとして、私にぜひ皆さん、チャンスをいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
岡田:一つは確かにマニフェストの問題あったんですね。かなり過大でした。大きかったんですね。ですから、できないことがいっぱい出てきてしまって、国民の皆さんの期待を裏切ったと。これは大きな反省ですね。少しポピュリズムに走りすぎたと思います。これもできる、あれもできると言って、選挙をやった。もっと正直に、しっかりとできることを選んで訴えるべきだったと私は思います。
例えば野田政権のときに、党内で何日間も何日も議論をする。最後は野田総理も出てきて何時間も付き合って議論して、真剣に議論して、そして最後、決断する。総理大臣ですから、最後は決めなきゃいけないですね。それは51対49でも決めなきゃいけない。これは総理の責任ですよ。ところが、それに対して異論が出ちゃう。自分の支持者からいろいろ言われると結局、そっちに引っ張られてしまって「いや、私は反対だ」とか、そういうことを言ってしまう。これやっぱり私、覚悟の問題だと思うんです。政治家としての覚悟、政権を担う者としての覚悟、それが十分じゃなかったという。私はそんなふうに思ってます。ですから、その覚悟をみんながしっかり持たないと、私は民主党は政権を担う資格がない、そういうふうに思ってます。
もう一つはですね、そういった与党のときのバラバラ状態に恐れて、この2年間、いろんなことを決めることに、少し臆病になってしまった。よく言われるのは民主党の政策が見えない、こういうふうに言われました。やはり、いろんな議論を尽くした上でリーダーは決断するんです。決断しなきゃいけない。新しい代表は、最後は責任をもって決断する。そして、そのことに皆さんが従っていただく。もちろん、大議論をすることが、熟議をすることが前提です。そういう民主党を作っていきたい、いうふうに思っています。私からは以上です。
角谷:はい、ありがとうございました。では続いては、次の質問へいきましょうか。「民主党の方向性は与党に対して批判的という点以外、あまり一貫性がないように感じています」まあ今、いくつかお話もありました。「与党の政策の中で自分と同じ考え・方向性のものはありますか? あればそれはどんなものでしょうか? また、“与党の政策に対して反対”以外の建設的かつ、実現可能と思っている政策があれば、その内容と、いつまでに実現するのかを教えて下さい」と。大阪の33歳の女性からです。これは、細野さんからいきましょうか。
細野:はい。少し多分、印象が先行している部分があると思うんですが、かなりの法案については、我々は政府が出しているものに賛成しているんですね。大体、1年間に出てくる案件は、国会の場合、150ぐらいです。その内、我々が賛成をしているものというのは、約7割から8割。残り2割か3割くらいで反対をしたりですね、違う法案を出して、そちらにだけ賛成をしているという、こういう状況なんですね。ですから、一般の皆さんの印象は、ものすごく民主党は反対ばっかりしているという、そういう印象を持っておられると思うんですが、現実は違うんです。ただ大事なことは、2割、3割確かに反対することがある。そのときに単に反対をするだけじゃなくて、ちゃんと提案をすることですね。
ちなみに、この2年間で調べてみたんですが、我々はですね、108本、国会に提案をしてます。ですから、かなりの問題については建設的な提案をしているというのはぜひね、御覧の皆さんにも分かっていただきたいと思います。ただ、悩ましいのは、非常に難しい問題について我々が提案をできているかというと、そこは私は十分じゃない部分があると思います。 一番典型的な例として私が挙げたいのはですね、安全保障の問題。去年のですね、夏に、国会が開いてないときに閣議決定で集団的自衛権の解釈が行なわれました。これはまずい! 立憲主義の観点から。ただそれに対して、じゃあ秋の国会で我々がこう考えるんだという案が提示をできたかというと、これは残念ながらできなかった。やっぱり提案するべきですね、そういう問題については。私は「領域警備法」という尖閣諸島を守る、こういう法案はしっかり国会で審議をすべきだと思うし、悩ましいけれども、この国の安全を守る意味ではですね、尖閣諸島だけじゃなくて朝鮮半島有事ってのも考えなきゃなんない。朝鮮半島で戦争があった場合には、我が国の自衛にも直結をしますから、そこも逃げずに「安全保障基本法」というので党内で議論をして、しっかり提出をして、建設的な提案ができるような、そういう民主党にならなければならないと。私はそう思っています。以上です。
