恋は究極の無駄遣い! のはずがイケメンに出会って……【恋なんて、本気でやってどうするの?】
※このコラムにはドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』第1話までのネタバレが含まれます。
■恋愛なんて心と時間の究極の無駄遣い!
主役の桜沢純(広瀬アリス)は恋愛強者として男性をいくらでも手玉に取れそうな美貌を持ちながら、「恋愛なんてなんの保証もない不確定要素に心と時間を使うのは究極の無駄遣い!」をポリシーに恋愛経験ゼロを貫いてきた27歳。仕事も趣味も充実させてきたバリキャリ女子です。
その信念は、母親が男性にだらしなく、恋に振り回されていた様子を幼少期に目の当たりにしてきたことが大きく影響しています。
男に泣かされる母に嫌悪感を抱いてきたから「泣く女は嫌い」だし、恋や他人の感情といった「自分でコントロールできない要素で幸せを乱されたくない」「母のようにはなりたくない」という考えが醸成され、仕事や趣味といった「自分でコントロールできる範囲で幸せを形成したい」というポリシーが生まれたのでしょう。
その結果、どのようなイケメンが現れても一切心が乱されない、不感症すぎる鋼の心を手に入れました。
■一番嫌いなタイプの女に好きな男を持っていかれる純
しかし、そうは言っても人間の心はコントロールが効かないもの。実際は学生時代の憧れであり、同じ会社の先輩である坂入拓人(古川雄大)から結婚するという話を知らされたことがきっかけで、純は心の奥底で恋心を抱いていたことに気付かされます。
でも気づいた頃にはもう手遅れ。彼の婚約者は、純の部下・横井(安藤ニコ)。
仕事は段取りが悪い上に、指摘を入れたらプレゼン中にでかい声で言い訳しまくり泣いて逃亡するという、まさに純が嫌いな「泣く女」。
(純の指摘はプレゼン後でもよかったのでは?とは思いますが…)
そんな女に拓人を持っていかれたことは、失恋の傷心にさらなる駄目押しのダメージを食らわせたことでしょう。
■泣く後輩・横井の震え上がるほどの恋愛戦闘力
しかしこの横井という女、会社では純の足元にも及ばないほど仕事はできないけれど、恋愛においては役員級のスーパー実力者ですよ。
シンガポール駐在の拓人のもとにたまたま横井が夏休みに来たので観光案内し、帰る頃には好きになっちゃって「帰りたくない」と駄々をこねた……という馴れ初めでしたが、これは完全に泣き女横井の演出・脚本ですね。
拓人は偶然のように認識してましたが、これ絶対に横井はマーライオン目的じゃなく、拓人目的で単身旅行に来てます。日本にいる時から気になっていて、海外遠征に来たのでしょう。
旅行中もマーライオン1割、拓人9割くらいの配分で観光し、マリーナベイサンズ見て「すごーーい♡本物だー♡」とはしゃぐカワイイ私を拓人に見せつけていたはずです。(偏見)
シンガポール駐在という約5300Kmの距離を物ともせず落としに行った行動力、全ては偶然だと拓人に思わせるストーリー構成力、演技力、一人で女優・演出・監督をこなす彼女は震え上がるレベルで手練れですね。
これだけの行動力を見せつけられたら、遠くから見るだけで話かけられそうになったら逃げてきた純は完全に白旗です。相手が悪すぎました。
■ホストクラブ化寸前の顔面つよつよビストロ
そんな失恋した純を慰めることとなったのが、純が通い始めたビストロの店員・長峰柊磨(松村北斗)。
自分がイケメンであることを自覚し、武器としている彼は「この顔面を客に見せると心がざわついてしまうだろう」と顔を相手に見せないことを「配慮」として生きているほどの別次元のイケメン。
「マスクで封印されし顔面力を解き放つ!」とばかりに、ここぞという場面でマスクを剥ぎ、イケメン力を使って固定客を掴む手法は、ビストロがホストクラブ化してしまわないか非常に心配になります。
しかも表には出ないものの、裏にシェフの岩橋要こと藤木直人が控えているこの店。藤木直人がもし裏方じゃなかったら、顔面つよつよすぎて料理に集中できません。
■食べログ評価を荒らされかねない危険性を持ったイケメン・柊磨
実際に柊磨目当ての客も多く、柊磨に「相談したいことがある」と夜に誘い出す女性も。柊磨と一夜を共にした勢いで「元気もらった♡このパワーで気になる彼にアタックしてくるね♡」と、本命男にモーションをかけにいくという、常人には理解が到底追いつかないクレイジー女の精神構造にも困惑。
一体何のパワーもらったの? 柊磨のおトゥンはパワースポットなの? レッドブルばりに本命にアタックする翼を授けてくれるの?? 純もあの晩寝ておけば人生変わった?
