年齢が高くなるにつれつらくなる家事のひとつといえば、お風呂掃除。腰をかがめたり、しゃがんだまま水垢を落としたり…。毎日のことだけに憂鬱な気持ちになってしまう人も少なくないのではないでしょうか。

「40代後半からお風呂掃除がつらくなり方法を見直しました」と話すのは、さまざまな生活情報誌や暮らしにまつわる書籍の制作に携わる生活情報ライターの佐藤由香さん。現在50代の佐藤さんが、いろいろと試してみてこれはいい! と感じた、風呂掃除アイテムとアイデアを教えてもらいました。

50代からのお風呂掃除は「いかにラクできるか」が重要!便利アイテムに頼って




50代からのお風呂掃除をラクにする便利グッズ

40代後半くらいから、お風呂掃除が非常におっくうになりました。理由は長時間の座り仕事と運動不足による腰痛。賃貸のわが家の浴室はとても狭く、腰をかがめる体勢がつらい!

掃除をラクにするには「汚れをためないことが大切」と言いますが、腰痛持ちの場合、それ以前の問題。毎回のお風呂掃除がそもそもしんどいのです。ひとり暮らしなので、男性の多い家や育ち盛りの子どもがいる家よりは、はるかに汚れが少ないはずですが、それでも少しでもラクしたい!

というわけで、お風呂掃除がおっくうな50代のためにおすすめ風呂掃除アイテム&テクを紹介したいと思います。

●ゴミ取りストレスから解放される、ダイソーのヘアキャッチャー




最近の100円グッズの中で、これほど使ってよかったものはないかも!? と感動したのが、ダイソーで見つけた「くるっとキャッチ」。排水溝の目皿を変えるだけなのですが、髪の毛やゴミが水流とともにくるくる集まりボールのようなかたまりになるんです。捨てるときはひっくり返してゴミ箱にポイッ。ヨイショ、とかかんでドロドロゴミを取らなきゃいけない苦行が一瞬で終わります!

100円ショップのヘアーキャッチャーにもいろいろな種類がありますが、「くるっとキャッチ」は少し深めなのでゴミがしっかりためられる感じがいいし、本体そのものも汚れがつきにくい。同じ100円なら、シートタイプのヘアキャッチャーより絶対こちらがおすすめです。

●こすり洗いがラクすぎる!フサフサヘッドの浴槽ブラシ




浴槽掃除のおすすめは、浴槽の外からでも手が届く伸縮の柄つきタイプ。なかでも、山崎産業の「ユニットバスボンくん抗菌」(約1000円前後)は、力がいらず、立ったまますみずみまで洗えて洗い残しがない。浴槽、手摺などいろいろな部分がとても洗いやすいスグレものです。

ポイントは、フサフサの網目状の繊維の毛。浴槽をわしゃわしゃわしゃ〜っとこするだけで、カーブも凸凹も角の部分までフィット。


使ったあとはフックにかけておけば水ぎれも早い! また、汚れが軽めの場合は洗剤なしの水だけでも大丈夫ですが、洗剤を使うときは泡ぎれのいいタイプがおすすめ。私はキンチョーの「お風呂用ティンクルすすぎ節水タイプW」を使ってます。

●カランや鏡が即ピカピカ!レーヨンクロス




掃除の取材で教えてもらったのですが、驚くべき威力! ただふくだけで、金属部分などがピッカピカになります! たまにしか掃除しないカランやシャワーヘッドは水アカつきまくりますが、レーヨンクロスでからぶきすればすぐ落とせます。レーヨンクロスはいろんなメーカーから発売されていて、ドラッグストアやネットでも購入できます。

●水がたまらないから汚れがつきにくい、無印良品&100円ショップのワイヤーラック




お風呂場に限らず、水まわりのプラスチックはとても汚れがつきやすいです。これを清潔に保つのはなかなか大変なので、シャンプーや石けんなどのラックに関しては、水がたまらない足つきのワイヤー製がおすすめ。

最近は壁にシャンプー類を引っかけるアイデアも多く見かけますが、昔のバスルームや賃貸だと、引っかける場所がないことも。そんな場合は、ラックを見直すといいですよ。写真のシャンプーラックは無印良品のもの。ソープディッシュは100円ショップのもの。材質はさびに強いステンレスがいちばんいいですが、水ぎれのよさなら100円でも十分です。

●鏡のウロコ取りと無縁に!スクイージー




東京はカルキが多い水質のようで、ほったらかしにすると鏡のウロコ汚れが半端なくつきます。うちは放置しすぎた結果、どうやっても白い汚れが落とせずプロに頼むはめに…。

ピカピカを維持するには、結局水滴取りを習慣にするのがいちばん。そこで活躍するのが100円ショップでも買える「スクイージー(水きりワイパー)」です。といっても、やってみると大した手間ではありません。バスルームから上がるときに、スクイージーでシャッシャッと水けをきるだけ。スクイージーは浴室内のどこかに引っかけておくと、すぐ手にとれて面倒くさくありません。

●予防掃除にも!残り湯の雑菌の繁殖を防ぐ、風呂水清浄剤




私は防災のために浴槽の湯は残しておくのですが、水を貯めておくとぬめりが発生しやすくなります。そこで、入浴後に、雑菌の繁殖を抑える効果が期待できる風呂水清浄剤、花王の「ふろ水ワンダー」(約260円前後)の錠剤を投入。

翌日、沸かし直して入浴もできますし、洗濯に使っても大丈夫。本来は節水効果のための薬品ですが、予防掃除アイテムとしても役立ちます。

●掃除が大変すぎる「風呂ふた、排水溝カバー」ははずす




読者の取材に行くと、掃除の手間を省くためにキッチンの排水口のふたをしないという話をよく聞いていました。なるほど…と思いつつも、個人的には、キッチンの排水口より溝の多い風呂ふたや排水カバーのほうがはるかに面倒(わが家のものは溝が多くて、めちゃくちゃ汚れがたまる形状)。そこで思い切ってはずしてみたところ、じつに快適!

なければそもそも掃除する必要がありませんし、排水カバーをしないとゴミが見えるので、かえって捨てやすくなります。お湯が冷めるのでは、という問題に関しては、即入るか、追い炊きでカバー。ちなみに、はずしたあとのふたとカバーですが、賃貸だと捨てるわけにいかないので、もの置きスペースのすみに隠しています。

●浴室のヌメリやカビの予防をしておくと掃除もラクに!



このほか、入浴後、壁面をシャワーで流し、扉をあけて換気することも汚れやカビ防止に効果的。ここまでやれば、日々の掃除の負担はグーンと軽くなります!

浴室は、材質や設備、家族構成、水質などさまざまな原因で汚れのつき方、落とし方が異なりますが、年を重ねるほどに掃除がしんどくなるのは間違いありません。つらいなと思ったら、グッズの力を借りて上手にラクしたいですね。

【佐藤由香さん】



生活情報ライター。1968年埼玉県生まれ。編集プロダクションを経て、2011年に女性だけの編集ユニット「シェルト・ゴ」を立ち上げる。料理、片づけ、節約、家事など暮らしまわりに関する情報を中心に、雑誌や書籍で執筆。