岡田:この前の選挙で一つの大きな争点「アベノミクス」でしたよね。私の反省はアベノミクスに頭から反対を言い過ぎた、いうことなんです。アベノミクス、確かに問題ありますよ? 1本目もあるし、2本目もあるんです。しか3本目の基本的考え方ですね。つまり、生産性を高めることで経済成長を実現する。これは持続的な経済成長には必要なことなんです。生産性向上を伴わなかったら、それはバブルになってしまう。ですから、そのことをしっかり踏まえた上で、しかし3本目の矢の中で、私は賛成できるものも反対しなきゃいけないものもある。賛成できるもの、例えば農業とかですね、あるいは医療とか。これ、野田政権のときも言ってきた成長戦略なんですね。そういうものはむしろ、自民党の方がいろんな業界団体との関係でできないかもしれない。そういうのはむしろ、ちゃんとやれ! って言ってですね、後ろから押すっていうことも私は必要だと思うんです。
じゃあ、アベノミクスの何が問題かというと、先程から議論になっている、成長は良いんですけど、その成長の分配の所がまったく無い。これ最大の問題ですね。もう一つは、いつの間にか財政が非常に肥大化して、財政再建というものがどっかに行ってしまっている。そういうことについては大いに議論しなければなりませんけれども、しかし頭からアベノミクスを私は否定する必要はない。デフレから脱却するかどうか分かりませんけども、現時点で少し希望があるのは、私は評価すべきだというふうに思ってるんです。
財政の問題でね、2020年にプライマリー・バランスを黒字化するっていう目標。これ、我々も安倍政権も共有してますよ。だったら私は、安倍さんはこの夏に、その計画を出すと言ってるんですが、夏じゃもう国会終わってます。私は早く案を出してもらって、こういう大変な問題、難しい問題ですよ、政治が取り組むのは。そういう問題はお互いに胸襟を開いてしっかり議論していくべきじゃないか。なるべく共通の基盤に立つべきじゃないか。そういう政治も一方で必要だと私は思っています。
長妻:与党の政策の中で、自分と同じ考えというご質問ありましたけれども。私は公明党の一部、あるいは自民党の一部の中にはですね、社会保障に対する考え方、共鳴する議員もおります。社会保障は経済成長のお荷物じゃなくて、成長の基盤を作るものだという考え方、あるいは、安全保障に対する考え方。
今回、公明党はですね、押し切られたと思うんです、自民党にですね。あそこで私は、あそこまでお付き合いする必要あったのかと思うぐらいでありまして。公明党の一部の方もですね、私に近い安全保障感を持っていると思います。
そして、もう一つ。実現可能と思っている政策があれば教えてくれという話でありますが。これは冒頭の私のプレゼンテーションでも申し上げましたけれども、やはり、格差が拡大をして、人の能力がどんどんどんどん潰れてると。これをですね、所得再分配政策、資産再分配政策をして、能力を発揮させるようにする。これが私の根幹なんです。そして具体的にはですね、相対的貧困率、これを数値目標、いくつ下げるのかの数値目標を国家目標として格差是正に取り組む。そして、所得税の累進をもっと強くする。そして、資産を多く持っている人からは、再分配政策をもっと強くする。教育についてもですね、これは大学にもですね、意欲と能力があれば行くことのできるような給付型奨学金を作っていく。あるいはですね、職業訓練。社会に出た後でもいつでも教育が受けられる。あるいは均等待遇原則をキチッと守る。非正規であろうが正社員であろうが、同じ仕事であれば同じ待遇、同じ給料。ヨーロッパでは当たり前です。そして女性のクォーター制を入れて、議員を比率を決めて明確に増やしていく。そのことで予算配分を変えていく。そして日本全体の各力を引き出していく。これはすべての政策の根幹にあって、今の安倍内閣と違うところでありますんで、これをぜひですね、民主党の旗を掲げてやらせていただきたい。よろしくお願いします。
角谷:大変、熱を帯びてきましたんで、次に質問にいきたいと思います。「移民を受けれ入れれば、治安が悪化して、フランスでのテロのようなことが日本で起こっても不思議でなくなると思います。移民政策について賛成ですか、反対ですか?」と。東京都の46歳の男性からいただきました。これ、岡田さんからいきましょう。
