アウトドアレジャーで荷物を満載! ルーフの上なら無限に積んで良い?「車外積載」の注意点とは

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ルーフに載せられる重量やサイズはじつは決まっている!

 新型コロナ禍において3密を避けられる趣味として、いまアウトドアレジャーに注目が集まっています。行楽の季節に緊急事態宣言が解除となったこともあり、ますます人気に火が付いている状態です。

 キャンプに釣りに自転車にとさまざまな楽しみ方がありますが、基本的にどれも荷物が多くなりがちです。

ルーフに荷物を載せれば室内を広く使える

【画像】ルーフに無限に積んじゃダメ!? アウトドア派に人気の「車外積載」とは(13枚)

 大型のミニバンやSUVならまだしも、セダンやコンパクトカー、軽自動車などではちょっと物足りなくなってしまうこともあるでしょう。

 そこで検討したいのが、「キャリア」を利用した車外積載です。

 ルーフキャリアにスキーやスノーボードを、リアキャリアに自転車などを載せて走るクルマを見かけることも多いですが、車内に積めないサイズのアウトドアギアはもちろん、小さいものでも車外に積載することで車内スペースには余裕ができ、窮屈な思いをしながら移動する必要がなくなります。

 しかしとても便利で積極的に頼りたくなる車外積載ですが、どこまで荷物を積めるのでしょうか。

 結論からいうと、やはりアバウトな積載は認められていません。積載できる重量やサイズは道路交通法(以下、道交法)により定められています。

 まずは積載のベースとなるキャリアについての法律からチェックしましょう。

 ルーフキャリアやリアキャリアを装着すると、全高や全長が車両の諸元より大きくなります。一般的に車両のサイズが変わる場合は、道路運送車両法に従い陸運局で「構造変更手続き」をしなければなりません。

 しかし、キャリアは国民負担軽減を図る目的から諸手続き不要の「指定部品」となり、構造変更には当たらないとされています。

 積載物と同じ扱いで、キャリアも含めて道交法の定める積載できる重量以下、サイズ以下に収めなければなりません。

 では積載可能な重量やサイズはいったいどれくらいなのでしょうか。

 重量については、車検証に記載されている「最大積載重量」が上限となります。

 しかし、これが記載されているのはトラックやバンなどの商用車だけ。一般的な乗用車の車検証では、最大積載重量の項目は「-」となっており、車外積載できる重量は明記されていません。

 法的な数字ではありませんが、ここで注目したいのが車検証に記載されている「車両総重量」です。

 これは「車両重量」と「乗車している人全員の体重」と「荷物の重量」を合計したもので、この車検証の「車両総重量」を上回らないのが安全に積載できる目安とされています。

どうしてもはみ出しちゃう… そんなときはどうする?

 一般的なキャリアの使用で、重量より気になるのが長さの問題です。長さの上限は、車両の全長にその長さの10分の1を加えたものまで載せることができます。

 たとえば、全長4575mmのトヨタ現行「プリウス」の場合、全長の10分の1である457.5mmを加えた5032.5mmの長尺物まで積載することができます。

ルーフに載せられるものの長さの規定は?

 ただし、車体の前後から全長の10分の1の長さを超えてはみ出すことは禁じられているため、長尺物の積載方法には気を付けなければなりません。

 高さは車両も含めて最大3.8m(軽自動車は2.5m)まで。3.8mを超えるのはなかなか難しいですが、全高が2m近いハイルーフの軽ワンボックスなどは、ちょっとしたものを載せただけで2.5mを超えかねないため、注意が必要です。

 幅は車両の全幅までとされており、左右どちらからもはみ出すことは許されていません。リアキャリアに自転車やバイクを載せようとすると車幅からはみ出てしまうことがありますが、これは法律的にはNGということになります。

 では、荷物が分割できず、どうしても法律の制限内に収まらない場合はどうすれば良いのでしょうか。

 その場合は、出発地を管轄する警察署(あるいは交番か駐在所)に「制限外積載許可」を申請する必要があります。

 長さは車両の全長+その10分の5(はみ出しは前後とも全長の10分の3以下)、幅は車両の全幅+1m(はみ出しは左右とも0.5m以下)、高さは4.3mまで積載できる許可を受けることができます。

※ ※ ※

 車外積載ではサイズや重量についても注意が必要ですが、何より気を付けなければならないのは運転です。

 クルマの外に重量物があるということは、設計上の重心と違いが生じるため、加減速はもとよりハンドリングにも影響を及ぼします。

 また、急ブレーキや急ハンドルはキャリアや積載物に余計な荷重がかかるため、破損や落下などにつながることもあり、万が一の際には道交法違反や事故の賠償責任を問われかねません。

 ルーフに荷物を積載する場合は、高さ制限にも要注意。線路の高架下やトンネルなど意外と低いところが多く、普段の勢いで突入すると荷物が引っかかってしまうことがあります。

 大きな荷物を積載したときは、いつも以上に速度は控えめ&車間距離を十分にとり、くれぐれも安全運転を心掛けましょう。