「アプリ内課金の制限設定を確認して」と親たちに訴えた母親(画像は『New York Post 2020年12月12日付「This 6-year-old racked up $16K on mom’s credit card playing video games」』のスクリーンショット)

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アメリカのある母親は、身に覚えのないクレジットカードの引き落としに愕然とした。詐欺にでも遭ったのかと思った母親だが、その原因は6歳息子が遊んでいるオンラインゲームのアプリ課金によるものだったという。『New York Post』『RADIO.COM』などが伝えている。

米コネチカット州ウィルトン在住で不動産業界で働くジェシカ・ジョンソンさん(Jessica Johnson、41)は、今年7月に思いもよらぬ大きな出費に見舞われた。この出費により、彼女は今年のクリスマスの買い物に支障をきたしているそうだ。

その原因は、ジェシカさんの6歳の息子ジョージ君(George)にあった。ジェシカさんは今年3月からパンデミックの影響により自宅で仕事をするようになったが、母親の邪魔をしないようにジョージ君はiPadでアクションゲーム「ソニックフォース(Sonic Forces)」で遊んでいたという。それが思わぬ出費に繋がったようだ。

ジェシカさんは今年7月、AppleとPayPalからの請求で562ドル(約5万8000円)と601ドル(約6万2000円)がクレジットカードから引き落とされていたことに気づいた。さらに確認すると、7月9日だけで身に覚えのない請求が25件もあり、その合計額は2500ドル(約25万8000円)にも上った。

その後も不明なクレジットカードの請求が続き、ついに引き落とされた金額が1万6293ドル(約169万円)に達してしまった。ジェシカさんは口座を開設していたJPモルガン・チェース銀行に電話で確認したところ、銀行からは「何かの手違いか詐欺の可能性があるため調査する」との回答があった。

そして今年10月にようやく銀行から連絡があり、「引き落としの金額は詐欺ではなく、ジェシカさんが物品を購入したことによる正当な請求」と言われてしまったのだ。

これによりジェシカさんは請求先のApple社へ連絡することとなり、そこで引き落とし請求の詳細リストを確認して唖然とした。リストには「ソニックフォース」の文字があり、ここで初めてジョージ君が原因だったことを悟った。

ソニックフォースはゲームアプリのダウンロードは無料だが、ゲームを有利に進めるためのアイテムを購入すると課金される仕組みになっている。ジョージ君はiPadでソニックフォースを楽しんでいる最中に、有料のアイテムを多数購入していたことが判明した。

ジェシカさんはApple社に返金を求めたが、残念なことに「請求から60日以内に連絡がない場合は、返金に応じかねる」という対応だった。それでも彼女は諦めず「3月から9月まで収入がなく住宅ローンを支払えなくなる」と訴えたが、Apple社から「iPadのアプリ内課金の制限設定をするべき」と言われてしまい、返金には応じない姿勢だったという。

ジェシカさんはメディアのインタビューに応じ、「私が60日以内に連絡しなかったのは、銀行に『詐欺の可能性がある』と言われたからなんですよ。私はAppleとPayPalが一番の詐欺なんじゃないかと思ってます」と怒りを見せている。

一方のジョージ君は、頭を抱えるジェシカさんに「ママ、僕がちゃんとお金を返すからね」と無邪気に話したそうだ。そしてジェシカさんは、他の親たちに向けて次のように警告している。

「アプリ内課金の制限設定を確認してください。私はゲームアプリのためにこんな設定があったなんて知りませんでした。というかAppleのデバイスが、今回のようなことが起きないように事前に制限設定されていないことに愕然としています。」

画像は『New York Post 2020年12月12日付「This 6-year-old racked up $16K on mom’s credit card playing video games」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)