岡田:単純労働という意味での移民の受け入れは、私は避けるべきだというふうに思ってます。もちろん、将来の議論のテーマとしてはあります。どんどん人口がもし減っていくんなら、そういう議論は出てくるかもしれませんが、現時点で考えれば、やはり、期限付きで受け入れて、期限が来たら国にお帰りいただくと。そういう形で労働力を活用する。日本の社会が移民をどんどん受け入れる、そういう準備ができてるとは思いませんし、そしてヨーロッパの国の中にも今、移民を受け入れたことに対する反省が出てきています。もちろん難民とか、いろんな形で日本に来られて働いている外国人の方、たくさんいます。そういう方に対して、これは排斥・排除するような、そういうことになっては、これはいけないというふうに思います。そこは多様性を認め、寛容な社会、非常に大事なことだと私思いますけれども、単純労働をどんどん入れるというのは、今の日本の現状から見て、私は適切ではない、いうふうに思っています。
長妻:私ですね、移民の受け入れの議論のときにいつも不思議に思うのは、これから日本は少子高齢社会になると。だから担い手、現役が少ないから、移民を入れてですね日本の高齢者を支えてもらいましょう。これ、非常に都合のいい話だと思いませんか。
ある国でも起こりましたけど、移民の方が入ってきて子どもを4人、5人生む。かなりお子さん生まれるんですね。そういう傾向がある。そのときに、そういう方だって老後になるんですよ。高齢者になる。そのときに社会保障負担が重いからといって排斥運動が起こる。そういう国もありました。こんな都合のいい形で、人間ていうのは物じゃありませんから。はい、日本に来て高齢者支えてください、あなたが高齢者になったら国に帰ってください。お子さんも全部生まれてるわけですから。こういう都合のいい発想で移民を入れる。もし入れるんだったら多様性だと、そういうことで入れるんならいいんですが、今の議論は私はおかしいと思うし、岡田さんおっしゃるように、私も単純労働の移民をどんどんどんどん入れていく。これ逆にですね、介護施設などでは賃金が上がらない、人が集まらない。じゃあ移民を入れよう、ずっと賃金上がらないですよ。日本人が働かない職場になる。賃金を上げないで済むかもしれないけれども、移民の方ばかりが働いてしまって、そこで非常に差が出てくる。これおかしいと思いませんか。
だから均等待遇をして、キチンと賃金を合わせるというのが先決で、移民をですね、そういう便利な形で私は使うというのは非常に腹立たしいんです。移民の方が入ると全部得するのか、経済的に。それは言葉の問題、教育の問題、あるいは社会の、ある意味では我々が大体共有している基盤の問題が違ってくるわけで。全部これ変えていく。そのコストがすごくかかる。私はですね、何か移民が都合がいいから入れる、そういう議論が先行しているのはどう考えてもおかしいと。世界の移民の状況をよく見てほしい、そういうふうに強く思います。安易にやるからいろいろな問題、歪みが出てくると思っておりますので慎重に取り組むべきと思います。ありがとうございました。
細野:私もですね、単純な移民は受け入れるべきではないし、そういう日本は社会状況ではないと思いますね。安倍政権もやってますが、一部、技能実習などについて現実的に頑張っておられる方々がいるので、そういった方々のしっかりと受け入れっていうのはしていく部分があってもいいと思いますよ。ただ、現実問題としては、日本の場合にはですね、1年間に50万人以上、人口が減ってるわけですね。ですから移民を受け入れることで、この50万人を毎年埋めるなんていうのは現実的に無理ですから、これで問題が解決するなんていうことは思わないほうがいいと思います。
むしろ私は、外国人の受け入れについては前向きな部分だけをできるだけやっていったほうがいいんじゃないかと。もちろん、専門的な有能な人たちに来てもらうというのは、今もやってますが、もっとその範囲を広げても良いと思いますね。例えばですね、美容師さん。皆さん、世界のどこかで髪を切ったことあります? 私、あちこちで切るんですけど、びっくりするような髪型になるときあるですね。実は美容師さんの技術っていうのは、日本がおそらく世界でも最も先に行ってると思います。それぐらいみんな上手。なので、例えば美容師さんなんかも、日本でちゃんと資格を取ってもらって、ずっと日本にというわけにもいかないものですから、そこはお帰りいただくことも含めて、日本の美容資格が世界に通用して、世界で日本で勉強した美容師さんが活躍するとすれば、こんな素晴らしいことないと思いません?
