スマートリモコンで家電を自動化して電気代を節約する方法
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家電製品で快適ビジネスと便利ライフ
日常は家電製品に囲まれている。職場にはまず電灯がある。さらに多くのケースでエアコンがあり、最近は空気清浄機やお掃除ロボットを置いているところもある。冷蔵庫が設置されていることも多い。これらは多くのオフィスが備えている設備だ。
家庭になると、これに加えてテレビや各種調理家電機器、それにスマートスピーカーといったデバイスが加わってくる。ビジネス活動や日常生活はこうした家電機器を使って行われており、人間にとって使いやすく効率的で快適な状態になるように工夫されている。
一度は、こうした家電製品の操作をロボットが自動でやってくれたり、家電製品側が自律的に動いてくれたりしないものかと考えたことはないだろうか。
例えば、「人がいなくなってしばらくしたら自動的に消灯してほしい」「湿度が70%を超えたら自動的に除湿を始めてほしい」「職場から自宅に帰っている途中で室内温度に合わせてエアコンをつけてほしい」などなど。
こうした機能は、一部の製品ではすでに提供が開始されている。しかしながら、廉価な製品はこうした機能を備えていないことが多い。相変わらず人がリモコンを使ってデバイスを制御する必要がある。
スマートなにがし系のデバイス
こうした家電業界において「スマート○○○」というのは一つのトレンドだ。家電製品自体がWi-FiやBluetoothなどの通信機能を持ち、インターネット経由で制御システムやアプリに接続して比較的インテリジェントに振る舞うことができる。価格は高価になりがちだが、ある程度の集中管理が可能だ。
ただし、製品ごとに対応している規格が異なり、特定のメーカやメーカグループで製品をそろえる必要があるなど、既存のオフィスや自宅を作り変えるにはいささか汎用性が足りないのが現状だ。できれば、すでに使っている家電製品を自動制御したいと思うんじゃないだろうか。
家電製品ではなくリモコンをスマート化させるという発想
日本で販売されている家電製品でリモコンによる制御が可能なものは、その多くが通信に赤外線を使っている。製品ごとにリモコンは個別に用意されており相互に流用することはできない。テレビの操作中に電灯が消灯したり、エアコンが動き出したり、そんなことにはならない。テレビのリモコンが制御できるのはテレビだけだ。
しかし、実際には同じ赤外線を使って通信しているだけなので、制御のためにプロトコルを変更してあげればひとつの赤外線リモコンですべての赤外線リモコンの代わりをさせることはできる。
以前であれば、DIYにしては結構レベルの高い電気回路の作成ないしは該当するデバイスの入手とプログラミングという組み込み開発技術が求められたこところだが、現在はそういうことは必要ない。こうしたことを実現してくれるマルチリモコンがすでに製品として存在しているからだ。そうしたリモコンは「スマートリモコン」と呼ばれることが多い。
スマートリモコンで家電製品を自動制御できる
スマートリモコンは要するに汎用的に使用できる赤外線リモコンだ。機能は製品ごとに異なるが、ある程度メジャーな製品ならリモコン情報がプレインストールされており、簡単に制御対象の選択または利用を開始することができる。
登録されていない製品であっても、リモコンから出る赤外線を解析してその動きを模倣してくれるものもある。赤外線リモコンで制御できる家電なら、まずスマートリモコンで制御できると考えておいてよいと思う。
加えて、スマートリモコン自体に温度センサー、湿度センサー、光センサー、モーションセンサーなどが搭載されており、これらセンサーから得られる情報に基づいて自動的にリモコン制御を行わせることができる製品もある。
さらに、こうしたスマートリモコンは「スマートスピーカー」と組み合わせて利用できるものが多い。つまり「アレクサ、照明を消して」「アレクサ、エアコンをつけて」など、こうした音声によって家電製品の制御ができるようになるのだ。これまで個別にリモコンを使って操作していたものが、一気にアプリを使ったオートメーションと音声による制御が可能になるわけだ。これはやってみると抜け出せない便利さだ。
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SDGsにつなげることもできる
