家が片づかない理由にもいろいろありますが、最大の原因はもののもちすぎ。ものが多い→収納がうまくいかない→部屋が散らかってイライラ…。という状況に陥っている人も多いのでは?
そこで今回は、整理収納コンサルタントの瀧本真奈美さんが、ものを減らすことで手に入れた「スッキリ片づくラクな暮らし」を紹介。50歳を過ぎて家に改めて向き合ったという瀧本さんの、片づく家を紹介します。

片づく家のコツ。疲れないことをいちばんに考えて暮らしを見直す




生活必需品を厳選すれば片づけもラク!

100円リメイクやDIYなど、これまでさまざまな手法でインテリアを楽しんできた瀧本さん。50歳を過ぎ、たどり着いた境地は「心も体もラクな暮らし」でした。

「感染症の流行や自然災害、自分自身の体力や体調の変化など、これまでどおりいかないことを実感。これからもムリせず暮らすために、家を見直すタイミングだと思い、家事やものを整理したんです」

新たな基準は、疲れないこと。自分に心地よいものを残し、ストレスを排除。不要になったものはフリマなどを活用しながら手放すようにしました。
「未来の自分を救うのも、苦しめるのも自分。思い込みや仕組みを変え、ものを減らす決断ができたおかげで、毎日がとても快適です」

<BEFORE>


以前は、DIYや雑貨が好きで飾って楽しんでいました。


こちらはリビング。


現在はスッキリと使いやすい状態にチェンジ。
「インテリアの好みも変化し、家族がくつろぎやすい落ち着いたモノトーンに」

好きなものを好きなだけ飾ると部屋はゴチャつきます。
「まず飾るコーナーを決めて、次に飾るものの数を厳選してみましょう」
色数も抑えれば、大々的に模様替えをしなくても統一感のある心地いいインテリアに。

【瀧本家の間取り】
<1F>



<2F>



毎日使うものこそ減らす。必要なものだけ残して家事も心もラクに



「よく使うものだから」という思い込みをあらためて、生活用品のもち方を見直した結果、家の中がスッキリ! 家事もラクにこなせるようになりました。

●調味料は厳選!見せる収納をやめて、コンロ回りをすっきりと




料理は基本調味料だけで十分。
「コンロ回りにものを置かないことで、掃除がしやすくなりました」

<BEFORE>


以前はスパイスや調味料をコンロ脇に並べて見せる収納を楽しんでいましたが、使いきれないものがほとんどだったそう。

●毎日使う食器だけに絞りゆとりをもってしまう




子どもの独立後、使う食器が限られていることに気づき、大きな壁づけの食器棚を撤去。
「地震に強い低めのカウンター式の引き出しに厳選した食器だけをもつようにしました」


使わない食器をすべて取り出して並べてみたら、写真ほどの量に。
「日常的に使う食器の少なさに気づきました」

●洗濯は毎日するから洗濯カゴも不要




五十肩で重いものが持てなくなったとき、気になったのが洗濯カゴの重さ。
「毎日洗うと洗濯量はさほどでもないので、カゴはやめて手持ちに。でも、なにも不便はありません」

●掃除用具は余計なストックをもたない




ふき掃除系のものはここに入るだけ。
「リビング用の洗剤は住宅用中性洗剤とアルコール。ボトルのつめ替えや、溶かす手間のかかる重曹やクエン酸を使うのもやめました」

●シンク掃除用のスポンジはゴミ受けネットで代用




ネットを手にはめて、食器用洗剤をつけてこするだけ。
「手を入れやすい深型サイズがおすすめ。スポンジより衛生的で、そのまま排水口にセットするので効率よく掃除できます」

●タオルの量は半分に減らし人ごとに色分け管理




いつ、だれが何回使ったかわからず、交換や洗濯が手間だったバスタオル。
「夫と自分、それぞれ予備含めて5枚と決めて減らしたら、場所もとらず、管理もラクになりました」

生活必需品と思い込んでいるものが、じつは必要ないものだったりすることも…。ものにふりまわされず適正量で暮らせば、片づく家は手に入ります。まずはものの見直しから始めてみませんか。

<撮影/林ひろし イラスト/片山智恵 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【瀧本真奈美さん】



3LDKの戸建てに夫と2人暮らし。整理収納コンサルタント、暮らしコーディネーターとしてSNSなどで発信。著書に『自分に心地よい小さな暮らしごと
』(主婦の友社刊)など