もう1つ例を挙げると、日本料理の料理人さんね。これもね、先進国の大きな都市に行っても、時々まだ、びっくりするような日本食出てくることあるでしょ? あれはね、日本食の評価を下げちゃう。もっと外国人の人に日本に来てもらって、ちゃんと日本の料理をプロとして学んでもらって帰ってもらって、しっかりやってもらえばね、日本料理の範囲もものすごく拡大すると思うんですよね。ですから、この外国人の問題というのは前向きに、いろんな業種について考えていって、日本のことを世界に知ってもらえるような、そういう方法として有効に考えていったほうが、長い目で見ると日本にとってものすごくプラスになるのではないかと、私は思います。 角谷:では次の質問は、ちょっと雰囲気が変わるものですけども、これいってみましょう。「ライバル候補の良いと思っているところを、それぞれ教えてください」という、大阪34歳の男性からです。では、長妻さんからいきましょう。長妻さんがお2人について。こういうことでしょうかね。
長妻:そうですね。岡田さんにおいては、大先輩ですが恐れ多いんですけれども。やっぱりぶれないっていうことでしょうね、イメージ通り。私もこの政界に入ってですね、いろんな議員の方とお付き合いしましたけれども「いや頼むよ、これはちょっと曲げてお願いする」と言われると、やっぱり考えを変えてしまう方も結構いらっしゃるわけでありますが。もう義理も人情もへったくれもなく、と言ったら言葉悪いですけれども、本当の根底のとこですよ。いやいやいや、根底の政策は、何か人間関係があっても絶対にそれは変えない。ちょっとした所は変えますよ。 岡田さんなんか「奢らない」って言ってますけど、私に色々奢ってくれたりしますから、大丈夫です。ただ根底の、本当の根幹の政策まで変える人もある程度いる中で、そこはどんな人間関係があっても何でも、変えない安心感があると私は思ってます。
細野さんは、まさにルックスも良く、そして何よりも宗男さんもさっきおっしゃられましたけども、非常に愛嬌があるって言ったら、大変僭越な言い方ですけれども。明るいですね、華があるっていうんですかね。そういうようなところがあると思ってます。翻って、私は華がないというわけではないんですけども、私自身はかなり、お2人のタイプと違うのかどうか分かりませんけれども、内向型の性格だというふうに本当に自分で思っておりまして。ただ、深くですね、少ない人と深く付き合っていく。そして私もぶれない方です。1回、考えに考えぬいて腹に落ちたら、それはもうぶれずにですね。少数の方と話を固めて、そして広げていくと。そういうようなタイプですんで、いろんな持ち味のあるリーダーがいていいんじゃないかと思います。
細野:まず岡田さんなんですが、まず同様に証言しておきますと、私も岡田さんにご飯ご馳走になったことありますから(笑)。2人証言揃ってますから、そこはちょっと間違った印象を持たれてると思いますが。なんといっても岡田さんの凄いところは、本当に真面目でおられるところだと思います。私初めて、議員になって海外に行ったのが、岡田政調会長のときの韓国だったんですね。皆さんも多分、そういう印象持っておられると思いますけど、議員の外遊っていうと、仕事はちょっとしかやってなくて、あとはゴルフやってたりするっていう印象ありません? 私、初めて行った外遊が岡田さんだったんで、もしかしたらそういう外遊なのかなと思ったんですけど、大間違いでした。もう朝の8時から会議ね、朝飯を食べながら。ずーっと1時間から1時間半刻みに入っていて、最後は夜の10時から面談と。それもお酒なし。それだけみっちり、あれ3日か4日だったんですが、予定をずっと岡田さんが組んでおられて、国会議員っていうのはこれだけ真面目に仕事をして、タフな仕事なんだっていうのを、初めに岡田政調会長からものすごく植え付けられたという、これがあります。ですから私、海外行くときもそうですけど、本当に仕事をちゃんとする。これだけはね、民主党の良いところだと思って学んできたという、そういう大先輩ですね。
長妻さんの良いところは、同期生なもんでね、ずっといろいろ一緒にやって来ましたけど、やっぱりね、本当にサラリーマンの感覚を今でも失ってない。NECにお勤めだったんですよね?(長妻:そうです。)民間企業にお勤めておられて、どれぐらい民間企業がコストを削って儲けを出すのに努力をしてるか。どれぐらい、例えば民間の皆さんが、例えばいろんな仕事をするのに、ノルマを課されて大変な仕事をしてるか。そういう考え方からすると、税金の使い方なんかは、我々政治家もそうだし。あとは、官僚も甘いんじゃないかっていうのをずっと言い続けてきた。途中で大体変わるんですけど、長妻さん、そこ全然変わんないっすよね。ずっとその民間時代の想いを持ち続けてやっておられる長妻さんは、心から私、尊敬してます。そういう人です。
