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昨年春に緊急事態宣言が出されたとき、日本のゴルフ場はレストランやお風呂の営業を自粛し、スループレーにする施設が多かった。感染拡大時、米国、英国、中国では、いずれもゴルフ場はクローズ。その後、感染対策を施して再開された。WITHコロナ時代、それぞれの国のゴルファー事情はどうなっている?

アメリカでは
当時の様子を米国在住のゴルフジャーナリスト武川玲子氏はこう振り返る。「とにかくモノに触らない工夫がされていましたね。カートの使用は一切禁止。自前のカートか担ぎのみ。徐々に緩和されてきましたが、夫婦や同居人以外の人と同じカートに乗れるようになったのは、ここ最近です」。

ゴルフ場再開後は、「ピンは差したまま」、「バンカーレーキはなし」が規則になった。だが、ピンに影がかかるときや、バンカーの足跡からは無罰で動かしていいとはいうものの、足跡だらけでは動かしようがないなど、まだまだゴルフの新しい習慣には改善の余地がありそう。テレワークが浸透し、早朝や夕方に2時間休憩を取ってハーフをまわるのが人気。

イギリスでは
今年3度目のロックダウンが行われた英国も、完全に元に戻るとまでは至っていない。英国在住のスポーツライター松澤浩三氏は、「普段ならお客がカウンターで注文するお店でもテーブルサービスになったり、人との距離を徹底したり、サービス面は、コロナ前とは随分違います」。一方、コースや練習場では人が増え「プレーフィが上がっているコースも少なくない」と、素直に喜べないこともあるという。

おウチ時間が長くなったことで、練習器具や、YouTubeなどのゴルフレッスンや関連情報番組の需要が増しているという。また、スタート時間によってはゴルフ場の予約が取りにくかったり、平日の薄暮プレーも混雑していたり、プレーする人が増えている。そのため、プレーフィが上がったという。

中国では
日本プロゴルフ協会のティーチングプロで上海創作商貿有限公司総経理の森田愁平氏は、中国では再開後に予約の争奪戦になったと話す。「03年のSARS発生時に『密を避けゴルフ場で運動し感染を防ごう』とブームになりました。今回もそれに似た雰囲気があります」。まだまだプレー人口が増えそうだ。

若者が“SNS映え”を狙ってゴルフをはじめるケースが増えているという中国。感染拡大時には休業を余儀なくされたシミュレーションゴルフスタジオが、その後の売上を大きく伸ばしているのも、プレー人口増加の象徴だ。ゴルフ場や練習場、関連メーカーも同様で、リーマンショック後で最高の売上を計上しているところも少なくないという。

ALBA 816号から加筆・転載