森保一監督

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23日、翌日にオーストラリア戦を控えて森保一監督は公式会見に臨み、報道陣からの質問に答えた。英語の質問の中には森保監督の過去について厳しく触れるものがあった。

「監督は選手時代にワールドカップ出場を逃しましたが、その経験(トラウマ)をどのように選手に伝えましたか」

この質問が日本語訳されて森保監督に伝えられると、監督は表情を変えずに冷静に返答した。

「自分の経験という形では選手に話をしていません。今は自分の経験よりも、監督として、そして日本代表チームの1員としてワールドカップの出場を勝ち取るために、どうやったら相手に勝っていけるかということを考えながらつないできているところです」

「1つ言えることは、相手が与えてくれるものではない。誰かが勝利やワールドカップ出場を与えてくれるものではない。自分たちが勝ち取る、つかみ取るということで、積極的にトライしていってもらいたいということを伝えています」

試合前から心理戦を仕掛けられた形になった森保監督だが、最後まで動揺を見せず、他の際どい質問にも時にははぐらかしながら答え続けた。これまでにない駆け引きだったが、この前哨戦では勝利を収めたと言えるだろう。


【文:森雅史/日本蹴球合同会社@シドニー】