スマートリモコンは自宅を便利にするだけの代物ではない。これまでリモコンで制御していた家電をある程度条件に応じて自動制御できるということは、それだけ無駄を省いて消費電力を抑えるという目的でも利用できる。
新型コロナウイルス感染症の影響で、一気にテレワークが普及した。これまでオフィスに全社員が集まって仕事をするというスタイルから、ある程度の分散出社に置き換わった会社も多い。そうなってくると、これまで行っていたオフィスの管理も時々漏れが出るようになる。点灯、消灯、エアコン稼働や温度設定、そのほかの操作だ。これまでは特定の方がある程度管理する体制になっていた企業も多いだろうが、担当者が出社していないとおざなりになりがちだ。
ある程度の規模のビルであれば、ビル管理会社が空調や電灯に関しては制御を行ってくれるが、それでも最終的にはオフィスを利用する人が制御を行う必要がある。
社会は長期にわたって持続可能であるように、消費するリソースを必要最小限へ減らそうという方向へシフトしつつある。資本があるからじゃぶじゃぶと電気を使おうといった発想ではなく、必要最小限の電力消費で業務をこなせるようにしていこう、という考え方だ。
こうした取り組みを人力に頼ることもできるが、こうした部分こそプログラムで自動化するべきであり、自動化しやすい部分だ。快適に仕事ができ、かつ、もったいないような電気の使い方はしない。スマートリモコンを活用すると、そんな状態を比較的簡単に実現することができる。
使ってみようスマートリモコン
スマートリモコンには複数の製品がある。基本的な仕組みはどれも同じだ。マルチな赤外線リモコンであり、それ自身がある程度のセンサーを備えており、スマホアプリから操作したり、自動化(オートメーション化)したりすることができる。
用途に合わせて選んでもらえればと思う。本稿ではNatureの「Nature Remo 3」というスマートリモコンを使ったサンプルを取り上げる。このデバイスは通信方式としてWi-Fi (802.11 b/g/n(2.4GHz))、Bluetooth Low Energy、赤外線に対応し、温度・湿度・照明・人感センサーを備えている。
Nature Remo 3
まずは、設置場所だ。制御したいデバイスに対して赤外線が届く必要がある。「部屋が複数に分かれている」「大部屋である」といった場合は、複数のスマートリモコンが必要になるケースもあるだろう。なるべく制御したいデバイスの多くに赤外線が届く場所にスマートリモコンを設定する。
リモコンを登録
次に、リモコンの登録だ。こうした操作は製品ごとに異なっているので、その製品の説明に合わせて操作を行う。Nature Remo 3の場合、最初のセットアップを行ってスマホアプリとのリンクを完了させたあとは、アプリで操作を行いながらリモコンを登録する。登録したいリモコンをNature Remo 3に向けた状態でボタンを押すといった感じだ。Nature Remo 3が赤外線を検出し、製品に登録されているデバイスならここで対象を選ぶことができる。
Nature Remoアプリの基本画面
対象が登録されていなくても、任意のデバイスや任意のボタンとして登録できるので大丈夫だ。
登録されたエアコンのリモコン
登録された照明のリモコン
こうやってリモコンを登録していくと、アプリそのものがマルチリモコンとして使えるようになる。実際に赤外線を出すのはNature Remo 3だが、制御するのはスマホアプリだ。まるでアプリで操作した内容がそのまま家電製品に反映されるような動きに見える。
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スマートスピーカーと連携
Nature Remo 3は主要なスマートスピーカーと連携することができるので、スマートスピーカーを使っている場合はこの段階で登録しておくとよい。
Amazon Alexaと連携
スマートスピーカーによる操作はアプリのリモコンほどは細かい制御はできないのだが、主要な操作は対応していることが多い。音声で制御できるとリモコンアプリを操作する必要すらないので、かなり手間が減る。
オートメーションを組み上げる
Nature Remo 3の場合はアプリでオートメーション(自動化)を組み上げることができる。トリガー条件(センサーの値や日時など)を指定し、それが満たされた場合にどのリモコンのどのボタンを押すかを指定する。ボタンの操作は複数個登録しておくことができるので、いくつかのボタンを連続して押す必要がある操作も自動化できる。
Nature Remoアプリ - オートメーション
