白バイならぬ「赤バイ」が各地に神出鬼没!? オフ車で災害時に大活躍! 赤影ならぬヒーローの正体とは

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震災・災害時に誰よりも早く救助をおこなう「赤バイ」!

 街中を走行していると、交通取り締まりをおこなう白バイを目にすることがあります。
 
 そんななか、バイクを赤くカラーリングしたバイク(通称赤バイ)を所有する部隊が存在するといいますが、どのような活動をおこなっているのでしょうか。

災害時に活躍する「消防活動二輪車」!(画像提供:東京消防庁)

 赤い色のボディであることから、赤バイとも呼ばれているオフロードバイクを所有する部隊は、主に東京消防庁や各消防署の消防団などに属しています。

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 赤バイの誕生は、今から50年以上前の1965年代に、赤色灯とサイレンを付け、消火器を積んだバイクがはじまりとされています。

 東京消防庁では1971年2月に正式運用が開始され、1976年3月にはマンションでの火災発生時に、赤バイが一番乗りをして、逃げ遅れた人を救助したことが、新聞でも大きく取り上げられました。

 こうしたさまざまな活躍をみせていた赤バイですが、1976年の5月20日をもって廃止。

 しかし、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災で、多数の建物の倒壊によって道路が使用できなかったことの教訓から赤バイが復活しました。

 以前の赤バイとは異なり、大震災時の情報収集活動用として、1995年に都内の各消防署にバイクが配置されました。

 また東京消防庁では、1997年に高速道路や山間地域の火災や救助・救急活動に対応するために「消防活動二輪車」(通称:クイックアタッカー)の運用が開始され、現在でも災害時に機動性を発揮して活躍をみせています。

 現在の赤バイの車両の特徴や普段の活動について、東京消防庁の広報担当者は以下のように話します。

「普段の活動では、震災時における情報収集をはじめ、高速道路および山岳地域の災害現場に先行し、情報収取、消火活動、救助活動をおこないます。

 車両は、オフロードタイプの二輪車を扱っており、車種はヤマハ『セロー250』をベースにした『2BK-DG31J』を用いています」

 クイックアタッカーは、オフロードバイク2台1組で編成され、バイク2台に加え水槽付きポンプ車が連携して活動します。

 火災や震災が発生した現場では、いち早く現場情報を収集したうえで、先行して救助の初期消化など重要な任務をおこないます。

 連携しているバイクはそれぞれ搭載されている装備が異なり、1号車には可搬式消化器具取付装置、2号車には簡易救助器具収納ボックス固定装置や、消火器、応急救護資器材などが搭載されています。

 バイクの基本装備には、一体型の赤色警光灯・サイレンスピーカーや、マイク、バックアップ電源装置、リアボックスなど(容量47リッター)が搭載されています。

 赤バイは、東京消防庁以外にもさまざまな消防団に属しており、2019年2月には一般社団法人日本損害保険協会から福岡県豊前市消防団へ赤バイが寄贈されています。

 各消防団では日々の訓練や出初式がおこなわれており、全国各地で赤バイ部隊が活躍をみせています。

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 また、現在では警察車両として交通取り締まりをおこなう白バイも、かつて赤い色をまとっていたといわれており、バイクでの交通取り締まりがはじまった大正時代に、赤いバイクが採用されていました。

 しかし、時代の変化とともに白いボディ色の現在の白バイの色となったといわれています。

 一方で、赤バイを含む消防車両に赤色が用いられているのは法律で決められています。

 色の理由は定かとなっていないものの、海外の消防車が赤であったこと、また赤は注意をひく色、炎の赤を連想させて警戒心を起こさせるのも理由のひとつとされています。

 赤バイは、火災や震災などの現場で必要となる機動力を兼ね備え、いち早く救助活動をおこなってくれる、重要な部隊であるといえます。