XFN-ASIAによると、経営再建中のブラジル・バリグ航空は22日、再建の見通しが難しくなったことを受け、運航が予定されていた全189便のうち、3分の2の118便が運休した。うち、国際便も32便のうち、9便だけが運航されたのにとどまった。

  これは、今月8日の入札で、従業員グループ「TGV」が4億4900万ドル(約520億円)で、同社の経営権を落札したものの、7500万ドル(約87億円)の最低保証金を期限の23日までに支払えず、落札が無効となる可能性が出てきたため。

  同社は、破たん前には一時、70機以上を数えた機体数も現在はわずか19機しか残っておらず、さらに、リースで利用している機体が債権者によって差し押さえられるのを防ぐために、飛行場に待機させられているほか、整備不十分で利用できない機体が多く、稼働できる長距離便用の機体は7機にすぎない。

  ピレス国防相は、現在、約2万人のブラジル人が同航空を利用して海外旅行に出ており、うち、5000人がサッカー・ワールドカップドイツ大会の観戦で出国していることから、利用客の帰国に全力を尽くすとしている。 【了】

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