TikTokが、Windows PCからライブ配信を行うためのソフト「TikTok Live Studio」のベータ版を一部ユーザーに公開しました。しかし、このTikTok Live Studioでオープンソースで開発されているライブ配信ソフト「OBS」のソースコードの一部がライセンスを順守せずに流用されていたことが判明し、批判の声が挙がっています。

TikTok streaming software is an illegal fork of OBS | Hacker News

https://news.ycombinator.com/item?id=29592103

IT系ニュースサイトのTechCrunchによれば、TikTokは欧米ユーザーのほんの一部であるわずか数千人だけに、TikTok Live Studioの利用を許可しているとのこと。このTikTok Live StudioはTikTok Liveプラットフォームで直接ライブ配信を行うことができるほか、チャット機能を介して視聴者とコミュニケーションを取ったり、PCやスマートフォン、ゲーム機からゲームのプレイ画面をストリーミングしたりすることができます。



ソーシャルニュースサイトであるHacker Newsの書き込みによれば、TikTok Live Studioで使われているDLLファイルやEXEファイルがOBSで使われているものと非常によく似ていたことから、OBSの開発チームの1人がTikTok Live Studioを逆コンパイルしたところ、OBSのソースコードを流用されていることが判明したそうです。

OBSのライセンスはGNU GPL バージョン2であり、商用利用は可能ですが、著作権表示とライセンス条文の提示、ソースコードと改変部分の開示義務などが条件とされています。そのため、TikTok Live StudioはこのOBSライセンスに違反しているという指摘されました。



OBSの開発者であるBen Torell氏は、「技術的にはTikTok Live StudioはOBSのフォークではなく、内部にOBSのコードの一部を使用しているに過ぎません。しかし、いずれにしてもライセンスが適用されます」と述べています。



また、Torell氏は「OBSライセンスを無視したソースコードの流用は違法である」という見解を認めながらも、「とはいえ、私たちはGPL違反に誠実に対応することを約束しており、TikTokとその運営であるBytedanceの場合、ライセンスを順守している限り、友好的な協力関係を築きたいと考えています」と述べました。