Sharp Document 21yoshidaの本社

写真拡大

多額の簿外債務が発覚し、対外信用が失墜していた

(株)Sharp Document 21yoshida(TDB企業コード:100691600、資本金1億1000万円、宮城県仙台市若林区卸町東2-2-2、代表吉田淳一氏ほか1名、従業員130名)は、7月15日に仙台地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は狩野直樹弁護士(宮城県仙台市青葉区一番町2-11-12、みらい法律事務所、電話022-211-9350)。

 (株)Sharp Document 21yoshidaは、2002年(平成14年)10月に設立した事務用機械器具卸売業者。本店を宮城県に構え、そのほか全国に7拠点(札幌、埼玉、東京、横浜、大阪、福岡、郡山)を設け、大手メーカーのデジタル複合機の販売・保守を主体に、パソコンやFAX、プリンター、スキャナー等の販売のほか、複合機販売と連携したネットワーク構築を含むPC向けセキュリティシステムの販売を手がけていた。シャープ製品販売店として、上場企業を除くと全国でもトップクラスの業容を誇り、顧客は約7000社に及び、ピーク時である2019年9月期の年売上高は約36億2200万円を計上していた。

 しかし、近年は得意先のオフィス環境への投資意欲の減退などから業績は伸び悩んでいた。さらに、今年の春頃には金融機関からの借り入れやリース債務において多額の簿外債務が発覚し、決算書に疑義が生じるなど対外信用は失墜。その後修正した2020年9月期の年売上高は約23億7000万円に減少し、特別損失として約30億円(前期損益修正損)を計上。当期純損失は約32億5700万円となり、約31億円の債務超過に転落し、今回の措置となった。なお、同業の上場企業3社が当社の事業譲渡候補先として名乗りを上げており、今後は事業譲渡にむけて手続きを進める意向である。

 関連会社の(株)吉田ストア(TDB企業コード:190124531、資本金1200万円、福島県会津若松市川原町1-9、同代表ほか1名、従業員23名、事務用機械器具卸)も、同日福島地裁会津若松支部へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は小池達哉弁護士(福島県会津若松市追手町3-16、会津鶴城法律事務所、電話0242-28-5640)。

 負債は、(株)Sharp Document 21yoshidaが債権者約14名に対し約83億円、(株)吉田ストアが約23億円、2社合計で約106億円となり、宮城県、福島県内でそれぞれ今年最大の倒産となった。