[ちちんぷいぷい−毎日放送]2020年10月19日放送の「ニュースな町の☆印」のコーナーでは、香川県高松市にあるゲストハウスの変わったサービスを取材していました。

高松市・瓦町にあるゲストハウス「燈屋(とうや)」。こちらでは、ゲストハウスから徒歩1分の「本屋 Lunuganga(ルヌガンガ)」で好きな本を一冊買って寄贈すると、なんと最初の一泊目の宿泊代が無料になるんだとか。


燈屋公式フェイスブックより

採算が取れないのになぜ?

取材した山中真アナウンサーが買った本は600円ほどでしたが、本の金額は関係なしとのこと。同ゲストハウスのお部屋は男女混合ドミトリー(相部屋)で、二段ベッドが並ぶお部屋はカーテンを閉めると秘密基地感があります。

それにしても、なぜこんな採算の取れない取り組みをしているのでしょうか?

店主の渡辺大さんに番組が話を聞いていました。

「いろんな宿泊者がそれぞれの価値観で本を選ぶとすごく多様性が出て楽しみです。人となりが見えて面白い」

と渡辺さん。

実は渡辺さんは精神科医で、普段は医師として生計を立てています。

渡辺さんによると「本が好きな人は人の価値観や世界観を楽しめる人なのかなと思う。人の価値観を理解しあわない人が増えている中、本を通して誰かとつながるコミュニケーションの場を提供したい」と話していました。

19年の6月から始めた取り組みですが、利用者の8〜9割が県内の人だそう。対象はもちろん県外の人もOKとのこと。

会うはずのなかった人たちが出会って人の流れが生まれ、社会へと広げていきたいという渡辺さんの思いが伝わりました。普段自分が選ばないような本に出会えたりと、新しい発見もありそうですね。

(ライター:まみ)