例えば、次のオートメーションは平日の午前中、Nature Remo 3が人の動きを検出したら電灯を点灯するというオートメーションだ。最初に出社してきた方の動きを検出したら自動的に電気がつく。
午前中に人の動きを検出したら電灯を点灯するオートメーション
次のオートメーションは湿度が70%を超えた場合にエアコンを動かすというオートメーションだ。これとは逆に湿度が60%を下回った場合はエアコンを止める、といったオートメーションを追加しておくと、オフィスの湿度を一定に保つことも実現しやすくなる。
湿度が70%を超えたらエアコンをつけるオートメーション
オートメーションはかなりいろいろな組み合わせを考えることができる。発想を広げれば、これまではできなかったことを実現させることもできる。
例えば、退社時間が近づくと徐々に電灯の輝度を下げるとか、退社時刻を過ぎたら電灯の色を昼白系から暖色系へ変えてさらに輝度を落とすとか、雰囲気的に帰社しやすい状況を作るといったこともできる。これを毎日手動で行うとなると面倒だが、自動でやってくれるならそれでよいといった感じだ。
オートメーションは試行錯誤がポイント
オートメーションによる家電機器の自動制御はなんどか設定を変更して試行錯誤するのがポイントだ。まずは想定している動作からオートメーションを組み立て、それで実際に運用してみる。運用していくと不便な点や想定していなかった動作などが現れてくるはずだ。そうした点を一つ一つ改善していくと、比較的長期にわたって便利に自動的に動いてくれる状態を作ることができる。
オートメーションは有効化・無効化の切り替えが簡単なものが多い。祝日など曜日では制御できないスケジュールや、設立記念日など会社の事情で行われる定例以外のスケジュール時も、関連するオートメーションをサッと無効化していけば混乱を避けることができる。
自動化と同時に月々の消費電力量なども確認するようにするとよい。どのようにオートメーションを設定すれば全体的に消費電力を下げることができるのかは、実際の消費量を調べる必要がある。最初はちょっとした変化かもしれないが、うまくいけば結構な削減につながる。
少なくとも、こうした操作が可能であるということは知っておいて損はないと思う。機械で自動化できるところは機械で自動化していこう。なるべく人の手に頼らないで習慣的に動作する状況にしていくことが、長期にわたって続けていく際のポイントだ。
家電製品で快適ビジネスと便利ライフ
日常は家電製品に囲まれている。職場にはまず電灯がある。さらに多くのケースでエアコンがあり、最近は空気清浄機やお掃除ロボットを置いているところもある。冷蔵庫が設置されていることも多い。これらは多くのオフィスが備えている設備だ。
家庭になると、これに加えてテレビや各種調理家電機器、それにスマートスピーカーといったデバイスが加わってくる。ビジネス活動や日常生活はこうした家電機器を使って行われており、人間にとって使いやすく効率的で快適な状態になるように工夫されている。
例えば、「人がいなくなってしばらくしたら自動的に消灯してほしい」「湿度が70%を超えたら自動的に除湿を始めてほしい」「職場から自宅に帰っている途中で室内温度に合わせてエアコンをつけてほしい」などなど。
こうした機能は、一部の製品ではすでに提供が開始されている。しかしながら、廉価な製品はこうした機能を備えていないことが多い。相変わらず人がリモコンを使ってデバイスを制御する必要がある。
スマートなにがし系のデバイス
こうした家電業界において「スマート○○○」というのは一つのトレンドだ。家電製品自体がWi-FiやBluetoothなどの通信機能を持ち、インターネット経由で制御システムやアプリに接続して比較的インテリジェントに振る舞うことができる。価格は高価になりがちだが、ある程度の集中管理が可能だ。
ただし、製品ごとに対応している規格が異なり、特定のメーカやメーカグループで製品をそろえる必要があるなど、既存のオフィスや自宅を作り変えるにはいささか汎用性が足りないのが現状だ。できれば、すでに使っている家電製品を自動制御したいと思うんじゃないだろうか。
家電製品ではなくリモコンをスマート化させるという発想
日本で販売されている家電製品でリモコンによる制御が可能なものは、その多くが通信に赤外線を使っている。製品ごとにリモコンは個別に用意されており相互に流用することはできない。テレビの操作中に電灯が消灯したり、エアコンが動き出したり、そんなことにはならない。テレビのリモコンが制御できるのはテレビだけだ。
