総務省がiPhoneシリーズ15機種を技適不適合製品に追加!

総務省は29日、Apple製スマートフォン(スマホ)「iPhone 13」シリーズおよび「iPhone 12」シリーズ、「iPhone 11」シリーズ、「iPhone XS」シリーズ、「iPhone XR」、「iPhone SE(第2世代)」の合計15機種を電気通信機器の基準認証制度における技術基準(いわゆる「技適」)への不適合などに当たる製品であるとお知らせしています。

これらの15機種はともに日本向けに販売されている製品で、すでに紹介しているように「eSIM」を用いてデュアルSIMで利用した場合に音声通話が利用できないデータ通信専用SIMを「モバイルデータ通信」として設定すると緊急機関(110・118・119)への発信(以下、緊急通報)ができない不具合が発生しています。

技適のうちの電気通信事業法に基づく技術基準適合証明ではVoLTE/Vo5G-NRなどに対応したスマホなどの移動電話機においてデータ伝送回線の試験9種類と音声通話や緊急通報などの機能の試験を行ってクリアする必要があり、今回、一部条件で緊急通報が行えないことから総務省では技適不適合などに当たる製品リストへ追加しています。


Apple Japanでも10月23日にこの不具合について案内を掲載

総務省では以下の該当するiPhoneシリーズを取り扱う電気通信事業者からデュアルSIM機能を利用する際に「音声通話ができないデータ通信専用SIM」と「音声通話可能なSIM」を組み合わせて音声通話が利用できないデータ通信専用SIM回線を「モバイルデータ通信」用の回線に設定して使用すると、緊急通報ができない事象が確認されたとの連絡があったとし、技適不適合などリストに追加しました。

・iPhoneのデュアルSIM(eSIM)利用時にデータ通信SIMをモバイルデータ通信に設定すると緊急通報ができない不具合が発生中!IIJなどが案内 - S-MAX
・iPhone 13シリーズでもデュアルSIM(eSIM)利用時にデータ通信SIMをモバイルデータ通信に設定すると緊急通報ができない不具合が発生 - S-MAX

なお、電気通信事業法に基づく技術基準適合証明については利用者が問われる電波法に基づく工事設計認証などと異なり、認証取扱業者であるメーカーに責があり、不具合が発生する各電気通信事業者などにおいて「モバイルデータ通信」用の回線に「音声通話可能なSIM回線」を設定することで緊急通報が可能となることを周知することで暫定的に対処しています。

不具合を確認したNTTドコモやKDDI、UQコミュニケーションズ、ソフトバンク、楽天モバイル、インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)といった電気通信事業者ではiPhoneシリーズ以外ではAndroidでは確認されないとし、IIJではiPhoneが採用するプラットフォーム「iOS」固有の問題だと推測しているため、今後、Appleが不具合を解消することになると見られます。

製品型番技術基準適合証明(T)
iPhone XSA2098ADF180092003
iPhone XS MaxA2102ADF180093003
iPhone XRA2106ADF180094003
iPhone 11A2221ADF190081003
iPhone 11 ProA2215ADF190082003
iPhone 11 Pro MaxA2218ADF190083003
iPhone SE(第2世代)A2296ADF200016003
iPhone 12 miniA2398ADF200197003
iPhone 12A2402ADF200199003
iPhone 12 ProA2406ADF200200003
iPhone 12 Pro MaxA2410ADF200198003
iPhone 13 miniA2626ADF210126003
iPhone 13A2631ADF210128003
iPhone 13 ProA2636ADF210125003
iPhone 13 Pro MaxA2641ADF210127003



記事執筆:memn0ck


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・総務省|安全・信頼性の向上|電気通信機器の基準認証制度における技術基準への不適合等の事例について
・日本でデュアル SIM を使って緊急電話をかけられない場合 - Apple サポート (日本)