CBS MarketWatchによると、米FRB(連邦準備制度理事会)は20日、6月28−29日に行われた米FOMC(連邦公開市場委員会)の金融政策決定会合の議事録を公表した。それによると、多くの委員が、今後の金融政策について、「かなりの不透明感がある」との認識を示し、一段の引き締めの必要性について、委員の間で見方が分かれていたことが明らかになった。

  FRBは、前回の会合で、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を全会一致で0.25%ポイント引き上げ、年5.25%とすることを決定、2004年6月以来、17回連続の利上げを実施した。ただ、議事録によると、1人の委員からは、「(利上げの決定は)際どい判断だ」との意見が出たという。

  また、議事録によると、「すべての委員が、過去数カ月のコア・インフレ率(価格変動の激しい食品とエネルギーを除いたインフレ率)の上昇に懸念を示した上で、これ(上昇)が続くようであれば、物価安定の維持と矛盾することになるとの認識を示した」と明らかにする一方、コア・インフレの上昇が一時的な要因によるものなのかどうかについては、意見が分かれたとしている。

  ただ、多くの委員が、複数の要因が一時的にインフレ率を押し上げているとの考えで一致したほか、委員の大半が、エネルギー価格の落ち着きなどとともに、インフレ圧力が「次第に緩和されていくだろう」との認識を示した。一方、一部の委員からは、企業の設備稼働率が高水準にあり、労働市場も逼迫(ひっぱく)していること、さらには原油高の影響が徐々に現れて、インフレ圧力を強めるとの見方が示されたという。

  また、米経済については、すでに減速を始めているとの認識で一致し、4−6月期の個人消費は、ガソリン価格の高騰などの影響で、大幅に減少するとの見通しを示した。米住宅市場については、これまでのところ秩序ある減速を示しているとしたが、今後の同セクターのハードランディングの可能性については注意を要するとしている。【了】