岡田:私が奢らないっていうのは間違いですからね(笑)。ただしね私、1つ決めてることは、同期は奢らない、決めてるんですね。だって同期なのに奢るっておかしいじゃないですか。なんか上下関係あるみたいな感じになりますよね、奢るっていうと。私の同期の1人が、そのことを恨んでかなんか「岡田は奢らない」っていう、そういう噂をまき散らした時期があると。それだけのことなんですね。
さて、長妻さんは、やっぱり突破力ですよ、これは。あの年金のときの長妻さん。もちろんあれで民主党救われたわけですけれども、政権交代につながったわけですけれども。綿密に調査する。やっぱりマスコミの出身者、そしてそれを元にして徹底的に追求する。そして小さな穴をどんどん大きくしていって突破する。この力は、私は政界で長妻さんの右に出る人はいないと思います。ですから民主党にとって本当に大事な人材です。
それから細野さんですが、私の間違いだったら教えていただきたいんですが、最初に私、細野さんの応援に行ったことあるんですよ。そのとき細野さんね、何を言うのかなと思って私、聞いてたら。私の足のサイズは30センチって言いませんでした? (細野:30センチです。)
それが演説だったので、え? と思ったんですが。でも、あれからですね、これだけ短期間の間に、政策も本当にですね勉強されて、キチンとした自分の体験も持っておられるし、それから政治家としても成熟してますよね。短期間でここまで来たのは本当すごいと思いますよ。私が同じ年だったら、とてもここまで、できてないと思いますね。そういう意味ですごく成長してきた、民主党の将来を担っていく、すぐかもしれませんけれども。いずれにしても、リーダーになる人、そのことは間違いないと思っています。他にも民主党、いろんな人材いますから、そういう1人1人がお互い力を合わせる中で、この民主党、もう1回政権を摂れるように、しっかり頑張っていきたいと思います。
角谷:はい、ありがとうございました。今のこの質問は、ちょっと優しい質問だったわけですけど。でも、これ今ユーザーの皆さん感じたと思うのは、そんな仲悪くないじゃない、という感じ。民主党の中はいつもギスギスしてるというふうに思われているかもしれませんけど、こんなお茶目な部分は、きっとこういう場所じゃないと出なかったかもしれないんで、やって良かったと思いますね。
それじゃあ、次の質問いきたいと思います。少しハードなテーマです。「今年、戦後70年ということで、安倍首相は8月に英知を結集して考えた談話を発表すると言っていました。あなたが首相だったらどのような談話を出しますか?」という、福岡の21歳の男性、若い人からいただきました。この問題については、今年の8月を中心に大きな議論になると。また、世界にどういうふうな発信をするかということが、大きなすでにテーマになっています。皆さんの声を伺いたいと思います。まずは細野さんから。
細野:はい。私は野党でおそらく今年の夏を迎えることになると思いますが、それでも民主党としても談話を出すべきだと思いますね。出すべき談話はですね「戦後の平和主義」というのを我々は継承していくということを明確に言うことだろうと思います。70年経つわけですが、戦後の日本はですね、中々ね、良い国造りをしてきたと思いますよ。平和主義、即ち戦争をしないということですね。これは国民の幸せにもつながるし、世界の平和にもつながる。そして日米同盟を大事にして、さらにアジアと共生で、国際的に貢献をしていく。この継承者が、今の自民党にあんまり見えてこない。安倍さんはちょっと怪しい。ならば、その戦後の歩みの継承者が我々であるということを、しっかり示す談話を出すべきだというふうに思いますね。
その上で、これからこの国が、何を世界に積極的にしっかり示していくのかということについても、しっかり方針を示すべきだと思います。私は環境とかエネルギーはその1つの分野だと思いますね。特に福島での原発事故を受けました。環境問題っていうのは世界の今や国益を賭けた問題になってますから、やっぱりエネルギーとか環境の分野で、日本は世界に貢献をしていくという方針を示すべきだろうと思います。
