『角上魚類』の聖地へ! 新潟の本店にしかない「浜焼き」が安くて旨すぎた
食楽web
関東・新潟などで全22店舗を展開する巨大魚屋チェーン『角上魚類』。いずれの店でも、スーパーマーケットよりもはるかに安く鮮度の良い魚ばかりがズラリと並んでおり、店舗のあるエリアでは入店する車で渋滞が起きるほどの絶大な人気を博しています。
『角上魚類』のスタートは1974年。新潟の静かな漁師町・寺泊の砂浜に突如ポツンと出店された、小さな魚店が発端です。
これこそが『角上魚類』の第一号店で、創業当初から「新鮮な魚を安く販売する」「海水浴などで遊びに来た人に対して、地元で獲れた魚介類を『浜焼き』として販売」することで人気を博し、寺泊を新潟の観光名所の一つに導きました。また、同店の繁盛をきっかけに、関東圏進出にも至り、現在の絶大な支持を得ることになりました。
現在も寺泊の「魚の市場通り」の中心的存在として君臨する『角上魚類 本店』
いわば“『角上魚類』の聖地”と言って良い新潟・寺泊の『角上魚類 本店』ですが、お店は現在もなお元気に営業しています。
関東圏にある巨大なテナントに比べればそのスペースは小さいものの、「本店でしか味わうことができない」浜焼きや汁モノ、さらに鮮度が良いからこそ実現できる生牡蠣などがあるそうです。というわけで、関越道を4時間、“『角上魚類』の聖地”に行ってみることにしました!
新鮮な魚類を、ダイナミックに調理した「浜焼き」の数々!
鮮魚のラインナップ。中には地元・寺泊や、近隣の出雲崎で獲れた魚も
『角上魚類 本店』の店内のラインナップは「鮮魚」「寿司」「漬け魚」「水産加工食品」などで、この点は一見関東圏の『角上魚類』と変わりません。しかし、よく見れば地元で獲れた数少ない鮮度抜群の地魚も並んでます。また、週末などに店先にズラリと並ぶ「浜焼き」などの部類は、こちらでしか味わうことができないものです。
そして『角上魚類 本店』の名物が浜焼きの部類!
地元で獲れた新鮮な紅ズワイガニを始め、えび、ほたて貝や、新潟の市場仕入れの本マグロなどがこれでもか! と贅沢に焼かれています。特に筆者が注目したのが「紅ズワイガニ甲羅焼き」(700円)、「本マグロ中トロ塩ダレ」(500円)です。
「紅ズワイガニ甲羅焼き」700円 ※このうち、一つの甲羅がこの値段でいただきます
「紅ズワイガニ甲羅焼き」は、棒肉が3~4本しっかり入って、蟹味噌をジャンジャンかけたお出汁と合わせていただくもの。紅ズワイガニの旨みと磯の香りのする蟹味噌は、お酒のおつまみにもピッタリな濃厚な味わいです。
「本マグロ中トロ塩ダレ」500円 ※このうちスキレット1つ分がこの値段でいただけます
また、「本マグロ中トロ塩ダレ」は店頭のグリル、バーナーで焼かれたもので、こちらも本マグロの旨みを豪快に引き出しています。ご飯が欲しくなるような贅沢かつダイナミックな味でした。
取材時には生の岩ガキを食べられるサービスも!
なんと、地元で獲れた旬の岩ガキをその場で生で食べられるサービスも!
ここで店内に目を向けると、ある一角に人だかりができています。お客さんはこぞって何かを食べている様子。覗いてみると、なんと岩ガキをその場で割ってもらい生で食べられるというサービス。
新潟県産の生の「岩ガキ」(400円 ※時価)、筆者もいただきましたが、全く臭みや苦味がない、磯の香りが口の中に優しく広がるような超新鮮の味覚でした。
「生は苦手」という方に蒸した「真ガキ」時価(※取材時は300円)も
また、「生は苦手」という方には、蒸した「真ガキ」(※時価)も販売されています。こちらもプリップリの大粒の身が濃厚で、まさに角上魚類本店でしか味わうことができないものだと思いました。
新潟県民のご馳走汁がたったの200円!
店頭で汁モノを作るスタッフの方々
そして、再び店先へ。前述の「浜焼き」群の真横で販売されている汁モノの販売スペースへ。取材時、34度を超える真夏日でしたが、この暑い中、スタッフの方がいかにも美味そうな汁を作っていました。
取材時に売られていたのは「番屋汁」(200円)「くじら汁」(200円)の2種。「番屋汁」は、もともと新潟の漁師さんたちが天候や波の具合を見て漁に出るまでの間に、魚のアラなどをブツ切りにするなどし、野菜と一緒に味噌などで煮込んだもの。角上魚類本店の名物メニューなのだそうです。
「くじら汁」200円
また、「くじら汁」は、くじらの肉や脂身と茄子や玉ねぎなどの野菜と煮込んだ濃厚スープ。新潟県民の夏のご馳走的な味噌汁なのだそうです。この「くじら汁」をいただきましたが、口当たりは味噌ラーメンのスープのような強いパンチ。そこにくじらのコリコリした食感、煮込まれた野菜の優しい風合いが広がり、夏バテ防止になりそうなスタミナ十分の忘れることができない味。これで200円というのはちょっと信じがたい安さです!
角上魚類本店には「聖地」ならではの矜持と味があった!
休日、平日に関わらず多くの人で賑わっています
“聖地”にしかない魅力と味が詰まった『角上魚類 本店』でしたが、広報の齋藤晃穂さんに同店のエピソードと今回ご紹介の「浜焼き」について聞きました。
「1974年に『角上魚類』としてオープンした当時、この界隈には道が一本通っているだけで、周囲は砂浜だったようです。創業者・現会長の柳下浩三が海岸沿いの、何もなかった砂浜の中に『角上魚類』の看板を掲げ、店を出しました。創業当初から新鮮な魚を安く提供することを指針にし、多くのお客さんに支持を得たようですが、今日もその指針を守り続けています」(齋藤さん)
是非「角上魚類の聖地」寺泊の本店に行ってみてください!
「また、一方で創業当初から支持を得たのが『浜焼き』です。新鮮な魚類を贅沢にその場で調理しご提供したことで人気となり、結果的に寺泊の名物にもなりました。新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いた際には、県外の方にも寺泊の角上魚類本店までお越しいただければ有難いですね」(齋藤さん)
綺麗な海に面した『角上魚類 本店』ならではの「浜焼き」は、いずれも新鮮な味、ボリュームに対しコストパフォーマンスに優れていたことも付け加えておきます。新潟・寺泊でしか味わえない絶品の「浜焼き」、“角上魚類の聖地巡礼”も兼ねて是非一度現地でご賞味ください!
(撮影・文◎松田義人)
●SHOP INFO
店名:角上魚類 寺泊本店
住:新潟県長岡市寺泊下荒町9772-27
TEL:0258-75-5246
営:8:00~17:00
休:なし