ひな祭りに「ちらし寿司」を食べる由来とは?おすすめレシピも!

ひな祭りに「ちらし寿司」を食べる由来

3月3日のひな祭りは、江戸時代に定められた五節句のひとつ、上巴(じょうし)の節句。ちょうどこの時期に咲く桃にちなんで「桃の節句」とも呼ばれ、女の子の親が娘の幸せと健やかな成長を願う日です。ひな人形にひし餅やひなあられなどを供えて、白酒で祝う風習があります。

そんなひな祭りの食卓に並ぶ定番料理が、さまざまな食材を酢飯の上に散らす「ちらし寿司」。もともとは、江戸時代の終わりごろに一般家庭での祝い膳として作られるようになった料理です。江戸城の大奥でも親しまれていたそう。実は、ひな祭りの定番料理としての歴史は浅く、定着したのは大正時代以降なのだとか。

長寿を意味する「えび」や、見通しがよいとされる「れんこん」、まめに働けるという語呂合わせがある「豆」を使うのが主流です。縁起食材3つを使うちらし寿司は、ひな祭りにぴったりですね。

ひな祭りに食べたい。ちらし寿司のレシピ

調理時間:60分(※漬け込む時間は含みません)

えび、れんこん、さやえんどう(豆)といった、縁起のよい食材を使うちらし寿司は、ひな祭りに一押し。彩り豊かなひと品は、見た目だけでなく味も抜群です。食材ごとに異なる味付けをするので、贅沢な味わいを楽しめますよ。食卓の真ん中に寿司桶をドンと置いたら、家族で囲みながらお祝いをしましょう♪

材料(3~4人分)

〈しいたけとにんじんの甘辛煮〉
・にんじん……1/4本
・干ししいたけ……2枚
・しいたけの戻し汁……150cc
・みりん……大さじ1杯
・砂糖……大さじ1杯
・しょうゆ……小さじ2杯

〈酢れんこん〉
・れんこん……60g
・塩(下ゆで用)……少々
・酢(下ゆで用)……大さじ2杯
a. 水……大さじ4杯
a. 砂糖……大さじ1と1/2杯
a. 塩……少々
a. 酢……大さじ2杯

〈錦糸卵〉
・卵……1個
・塩……少々
・水溶き片栗粉……大さじ1杯(水:大さじ1/2杯、片栗粉:小さじ1杯)
・サラダ油……小さじ1杯

〈酢飯〉
・ごはん(固めに炊いたもの)……400g
・砂糖……大さじ1杯
・塩……小さじ1/2杯
・酢……大さじ2と1/2杯

〈トッピング〉
・むきえび……4尾
・さやえんどう……3本
・刻み海苔……適量

下準備

・干ししいたけは水で戻して軸を落とす(戻し汁は捨てずに取っておく)
・にんじんは皮をむく
・ごはんは固めに炊く
・むきえびは背わたを取り、沸騰した湯に塩(分量外)、酒(分量外)を入れてゆで、ザルにあげて冷まし、縦半分に切る
・さやえんどうは筋を取り、塩ゆでしてザルにあげて冷まし、斜め半分にカットする

作り方

1. しいたけとにんじんの甘辛煮を作ります。しいたけは薄切りにし、にんじんは長さ4cmの千切りにします。(写真1)

2. 鍋にしいたけの戻し汁、みりん、砂糖、しょうゆ、しいたけ、にんじんを入れて火にかけます。沸騰後、落し蓋をして弱火で15分ほど、汁気がなくなるまで煮たら火からおろして冷まします。(写真2)

3. 酢れんこんを作ります。れんこんは厚さ5mm幅のいちょう切りにして酢水(分量外)にさらします。鍋に湯を沸かし、塩と酢を入れ、れんこんを中火で1~2分ほどゆで、ザルにあげて粗熱を取ります。(写真3)

4. ボウルに(a)の調味料を混ぜ合わせて、ふんわりとラップをかけます。電子レンジ600Wで30秒加熱し、粗熱を取ります。れんこんと合わせて、冷蔵庫で1時間ほど味を馴染ませます。(写真4)

5. 錦糸卵を作ります。ボウルに卵を割り入れ、卵白を切るように混ぜ合わせます。塩、水溶き片栗粉を加えて混ぜ合わせ、一度濾します。フライパンに小さじ1/2杯の油を引いて熱し、卵液を半量流し入れます。すぐにフライパンを傾けて、全体に均一になるように広げます。(写真5)

