51歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した6歳の長男・うーちゃん、里子の3歳の長女・ぽんこちゃんという家族5人で暮らしています。
今回は、ぽんこちゃんのトイレトレーニングについてのお話です。

ぽんこちゃんが保育園のクラスで一人だけオムツ。でも本人はあっけらかんとしています



前回の記事
では「のんびりした育児でいいのではないでしょうか」と締めくくりましたが、3歳の里子のぽんこちゃんが保育園のクラスで、一人だけオムツがとれてないことが発覚しました。
最後の一人、つまりビリを独走中だというので、大慌てでトレイトレーニングに取り組むことにしました。

現在6歳の養子の男の子、うーちゃんのときのことはすでに記憶があやふやなのですが、2歳の終わりか3歳の初めの方で既に昼間はパンツで過ごしていたような気がします。
それというのも、保育園の担任の先生が「この子はできる子です」と熱心に勧めてくださったからで、先生のおっしゃったとおり、すぐにパンツで過ごすようになりました。

●待っていても「時」などこない!



ところが、ぽんこちゃんはとくになにも言われなかったので、ついそのままにして時がくるのを待てばいいかなみたいな気持ちでいました。しかし、待っていても時などきません。
ぽんこちゃん本人がとくになんとも思っていなくて、焦りもなにもなく、お友達にバカにされてもおらず、恥ずかしがったりもしていません。焦っているのは僕です。みっともない思いをさせてはいけないと思うのですが、本人がみっともない思いをしていないため、僕の気持ちが空回りです。

ただ、おトイレで用をたしてくれると格段にオムツが減らなくなり、買いたしの用も減り、家計にも大助かりです。ぽんこちゃんが使っているのはビッグサイズであるため、一袋に入っている枚数が少ないのです。ぜひこの機会にオムツは夜、寝ているときだけになってほしい。

また、うんちをした場合、オムツをしているとお尻が汚れてお尻ふきを大量に消費します。おトイレで座ってうんちをしてくれると、ほとんどお尻は汚れないため、お尻ふきそのものが不要になります。

●自宅でトイトレ開始!声をかけるといいお返事です



そこで、昼間は自宅でもパンツをはかせることにしました。

「ぽんこちゃん、おしっこが出そうになったら教えてよ」
「はい」

ぽんこちゃんは返事は最高にいいのですが
「おしっこがでた〜」
毎回事後報告です。しっかりパンツにしています。パンツとズボンの洗濯ものが大量発生です。うんちもパンツにしてしまいます。


「うんちが出そうになったら『うんちが出る』って言うんだよ」
「はい」


「おしっこが出そうになったらなんて言うの?」
「うんちがでる〜」
「それはうんちが出るときだよ」

このように事前報告の練習はたっぷりしています。しかし、3歳の頭脳では現在と過去と未来の区別がついているのかついていないのか不明です。

●古泉さんの挑戦は続く。連戦連敗、敗北感でいっぱいに…?



保育園から帰宅して、リビングで遊んでいるときには


「おしっこ出る? おトイレ行こうよ」
と誘ってみますが、
「でない」
「うんちは?」
「でない」
と言い、しかしその直後に


「うんちでた〜」
などと言います。うんちをした場合同時におしっこもしてしまうので、全部洗濯です。

とくに朝は戦々恐々です。起きてすぐトイレに行こうと誘いますが、頑として応じません。パジャマから洋服に着替えた後にお漏らしをしたら最悪です。

ただ、お出かけの前にトイレに誘うときのみ応じてくれるので、本当は寝て起きてまずお着替えさせたいのですが、保育園に出かける直前にお着替えさせてトイレに連れて行くことでしか最悪を防ぐ手段がありません。

オムツに用をたすのが好きなのかと思うほどかたくなに教えてくれません。ズボンを2本汚してしまったら、その日はゲームオーバーでオムツに切り替えます。そうでないと明日、保育園に履いていくズボンがなくなるからです。日々、連戦連敗中で敗北感でいっぱいです。

【古泉智浩さん】



漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門
』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました
』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター(@koizumi69
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