【書き起こし】党首討論会で、政権とメディア・Facebook投稿について安倍総裁に質問 - BLOGOS編集部
※この記事は2014年12月02日にBLOGOSで公開されたものです
1日午後、衆院選の公示に先立ち、日本記者クラブで与野党の8党首による党首討論会が開催された。2時間にわたる討論会の中では、政権とメディアについての質問、安倍氏のFacebook投稿についての質問も飛び出した。本記事では、その部分についてのやりとりをお届けする。なお、Facebookについて質問した橋本五郎氏は、昨年の参院選での党首討論会でも「指導者のありようとして、Facebookでいちいち反論したりするが大宰相への道なのか。」と質問、安倍氏が「私事で反論したことはないが、しっかりと胸に刻んでいきたい」と答える一幕があった。
(1:58:30ごろから)読売新聞東京本社特別編集委員・橋本五郎氏:安倍さんに確認なんですけどね、Facebookね、あれは自分でやっておられるんですか。
安倍総裁:あの、Facebook私が運営しているのは、私個人のFacebookとですね、官邸で出しているものがあります。で、私個人のものについては私が書く場合とですね、秘書が、それは秘書として書いている場合があるということでありまして、で、なるべくFacebookを使って、こういうマスメディア以外でも、多くの方々にですね、タッチをしていきたいと思います。
<以下、自民党の被災地復興対策についてのコメント>
橋本氏:先ほど、何故Facebookを聞いたかと言いますとね、一国の総理大臣がね、いちいち今その、社会現象が起きていることについて、そんな言うってことがね、やることなのかっていう根本的な疑問があるからなんですよ。
もっと大きく構えてなきゃ変じゃないかなというね、そういう疑問があるから、あえてFacebookのことを聞いたんです。
安倍総裁:これは、時代の変化なんですね。これはまさに私の生の声を聞くというのは、新聞社の方々しか聞けなかったのがですね、Facebookを通して市井の皆さんにも届くのは事実であります。そのことでいろんな批判はいただきますよ。でも私はあえてその批判は甘受しながらですね、この新しい時代において、私の考え、生な声、こういうことについてどう感じているかということについても発信をしていきたい。
Facebookというのはそういうことについての批判も載りますし、賛同もあります。Facebookに声も寄せていただく方同士のですね、議論もあるわけであります。でも、これがですね、まさに今、時代において大きな役割を担っているのは事実なんだろう、こう思うわけであります。
官邸のFacebookについて言えばですね、フィリピンに対して自衛隊が1200人派遣されました。災害派遣。これ、もう圧倒的にですね、世界中のフィリピン人の方々がですね、感謝のコメントを寄せていただきました。
つまりFacebookというのは、そういう役割も担っているんだということも、どうか私はご理解もしていただきたいし、これからもですね、是非活用していただきたいし、この選挙戦もですね、その、SNSを活用していい、ということになったんですから、この批判も含めて、我々はですね、しっかり受け止めながら、活用していきたいと思っています。
毎日新聞・毎日新聞論説室専門編集委員:そこで安倍さんですね、いいですか。ね、権力と報道っていう事で一つ聞きしますけどね、11月20日付けで、自民党の萩生田筆頭幹事長名でですね、民放各局にね、いわゆる"中立・公正な報道のお願い"という文書が届きました。それ見るとですね、きめ細かくですね、その、出演回数とかですね、出演時間を云々、それからその過去のね、その、映像をどう使うかとか、あるいはその、街頭の話をどう選択するのかについてまでね、色々注文が付いてる。これはですね、過去になかった話ですし、それから諸外国でもあんまり聞かない話です。
政権政党がですね、その手のですね、ある意味ね、その、圧力とも取られる、自粛にも繋がるような事をすべきなのかどうか、これはね、安倍さんにじっくり考えて頂かなきゃいけない話だと思うんですが。
中ではね、実際にそういう自粛ムード生まれてるって言いますよ。そりゃ自粛する方が悪いかも知れませんけれどもね、その辺あなたどう、どうお感じでしょうか。
安倍総裁:えー、まずですね、まず公平・公正というのは当然の事なんだろうと思います。公平・公正ではなくて、何か思い込みを持って、事実ではない報道をしようと言う事があればですね、その公平・公正というのは、なんか刺さるんだろうと。公平・公正にやっている方々は当然、公平・公正にやって頂ければ良いんであって。
で、米国はですね、フェアネス・ドクトリンがテレビにはないんです。フェアネスではなくて良いんです。自由にやって良いです。しかし日本は、あの、放送法があって、フェアネス・ドクトリンというのがありますから、そこは米国とは全然違うんだという事は申し上げておきたいと思いますし、やっぱりですね、例えば、例えばですね、その、一方的にある党を貶めようとして…
倉重氏:あれ安倍さんの指示があったんですか?
安倍総裁:ちょっといいですか。貶めようとしてやっていけばですね、出来るわけでありますから。しかしそれは当然ですね、公平・公正にやっていければ全然問題はないんだろうと思うわけであります。
倉重氏:あれは安倍さんのご意向ですか。
安倍総裁:いちいち私がそんな指示は致しません。党としてですね、そういう考え方でやったんだろうと思いますが、公平・公正にもしやっておられるんであれば、何の痛痒も感じられないのではないのかなと。
倉重氏:なんでそこを信用できないんですか。
安倍総裁:でも今まで、例えばかつてですね、「椿事件」というのがありましたよね。
倉重氏:あれとは違いますよ。
安倍総裁:いやでもありましたよね。あの時、我が党はこの問題を、かつて、細川政権が出来たわけでありますから、あれとこれは違うじゃなくて、まさにああいう問題が起こってはならないという事も当然あるわけでありまして…
倉重氏:分かりました、はい。
安倍総裁:あれとこれではなくて、あれこそやっぱり問題じゃないですか。
倉重氏:はい。じゃあ安倍さん、ちょっと最後にね、最後って言うか…安倍さんに対する、あのね、その健康問題ですよ、ね。安倍さんはこれから4年間国民に対してですね、政権を担わしてくれという解散をするわけでけどね。あの、過去にですよ、ああいう形でお辞めになった事はですね、みんな知ってます、ね。
その中で、今アサコール飲んでお元気だって言うんですけども、実際問題、健康管理、どうされてるのかね、その辺をですね、ちょっとあの、ハッキリさせて頂きたいと思うんですけどね。
それによってですね、やはり安倍さんにやってもらおうかやってもらわないかという事もね、一つの判断材料になると思います。その辺が可能な限り是非、詳らかにしてください。
安倍総裁:健康問題についてはですね、私は今までの生涯の中で一番健康だと思っております。ま、その持病の潰瘍性大腸炎というのはこれ、中学を卒業する頃からずっと悩まされてきたわけでございますから、画期的な新薬でこれは無事、今、元気に、全く問題なくなったわけでございます。だからこそ難病対策に私は力を入れているわけでありますが、私の「総理の一日」を見ていただければですね、元気にやっているということをご理解いいただけるんではないかと思います。
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