にしてもお客である純にキスしようとした柊磨もなかなかやばいですよね。
キスを避けた純に「もしかして怖いの?」とまるで恋愛経験がないから怖いのかのように聞いてましたが、突然店員がキスかまそうとしてきたらめちゃくちゃ怖いです。
この調子で店の客にあちこち手を出してるようなら、純のようにびっくりして拒否った女性はもちろん、本気になってしまった女にビストロの食べログやGoogleマップの口コミ荒らされて☆1付けまくられそうですけど大丈夫でしょうか。
■レス主婦VSパパ活女子・親友同士のマウント泥試合
純の親友2人も個性豊か。
初彼と結婚したはいいものの、セックスレスで家政婦状態の清宮響子(西野七瀬)。
その旦那は日本国民の三大義務、「納税・勤労・食べた皿はすぐに洗えないなら水に浸ける」の三つ目を怠り、ゲームに夢中で家事は丸投げ、おまけに嫁に関心がないという罪深き男性です。
既婚者にブランド物やいい食事を与えてもらいながら関係を続けるパパ活女子・真山アリサ(飯豊まりえ)(彼女はお相手に気がありそうなので、パパ活といいつつ厳密には不倫のようにも見えますが)。
二人の価値観が違いすぎて、「嫁がいる男で虚しくならないの? VSレスで家政婦してるより週一で彼と濃い時間過ごせる方がマシじゃね?」というマウント泥試合が女子会で起こった時は痺れましたね。
自分は100%幸せとは思えないけれど、お互い相手よりはマシと心の底で思っていたのが溢れ出してしまった怖さ。
世間に認められない関係だけど刹那の時間を楽しめれば満足なのか、法的には自分のパートナーだけど、肩書きだけで自分に関心を向けてくれない関係がいいのか。
どちらも不完全すぎてこの試合はドローですが、二人とも今の状況に不満がないかのように振る舞いつつ本音を隠していそうなので、これからどう噴き出して行動していくのか見ものですね!
■一番嫌いな女に自分がなった瞬間
結婚式の二次会で幹事だけならず、宴会芸まで披露した純。
ブルゾンちえみネタは古すぎたので、「こーんにーちはーー!!」と旬の錦鯉で登場し、ノリノリまさのりダンスで滑りまくる広瀬アリスが見たかったのは私だけでしょうか。
好きな人の結婚式を道化として盛り上げた上に、新郎新婦からお礼動画が送られてきたと思いきや突然二人の惚気映像に変わる精神的ブラクラを食らわされるってどんな仕打ちなんでしょうか。
泣かずにこなした純は偉すぎますね。本当なら二次会の途中で泣いていたっておかしくありません。よく耐えました。泣く女が心底嫌いな彼女ですが、全て終わった後は号泣し、皮肉にも自分が一番嫌いな女になることに……しかしこの涙が彼女のポリシーを大きく変えてくれるきっかけになりそうですね。辛い時は泣いていいんです。
これからどんな心境の変化を見せてくれるのでしょうか?
どうか幸せになって欲しいと願いつつ、次回を待ちたいと思います!
(やまとなでし子)