「1枚で十分じゃないの...。すごく厳重だ...」

思わずそうツッコミたくなる写真が、ツイッターで注目を集めている。


撮り鉄対策...?(画像は鉄分補給(@tetsubunhokyuu)さんから)

こちらは、ツイッターユーザーの鉄分補給さんが2021年2月27日、JR東京駅の9・10番線ホームで撮影した写真だ。

写真の手前から奥の柵までが、立ち入り禁止エリアと一目でわかる。なぜなら、エリアを囲むように、

「関係者以外立入禁止」
「危険!寄りかからないようにご注意ください」
「立」「入」「禁」「止」

との貼り紙やプレートが何枚も貼られているからだ。見えるだけでも、10種類以上...?赤や黄色の文字で、デカデカと強調されている。

どうしてこんなに沢山...。その光景に、

「東京駅の185系対策」

とつぶやく投稿者の鉄分補給さん。

185系とは、特急「踊り子」や「湘南ライナー」などに代表される車両。3月12日をもって定期的な運行を終了するため、鉄道ファンの間では惜しむ声があがっている。

いわば「撮り鉄」対策といったところだろうか。

Jタウンネット編集部は、その真相を確かめるべくJR東日本を取材した。

貼り紙が増えたワケ →広報「分かりづらいとの声を受け」

3月9日、Jタウンネットの取材に応じた投稿者の鉄分補給さんは、「185系対策」の意味を

「今週の金曜日(3月12日)に185系という国鉄特急電車が引退します。それを撮り鉄達がたくさん撮ると思われるのでこれほどの対策がされている訳です」

と説明。自身も「乗り鉄」や「撮り鉄」であるとのことだが、貼り紙を見た時は「すごく対策しているな」と思ったそう。

大量の貼り紙のワケは、鉄分補給さんが推測する通りなのだろうか。記者がJR東日本の東京支社の広報担当者に詳細を聞くと、

「もともと貼り紙は、数年前から貼っていました。正確な日付は把握できていませんが、徐々に増えていったというカタチです。(写真の手前にある)柵は21年2月下旬から設置しました。
なぜ複数枚の貼り紙があるかというと、お客様から『分かりづらい』『見づらい』とのお声があったので、お客様に伝わるように増やしたというのが、現状です」

と話した。

分かりづらいとは、どういうことだろうか。

「『立ち入り禁止エリア』というのが、分かりづらいということです」

広報担当者によれば、数年前から貼り紙は貼っていたが、そのエリアに「お客様」が立ち入るケースがあり、駅員が注意をしたところ、「分かりづらい」との指摘を受けたとのこと。そのため、徐々に枚数を増やし、今のようなカタチになったそうだ。

また、そもそも貼り紙を貼っている理由については、

「(写真の先にある)立ち入り禁止エリアは係員の事務所があり、係員が通行するところなんです。
機材などを持っているお客様もいらっしゃいますので、お客様と係員がぶつかって、お怪我などをさせないように、事故防止のために貼り紙やエリアを作って対策をしているということです。
(貼り紙がある)ホーム端の場所は狭くなってしまうため、通行するときにお客様とぶつかってしまうことを防ぐために設置しております」

と説明。貼り紙は東京支社関係者が貼り、場所は9、10番線ホームのみだという。

「(撮り鉄といった)ターゲットが絞られているわけではなくて、いままで申し上げたようなことを、ご利用されるお客様、みなさまに向けて発信しているものなので、特定の方に向けてではないです」

と広報担当者は強調。つまり、話題になっている「185系対策」には当たらない、という意味だ。

また、「立ち入り禁止エリア」の貼り紙を今後撤去する予定もないとのこと。

12日に定期運行終了を迎える185系「踊り子」。「撮影したい」「見に行きたい」という声もツイッター上がっているが、この場所には、くれぐれも立ち入らないよう、お気をつけください。