液体ミルクが自販機でも、明治などが普及後押し 「良い時代になった」共感続々
2019年春に国内での製造・販売がはじまった赤ちゃん向けの液体ミルク。2年が経った今、その「普及」を物語るツイートが注目を集めている。
自動販売機で液体ミルクが売られているのを目にした、というものだ。
子育て経験のある投稿者は「良い時代になったなぁ」としみじみ。ツイッター上でも「本当にすばらしい!」「どんどん増えて欲しい」と反響が広がっている。
18年に省令改正
液体ミルクは開封後、そのまま乳幼児に飲ませることができる。お湯で溶かし、冷ます必要のある粉ミルクと比べ、調乳の手間が省けるのが特徴だ。欧米では一般的な存在だったが、日本では長い間製造・販売のための規格がないなどを理由に、市場に流通してこなかった。
しかし、東日本大震災(11年)や熊本地震(16年)の発生を受け、災害時の備蓄品としてニーズが高まる。こうした中、厚生労働省は18年8月に省令改正を実施。国内メーカーが液体ミルクを製造できるようになった。19年春には江崎グリコ(大阪市)、明治(東京都)が液体ミルクの全国販売を開始し、現在はドラッグストアやコンビニなどで買うことができる。
大手メーカーの販売開始から2年が経った21年6月。液体ミルクの「普及」を物語るツイートが注目を集めた。
「良い時代になったなぁ...」
6月8日、せわた(@sewata_cha)さんは自動販売機の写真とともにこうつぶやいた。お茶やヨーグルト飲料など、紙パックの飲み物が並ぶ明治の自動販売機「健康ステーション」。その最上段に置かれていたのは、缶に入った液体ミルク「明治ほほえみ らくらくミルク」だった。
「自分が乳幼児を育てていた頃には...」
J-CASTニュースが6月9日、写真を投稿したせわたさんに取材すると、この自動販売機は静岡県浜松市にある商業施設で見かけたものだという。
自身も子育て経験がある、せわたさん。子育て期には、商業施設などへの外出時にキューブ状の粉ミルク、哺乳瓶、お湯を入れた水筒を持参。大荷物になるため、ミルクを持っていかなくても済むよう、短時間で外出を済ませることもあったという。「自分が乳幼児を育てていた頃には無かった液体ミルクが、様々な人の努力によって一般化しているのを目の当たりにして、『良い時代になったな』と感じました」。
投稿は、子育て中や子育て経験のあるツイッターユーザーの間で注目を集め、「これは本当にすばらしい!」「もう何も持たずに気軽に外出できるんだね!」「こういうのはどんどん増えて欲しいですね」などと反響が広がった。
J-CASTニュースが6月9日、明治の広報担当者に取材すると、自動販売機での展開は同社が「らくらくミルク」の販売をはじめた19年に開始したという。設置数は「数十台」ほど。使い方については「特別な材料を使って調温をする必要はなく、人肌で缶を温めるなどしてから、容器に移して使っていただける仕様です」とした。
今後の展開については「自動販売機での販売を通して、日常でも非常時でも役立つ『フェーズフリー』な商品として、特に、防災の観点で社会に貢献できればと考えております」としている。
自動販売機での液体ミルクの販売は、「アイクレオ」を展開する江崎グリコも19年に北海道の「道の駅」ではじめている。
(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)