楽天が2021年度第3四半期決算を発表!楽天モバイルのMNOは411万契約に。ローミング費削減などで2022年第2四半期以降に収益改善を見込む
楽天グループが2021年度第2四半期決算説明会を開催! |
楽天グループは11日、オンラインにて「2021年度第3四半期決算説明会」を開催し、連結業績では売上収益4,069億円(前年同期比+12.6%)およびNon-GAAP営業損益▲577億円(前年同期比▲291億円)の増収減益となったと発表しています。ただし、投資フェーズのモバイル・物流などを除いたNon-GAAP営業利益は480億円(前年同期比+16.5%)となったとのこと。
中でも今年4月に提供を開始した料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」( https://network.mobile.rakuten.co.jp/ )によって高い競争力となり、総務省による調査では最も選ばれた料金プランであることが明らかになり、MNO契約数が2021年9月末時点で411万に達し、仮想移動体通信事業者(MVNO)との合計では510万となったということです。
なお、楽天モバイルではこれまで契約数ではなく累計契約申込数という数値を公開してきましたが、2021年度第2四半期決算説明会にて初めて契約数(2021年3月末時点)も公表していました。今回、さらに2021年9月末時点に加え、本格サービス開始となった昨年4月以降の四半期ごとの契約数も公表しています。
それによると、2020年6月末時点で65万、2020年9月末時点で112万、2020年12月末時点で162万、2021年3月末時点で285万、2021年6月末時点で366万と順調に推移しており、楽天グループ 代表取締役会長兼社長および楽天モバイル 代表取締役会長兼CEOの三木谷 浩史氏は「モバイルの顧客獲得が順調に拡大しており、基地局整備が進んでいることによって顧客獲得もさらに加速する自信がある」と説明していました。
なお、Rakuten UN-LIMIT VIと同じように月額0円から使えるKDDI・沖縄セルラー電話が開始したオンライン専用の料金プラン「povo2.0」について三木谷氏は「影響はない」としつつ、楽天モバイル 代表取締役社長の山田 善久氏は「細かな流出入についてコメントすべきでない」としつつも「多少影響は出ていると感じるが、すごく大きな影響が出ている感じはしない」とコメントしていました。
2021年度第3四半期の楽天モバイルについては売上面ではMVNOサービスからプラン料金が3ヶ月無料となるキャンペーンを実施しているRakuten UN-LIMIT VIへの移行による減収要因はあったものの、1年無料キャンペーンが終了した課金対象のMNOサービスの利用者の増加という増収要因がこれを上回り、全体の売上高は前四半期比で増加しています。
また費用面では楽天回線エリアの積極的な拡大に伴ってネットワーク関連費用が引き続いて増加しており、このMNOサービスにおける基地局整備の先行投資の継続によって引き続き営業損失が拡大していますが、今年10月並びに来年4月に再度予定している自社回線エリア増加に伴うローミング費用の削減や課金対象利用者の増加によって今後の損失拡大は限定的と見込んでいるとのこと。
またすでに明らかにされているように4G屋外基地局建設は順調に進行し、電波発射済みの4G屋外基地局数は3万局を超え、半導体を搭載した特定の部材の納品を待って完工できる4G基地局も約1万局あることから来春に人口カバー率96%の到達を予定しています。
これにより、今年10月以降は39都道府県の一部地域でローミングサービスから楽天回線への順次切り替えを行い、楽天回線の拡大が続くため、ローミング費用の削減が期待できるとしています。合わせて顧客獲得の堅調な進捗があることから2022年第2四半期以降に収益の改善を見込んでいるということです。
またオンラインでの契約が多くを占めるものの、より契約数を伸ばすためにも楽天モバイルショップにおける実店舗での契約も増加させる必要があり、楽天モバイルショップの出店も拡大し、2021年10月時点で681店舗となっているとのこと。
直近でも11月9日に「楽天モバイルショップ ビーンズ中山店」(神奈川県)、11月12日に「楽天モバイルショップ イオンモール姫路リバーシティー店」(兵庫県)と「楽天モバイルショップ 新百合丘オーパ店」(神奈川県)がオープンしています。
また通信品質についてもOpensignalの「5G Global Mobile Network Experience Awards 2021」で5Gのダウンロード・アップロード速度双方においてグローバルリーダーに選出され、日本国内のMNOの中で最も高い評価であり、楽天モバイルが成功への道を歩んでいる証だと紹介されました。
一方、収益のもう1つの柱として期待されている「楽天シンフォニー」についても始動とともに第2フェーズへ突入し、クラウドおよびエッジ、オートメーションテクノロジーによって産業や社会、人々の変革をエンパワーメントすることをめざします。
これにより、持続可能な未来の実現に向けてあらゆるものにコネクティビティーを提供するというVisionのもと、楽天シンフォニーは独自のアプローチで通信業界を再定義していくということです。
楽天シンフォニーの「透明性」に対する考え方は完全な透明性をもったコストモデルの提供によって利用者と真のパートナーシップを築くことにあるということです。
そのためにはハードウェアコストのコンポーネントレベルでの透明性と、ソフトウェアとサービスへのアプローチによって業界をより良い方向へ変革していくとしています。
楽天シンフォニーの最新プロダクトとして先日開催されたMWC LAで発表した「Symware」は無線アクセスやネットワーク、伝送を組み合わて「OpenRAN」と従来のRANに対応する高性能プラットフォームで通信業界初の革新的なソリューションです。これは楽天シンフォニーが提供する新しいRadio-as-a-Serviceプラットフォームとのこと。
また同社アプリストアのような新しい通信事業者向けのアプリケーション提供方法も発表しており、楽天シンフォニーは「Madina」と名付けられたプラットフォームを使用しており、今後はこのMadinaも提供していく予定だとしています。これにより、ネットワークのスムーズかつ自動的な展開実現していきます。
またRakuten Communications Platform(RCP)も次世代OSSはシンプルなアーキテクチャーと標準化、クラウドネイティブを実現しており、ドイツの1&1とのパートナーシップにおいてOpenRANや仮想化を採用したネットワーク構築に向けて前進しており、オランダのTelefonicaとはブラウンフィールドの通信ネットワークをOpenRAN時代にあわせて変革させるべく、密に連携しているということです。
楽天シンフォニーがすでに取り組んでいる変革支援事例の一部ですが、楽天シンフォニーは現在、世界中の通信事業者から100を超える引き合いがあり、楽天モバイルでは楽天シンフォニーの未来は明るいと考えているとのこと。楽天シンフォニーの革新的なソリューションは5Gへ移行する通信事業者に向けても明るい未来を提供していくとしています。
楽天グループの2021年度第3四半期決算概要
記事執筆:memn0ck
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