高速道路トンネルで近年、一部だけ青い照明で円形の内壁に沿って光の環ができているところがあります。この照明、青だけでなく緑なども。そこに「何か」があるのでしょうか。

トンネル内に青や緑の光の環

 2021年8月に全線開通した中部横断道の山梨と静岡を結ぶ区間は、大部分を占める山間部でトンネルが連続します。それらトンネルのいくつかでは、「青い光の環」をくぐっていくことになります。


中部横断道のトンネルで見られる青い光の環(乗りものニュース編集部撮影)。

 トンネルの一部分だけが青いライトで照らされており、円形の内壁に沿って光の環ができているのです。山梨・静岡県境を貫く中部横断道で最長の樽峠トンネル(4999m)をはじめ、いくつかの長いトンネルの途中で見られます。

 明らかに異質な青い光、あれは何なのでしょうか。NEXCO中日本に聞いたところ、「アクセント照明」と呼ばれるものだそうです。

「基本的には、漫然運転を防止するために設置しています」とNEXCO中日本は説明。単調な景色が続く長いトンネルで、居眠り運転やボンヤリ運転(漫然運転)による事故を防止する目的だそう。トンネルの入口や出口近くではなく中腹にアクセント照明があるのも、うなずけるところでしょう。

 中部横断道以外でも、長さ1万mを超える東海北陸道の飛騨トンネルや、長いトンネルが続く北海道の道東道 むかわ穂別IC〜占冠IC間などにアクセント照明が設置されています。

 照明の色は、青だけでなく緑もあれば、青とピンクが混ざった「レインボーのような照明」(NEXCO中日本)もあるのだとか。なかには避難連絡口などを強調して照らしているケースもあるものの、設置場所や色については、まだ明確な基準がないそうです。

 ちなみに、近年はアクセント照明以外にも、特徴的なトンネル照明が見られます。

 たとえば外環道や新名神では、トンネル照明を前方へ流れるように順に点灯させ、ドライバーの視線を誘導して速度低下を防ぐ「ペースメーカーライト」が設けられているほか、トンネル内で火災などが発生している場合に赤い照明がトンネル全体を照らす機能などが採用されています。

 近年のトンネル照明は、ただ照らすだけでない“機能”が付加されるようになってきているのです。