草むらなど所を歩いていて、ふと気がつくと洋服のあらゆるところに――。

そんな「ひっつき虫」の被害に遭った経験はないだろうか。「虫」と呼ばれているものの、人や動物にひっついて、分布域を広めている植物の種子の総称だ。

そんなひっつき虫が簡単に取れるライフハックがツイッターで話題となっている。

これはツイッターユーザーの「釣りする大学生」(@BuyhR)さんの2020年11月4日の投稿。

写真では、衣服や帽子にびっしりとひっつき虫がついてしまっている。


びっしりとひっついてる...(画像は釣りする大学生@BuyhRさんより提供)

「釣りする大学生」さんは1年ほど前にも、同じようにひっつき虫に困らされた経験があるそう。その様子を報告した当時のツイートに、他のユーザーから「ウェットティッシュでとれる」というアドバイスが届いたという。

「当時はあまり信じていなかった」

とのことだが、今回それを試してみたところ......。


すごいとれてる!(画像は釣りする大学生@BuyhRさんより提供)

ウェットティッシュにごっそりとついたひっつき虫。

普通ならば手でこすってもなかなか取れず、一つずつ気長につまんで取っていかなければいけないが、ウェットティッシュ一枚でこんなに一気に解決できるなんて......。

この投稿にツイッターでは

「最近毎日、祖母と一緒にこのタイプのひっつきもっつきと1時間くらい格闘していたので、今日から試してみます!!」
「ウエットティッシュでこんなに取れるんですね!知りませんでした!」
「草むらに分け入る機会の多い自分には見逃せない役立ち情報...」
「なるほど!これは良い話をきいた!」

といった反応が寄せられている。

「革命が起きたのかと思いました」

11月5日、Jタウンネットが投稿者の「釣りする大学生」さんを取材し、ウェットティッシュでひっつき虫を拭き取った感想を聞くと、

「かなりの衝撃を受け、革命が起きたのかと思いました。擦ったところからひっつき虫が消えていったのでめっちゃ気持ちよかったです」

とのことだった。

しかし、あのひっつき虫がここまで簡単に取れるなんて、本当なのだろうか。気になって調べてみると、その様子を分かりやすく動画で紹介しているこんなツイートを発見した。

これは19年10月8日にツイッターユーザーのかれっくす(@Carex_minima)さんが投稿した動画だ。足に大量にひっついていた種子が、ウェットティッシュでみるみる拭き取られていく様子を見ることができる。

投稿者のかれっくすさんは、名古屋で生き物の調査や保全活動を行っている「なごや生物多様性保全活動協議会」のメンバー。同団体では19年に「なごや生きもの一斉調査2019〜ひっつきむし編〜」という調査も実施している。

それならばと、Jタウンネットは20年11月5日、投稿者のかれっくすさんに、ひっつき虫がなぜウェットティッシュで取れるのか聞いてみた。

全てのひっつき虫に効果があるわけではない

かれっくすさんによれば、ウェットティッシュで綺麗に取ることができるのはひっつき虫の中でも、外来種の「アレチヌスビトハギ」と在来種の「ヌスビトハギ」に限るとのこと。

また、

「ウェットティッシュ側にも相性があり、不織布のものがベストで、紙製のウェットティッシュは効果がありません」

とのことだった。

かれっくすさんの動画でも、使用しているのは不織布のウェットティッシュ。取り除いているのはアレチヌスビトハギだという。

なお、かれっくすさんは

「不織布もウェットティッシュでなくても大丈夫ですが、繊維が太い不織布は相性が悪いです。更に言うと、ボア生地のようなヌスビトハギと相性が良い材質の服だと、不織布の効果も薄いです」

とも補足していた。

どうやら、「どんな種類でもウェットティッシュで拭けば解決!」というわけにはいかないようだが、相性さえあえば最強の除去アイテムだ。ひっつき虫にひっつかれそうな場所に行く際は念のため、ウェットティッシュを持っていってみてはいかがだろうか。