しかし、実際には同じ赤外線を使って通信しているだけなので、制御のためにプロトコルを変更してあげればひとつの赤外線リモコンですべての赤外線リモコンの代わりをさせることはできる。
以前であれば、DIYにしては結構レベルの高い電気回路の作成ないしは該当するデバイスの入手とプログラミングという組み込み開発技術が求められたこところだが、現在はそういうことは必要ない。こうしたことを実現してくれるマルチリモコンがすでに製品として存在しているからだ。そうしたリモコンは「スマートリモコン」と呼ばれることが多い。
スマートリモコンで家電製品を自動制御できる
スマートリモコンは要するに汎用的に使用できる赤外線リモコンだ。機能は製品ごとに異なるが、ある程度メジャーな製品ならリモコン情報がプレインストールされており、簡単に制御対象の選択または利用を開始することができる。
登録されていない製品であっても、リモコンから出る赤外線を解析してその動きを模倣してくれるものもある。赤外線リモコンで制御できる家電なら、まずスマートリモコンで制御できると考えておいてよいと思う。
加えて、スマートリモコン自体に温度センサー、湿度センサー、光センサー、モーションセンサーなどが搭載されており、これらセンサーから得られる情報に基づいて自動的にリモコン制御を行わせることができる製品もある。
さらに、こうしたスマートリモコンは「スマートスピーカー」と組み合わせて利用できるものが多い。つまり「アレクサ、照明を消して」「アレクサ、エアコンをつけて」など、こうした音声によって家電製品の制御ができるようになるのだ。これまで個別にリモコンを使って操作していたものが、一気にアプリを使ったオートメーションと音声による制御が可能になるわけだ。これはやってみると抜け出せない便利さだ。
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SDGsにつなげることもできる
スマートリモコンは自宅を便利にするだけの代物ではない。これまでリモコンで制御していた家電をある程度条件に応じて自動制御できるということは、それだけ無駄を省いて消費電力を抑えるという目的でも利用できる。
新型コロナウイルス感染症の影響で、一気にテレワークが普及した。これまでオフィスに全社員が集まって仕事をするというスタイルから、ある程度の分散出社に置き換わった会社も多い。そうなってくると、これまで行っていたオフィスの管理も時々漏れが出るようになる。点灯、消灯、エアコン稼働や温度設定、そのほかの操作だ。これまでは特定の方がある程度管理する体制になっていた企業も多いだろうが、担当者が出社していないとおざなりになりがちだ。
ある程度の規模のビルであれば、ビル管理会社が空調や電灯に関しては制御を行ってくれるが、それでも最終的にはオフィスを利用する人が制御を行う必要がある。
社会は長期にわたって持続可能であるように、消費するリソースを必要最小限へ減らそうという方向へシフトしつつある。資本があるからじゃぶじゃぶと電気を使おうといった発想ではなく、必要最小限の電力消費で業務をこなせるようにしていこう、という考え方だ。
こうした取り組みを人力に頼ることもできるが、こうした部分こそプログラムで自動化するべきであり、自動化しやすい部分だ。快適に仕事ができ、かつ、もったいないような電気の使い方はしない。スマートリモコンを活用すると、そんな状態を比較的簡単に実現することができる。
使ってみようスマートリモコン
スマートリモコンには複数の製品がある。基本的な仕組みはどれも同じだ。マルチな赤外線リモコンであり、それ自身がある程度のセンサーを備えており、スマホアプリから操作したり、自動化(オートメーション化)したりすることができる。
用途に合わせて選んでもらえればと思う。本稿ではNatureの「Nature Remo 3」というスマートリモコンを使ったサンプルを取り上げる。このデバイスは通信方式としてWi-Fi (802.11 b/g/n(2.4GHz))、Bluetooth Low Energy、赤外線に対応し、温度・湿度・照明・人感センサーを備えている。
Nature Remo 3
まずは、設置場所だ。制御したいデバイスに対して赤外線が届く必要がある。「部屋が複数に分かれている」「大部屋である」といった場合は、複数のスマートリモコンが必要になるケースもあるだろう。なるべく制御したいデバイスの多くに赤外線が届く場所にスマートリモコンを設定する。
