AppleがAirPodsシリーズに補聴器機能や姿勢改善機能といったヘルスケア機能の搭載を計画中であることを、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。これにより、高額な補聴器の代替としてAirPodsシリーズを利用できるようになることが期待されています。

Apple Studying Potential of AirPods as Health Device - WSJ

https://www.wsj.com/articles/apple-studying-potential-of-airpods-as-health-device-11634122800

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、AppleはAirPodsシリーズに「補聴器」「体温計」「姿勢の改善」といったヘルスケア機能の搭載を計画しているとのこと。計画に詳しい人物は姿勢改善機能の概要について「AirPodsに搭載されているモーションセンサーが猫背などを検知してユーザーに警告し、ユーザーの姿勢を改善します」と述べています。

また、Appleは2021年10月から「AirPods Pro」に人混みや雑音の多い環境での会話を聞き取りやすくする「会話を強調」機能を追加していますが、開発中の補聴器機能が「会話を強調」を発展させたものになるのか、新規開発の技術が用いられるのかは明らかになっていません。



ジョンズ・ホプキンス大学の推定では、約2800万人のアメリカ人が軽度の難聴を患っているものの、わずか5%の患者しか補聴器を使っていないとされています。ジョンズ・ホプキンス大学で聴覚について研究するニコラス・リード氏は「AppleがAirPodsを補聴器として提供することは、ゲームチェンジャーになる可能性があります。人々は補聴器に対して『老後の汚名』といったイメージを持っていますが、AirPodsはそのイメージを打破できます。また、AirPodsは従来の補聴器よりもはるかに安価です」と述べ、AirPodsへの補聴器機能搭載を歓迎しています。また、他の専門家は「AirPodsに搭載されているマイク・アンプ・洗練されたプロセッサーなどは、軽度または中等度の難聴の患者を支援するために必要な技術の多くがすでにAirPodsに含まれていることを意味しています」と指摘しています。



ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アメリカには補聴器の安全性や効果を保つための規制が存在しており、補聴器を入手するには認可された店舗で数千ドルを支払う必要があるとのこと。しかし、アメリカ食品医薬品局は規制の見直しに取り組んでおり、将来的にAppleなどの電子機器メーカーが安価で高性能な補聴器を販売できるようになることが期待されています。

補聴器機能や姿勢改善機能を搭載したAirPodsはすでにプロトタイプが開発されているとのこと。ただし、計画に詳しい人物は「タイミングが変わる可能性もありますが、AirPodsのヘルスケア機能は、2022年まではユーザーに展開されません」と述べており登場時期は不明です。また、Appleの広報担当者はコメントをひかえています。