加えて、地味だと言われるけれども、私は文化も良いと思います。日本の文化というのは世界に通用します。そして、文化を世界にしっかり伝えていくことができれば、必ず日本のファンができる。日本食なんかその典型ですけれども。そういう文化も含めて日本は、環境エネルギー、文化でしっかりと世界に貢献していくんだっていうような方針を、できれば70年をきっかけに出せればいいかなというふうに思います。もちろん、平和主義ということを申し上げたのは、戦争のときの反省についても、しっかり書き込むということを含めての話であります。以上です。
岡田:私、外務大臣のときにいろんな国に行って、改めて感じたことは、戦後の70年の歩みに対して、国際的な評価はすごく高いですね。ですから、日本が好き、日本人が好きっていう人はすごく多いです。国際的なアンケートやれば、やっぱり日本とドイツは双璧ですね。つまり、みんなが素晴らしい国だと思っている。やっぱりこれは、先輩たちの70年の積み重ねのその結果だと思うんです。これは本当に大事にしなくてはいけない財産で、私、安倍さん見ていてちょっと心配になるんですね。
70年の談話、政府の談話、安倍さんの談話になりますが、私は早く国会でこれもね、議論していきたいと思うんです。つまり、変な談話出されて、この70年の積み上げがダメになってしまったら、これは本当にもったいないことですね。私は戦後のこの歩み、そしてその前提としてやっぱり、70年前の戦争に対する反省、それはキチッと言うべきだと思います。安倍さんとも国会で、何度もこの議論してるんですが、例えば村山談話の中にある、植民地支配とか侵略についての所、これを安倍さんがどう考えているか、実は分からないんですね。村山談話全体を引き継ぐとは言われるんだけど、じゃあ侵略とか植民地支配っていうことはどうなんですか、そこも…、これ村山談話のコアですから。ここを引き継ぐんですかと聞いても、いや、全体として引き継ぐんですとしか、安倍さんも官房長官も答えないんですね。
やっぱりそういう、間違ったことは間違ったとしてしっかり認めて、その上でそれを乗り越えて、日本は70年間、これだけのことをやってきた。そしてこれからも未来志向でやっていくんだ。私は日本がアジアにあるっていうのは本当に幸運なことだと思うんですね。世界で最も発展する可能性のあるアジアですよ。このアジアの平和と豊かさを、日本が中心になって作り上げていく。そしてそのことによって日本自身の平和とか豊かさを、これをしっかりと守っていく。そういう基本的な考え方に立って、私は談話を作るべきだと、こういうふうに思ってます。
長妻:これは戦後70年ということで、非常に大きなチャンスだと思います。私が代表に就任すれば、8月15日に出すんではなくて、これは自民党も出しますから。その1ヶ月程度前にキチッとしたものを出して、これは流石だというものを出して、自民党をそういうふうに誘導したいと思います。
一つ重要なのはですね、私、今の世相で気になるのは「自虐史観」ていう言葉なんですね。つまり70年前の戦争の反省を言うと、あんたは自虐史観だと。つまり、あんまり自虐的になるなっていうですね、そういう風潮がすごく気になります。日本ていう国は、情報を制限して、空気さえ作り上げれば一気に極端な方向に持っていくことができる。これ70年前の戦争の反省です。ナショナリズムを煽れば、政治家は人気出るかもしれませんけれども、その煽ったナショナリズムが大きくなりすぎて、コントロールできない。そして国があらぬ方向に行く。70年前の戦争の反省です。この戦争の反省をもっと綿密に、村山談話よりもですね、綿密にキチッと書き込んでいく。科学的、理性的にその反省を書き込んでいくということが、私は、まずは1つ重要だと思います。
そしてもう一つはやはり、アジアの中で、日本はどうやってこれから生きていくのか。そのメッセージも入れるべきだと思います。軍事だけではなくて、例えばドイツとフランス、何度も戦争をしました。しかし、700万人若者交流計画というのを立てて、本当に700万人の若者がホームステイなどで交流したんですよ。そして今は基盤ができる。だから私は隣国の中国や韓国とも、数百万人若者交流計画をキチッと立てて、政治が何かあってもですね、基盤はキチッとしているんだ、そういうような考え方をアジアに広げていく。人的交流を日本は徹底的にやります。こういうメッセージを出す絶好のチャンスだと思いますんで、全力でこれは取り組んでいきたいと思います。ありがとうございました。(後編へ続く)