Gabに出現したトランプ氏の「公式」アカウント

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ドナルド・トランプ米大統領のツイッターアカウントが、2021年1月8日(現地時間)、永久に停止された。すでにFacebookなども同様の措置を取る中、トランプ氏やその支持者の「移住先」が海外メディアでは注目を集めている。

ただ、プラットフォーマー側はこれらの代替SNSにもストアでの配信を停止するなど、厳しい対応だ。

一時停止から復活したものの......

トランプ氏のツイッターは、6日の連邦議会乱入事件を受けて一時停止、その後ひとまず復活し、「私に投票してくれた7500万人の偉大なアメリカの愛国者」への呼びかけや、20日の新大統領就任式に出席しない考えなどを示していた。

しかしツイッター社は、こうしたトランプ氏の発言をなお問題視し、8日にアカウントの永久停止を発表した。現在、トランプ氏のアカウントは、過去の投稿も含め一切閲覧できない。トランプ氏は他のアカウントから発言を試みたが、いずれも削除された。

すでにFacebookは7日、トランプ氏のアカウントを停止している。SNSを活用して世界に話題を振りまいてきたトランプ氏だが、主要SNSからまとめて「出禁」を食らうこととなった。

こうしたプラットフォーマー側の厳しい姿勢に対し、すでにトランプ氏の熱烈な支持者の間では、他のSNSへの「移住」を試みる動きが相次いでいる。その筆頭として挙げられるのが「Parler」だ。

Parlerとは?「言論の自由」標榜し人気も...

Parlerは2018年に開設。トップページなどで「言論の自由」という理念を大きく掲げている。こうしたことから、ツイッターなどの方針に反発するユーザーが流れ込み、トランプ氏支持者の集まるSNSとして注目されることとなった(CNNは「右翼のソーシャルメディア」と評している)。

米Newsweekによれば、正体不明ながらもトランプ氏を名乗るアカウントがParlerに7日さっそく出現(現在閲覧不能)し、保守派の言論人からもParler移住を呼び掛ける声が相次いでいるという。

また「Gab」も注目を集めた。やはりツイッターに近いスタイルのSNSであるGabは、Parlerより以前から、過激な右派ユーザーのたまり場として名前が知られている。Gab運営は6日、さっそくトランプ氏の「公式アカウント」を設置したことを表明した。現時点では、このアカウントにはトランプ氏のツイッターでの投稿がそのまま掲載されているだけだが、すでに50万を超すフォロワーがついている。

主要ストアがそろってアプリ配布を停止

しかし、プラットフォーマー側は、これらの代替SNSにも厳しい姿勢を取る。複数の米メディアの報道によれば8日、2大ストアであるGoogle PlayとApp Storeは、暴力的な投稿などの取り締まりを運営側に求め、ともにParlerのアプリ版の配布をストップした。Gabに至っては、今回の一件より前からすでに両ストアから追われている。

また米紙「ボストン・グローブ」(ウェブ版)によれば、仮に「移住」したとしても、Parlerの登録ユーザー数は800万人強、Gabは110万人程度だ。ただ、その投稿を支持者がツイッターなどで拡散するだろうことから、それがただちに、トランプ氏の影響力低下につながるとは言えないという。