6. 弱火で全体が焼けてきたら、フライパンの真ん中に菜箸をのせます。もう1本の箸と手でめくり、箸にのせて裏返したら、1分ほど焼きます。(写真6)

7. クッキングシートの上で粗熱を取り、端から巻いて千切りにします。もう半分の卵液で同じ作業をもう一度繰り返します。(写真7)

8. 酢飯を作ります。ボウルに砂糖、塩、酢を混ぜ合わせ、寿司桶に入った温かいごはんに回しかけます。うちわであおぎながら切るように混ぜます。ごはんに2の甘辛煮を混ぜ合わせます。刻み海苔、7の錦糸卵を散らしたら、4の酢れんこん、むきえび、さやえんどうをのせて完成です。(写真8)

コツ・ポイント

酢飯から作るとちらし寿司が完成するときには、ごはんが固くなってしまいます。具材から調理するのが、おいしく作るポイント。

錦糸卵の卵液は一度ザルで濾すと、きれいに仕上がりますよ。水溶き片栗粉を加えると破れにくくなるので、ぜひ試してみてくださいね。卵を焼く際は、キッチンペーパーでフライパンの側面にも油を薄くのばすと焼きやすいです。

【レシピ提供 macaroni】

子どもが喜ぶ。三色ちらし寿司のレシピ

調理時間:20分

ひな祭りには、ひし餅のような見た目のちらし寿司を作ってみませんか?サーモンやきゅうりなどをお花に見立てるトッピングが、かわいらしさをぐんとアップ♪ 子どもが喜ぶこと間違いなしですね。3種類の酢飯と炒り卵を重ねるときは、牛乳パックを使うと、簡単&きれいに仕上がりますよ。

材料(2~3人分)

・ごはん……420g
・アボカド……1/2個
・レモン果汁……少々
・ツナ缶……1/2缶(30g)
・マヨネーズ……大さじ1/2杯
・桜でんぶ……15g

〈合わせ酢〉
・砂糖……大さじ2杯
・酢……大さじ2杯
・塩……少々

〈炒り卵〉
・卵……2個
・砂糖……小さじ1杯
・塩……少々
・サラダ油……小さじ1杯

〈トッピング〉
・かまぼこ……3切れ
・スモークサーモン……4枚
・きゅうり……適量
・いくら……適量

下準備

・牛乳パックを6cmの高さに切り、ひし形を作る
・合わせ酢の材料を混ぜておく
・アボカドはみじん切りにして、レモン果汁をかけておく
・ツナとマヨネーズを混ぜ合わせて、ツナマヨを作っておく
・ボウルに卵、砂糖、塩を混ぜ合わせ、フライパンにサラダ油を引き、炒り卵を作っておく
・きゅうりはピーラーで縦にスライスしておく
・かまぼこは2mm幅で3~5枚切る

作り方

1. ボウルにごはんと合わせ酢を入れてよく混ぜます。酢飯を3等分にしてアボカド、ツナマヨ、桜でんぶをそれぞれ加えてさらに混ぜ合わせます。(写真1)

2. 皿に、ひし形にした牛乳パックを置きます。3種類の酢飯をアボカド(緑)、ツナマヨ(白)、桜でんぶ(ピンク)の順にスプーンで詰め、その上に炒り卵をのせます。牛乳パックを上に引き抜きます。(写真2)

3. ピーラーで薄くスライスしたきゅうりの上にかまぼこを3枚並べ、横からくるくると巻いてバラの形にします。スモークサーモンも同じように巻いて、バラを作ります。(写真3)

4. かまぼことスモークサーモンのバラをちらし寿司にのせ、いくらをかけて完成です。(写真4)

コツ・ポイント

牛乳パックを使えば、簡単にひし形が作れます。酢飯は1種類ずつスプーンで軽く押しながら詰めると、きれいな層ができますよ。

【レシピ提供 松井 麗(macaroni)】

手作りちらし寿司に願いを込めて♪

これまでちらし寿司を、ひな祭りの定番料理だからとなんとなく食べていた方も多いのではないでしょうか。由来を知ることで、さまざまな願いを込めながら味わえそうですね。

お好みの食材を使ったり、形を工夫したりとアレンジが豊富なのも魅力のひとつ。より華やかに仕上げるため、トッピングにこだわってみるのもおすすめです。ご紹介したレシピを参考に、ぜひチャレンジしてみてくださいね。