リモコンを登録
次に、リモコンの登録だ。こうした操作は製品ごとに異なっているので、その製品の説明に合わせて操作を行う。Nature Remo 3の場合、最初のセットアップを行ってスマホアプリとのリンクを完了させたあとは、アプリで操作を行いながらリモコンを登録する。登録したいリモコンをNature Remo 3に向けた状態でボタンを押すといった感じだ。Nature Remo 3が赤外線を検出し、製品に登録されているデバイスならここで対象を選ぶことができる。
Nature Remoアプリの基本画面
対象が登録されていなくても、任意のデバイスや任意のボタンとして登録できるので大丈夫だ。
登録されたエアコンのリモコン
登録された照明のリモコン
こうやってリモコンを登録していくと、アプリそのものがマルチリモコンとして使えるようになる。実際に赤外線を出すのはNature Remo 3だが、制御するのはスマホアプリだ。まるでアプリで操作した内容がそのまま家電製品に反映されるような動きに見える。
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スマートスピーカーと連携
Nature Remo 3は主要なスマートスピーカーと連携することができるので、スマートスピーカーを使っている場合はこの段階で登録しておくとよい。
Amazon Alexaと連携
スマートスピーカーによる操作はアプリのリモコンほどは細かい制御はできないのだが、主要な操作は対応していることが多い。音声で制御できるとリモコンアプリを操作する必要すらないので、かなり手間が減る。
オートメーションを組み上げる
Nature Remo 3の場合はアプリでオートメーション(自動化)を組み上げることができる。トリガー条件(センサーの値や日時など)を指定し、それが満たされた場合にどのリモコンのどのボタンを押すかを指定する。ボタンの操作は複数個登録しておくことができるので、いくつかのボタンを連続して押す必要がある操作も自動化できる。
Nature Remoアプリ - オートメーション
例えば、次のオートメーションは平日の午前中、Nature Remo 3が人の動きを検出したら電灯を点灯するというオートメーションだ。最初に出社してきた方の動きを検出したら自動的に電気がつく。
午前中に人の動きを検出したら電灯を点灯するオートメーション
次のオートメーションは湿度が70%を超えた場合にエアコンを動かすというオートメーションだ。これとは逆に湿度が60%を下回った場合はエアコンを止める、といったオートメーションを追加しておくと、オフィスの湿度を一定に保つことも実現しやすくなる。
湿度が70%を超えたらエアコンをつけるオートメーション
オートメーションはかなりいろいろな組み合わせを考えることができる。発想を広げれば、これまではできなかったことを実現させることもできる。
例えば、退社時間が近づくと徐々に電灯の輝度を下げるとか、退社時刻を過ぎたら電灯の色を昼白系から暖色系へ変えてさらに輝度を落とすとか、雰囲気的に帰社しやすい状況を作るといったこともできる。これを毎日手動で行うとなると面倒だが、自動でやってくれるならそれでよいといった感じだ。
オートメーションは試行錯誤がポイント
オートメーションによる家電機器の自動制御はなんどか設定を変更して試行錯誤するのがポイントだ。まずは想定している動作からオートメーションを組み立て、それで実際に運用してみる。運用していくと不便な点や想定していなかった動作などが現れてくるはずだ。そうした点を一つ一つ改善していくと、比較的長期にわたって便利に自動的に動いてくれる状態を作ることができる。
オートメーションは有効化・無効化の切り替えが簡単なものが多い。祝日など曜日では制御できないスケジュールや、設立記念日など会社の事情で行われる定例以外のスケジュール時も、関連するオートメーションをサッと無効化していけば混乱を避けることができる。
自動化と同時に月々の消費電力量なども確認するようにするとよい。どのようにオートメーションを設定すれば全体的に消費電力を下げることができるのかは、実際の消費量を調べる必要がある。最初はちょっとした変化かもしれないが、うまくいけば結構な削減につながる。
少なくとも、こうした操作が可能であるということは知っておいて損はないと思う。機械で自動化できるところは機械で自動化していこう。なるべく人の手に頼らないで習慣的に動作する状況にしていくことが、長期にわたって続けていく際のポイントだ。