社員証をつけたヒュンダイ販売店のマスコット犬(画像は『Mirror 2020年8月10日付「Stray dog who keeps visiting car dealership is adopted by staff and given a job」(Image: tucson_prime/Instagram)』のスクリーンショット)

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ブラジルである野良犬が居場所を求めて足繁く車の販売店に通ったところ、寝る場所だけでなく仕事までゲットしてしまった。さらに友好的な態度や接客が話題を呼び、この犬は昇進を遂げてなんと同店のマスコットとして活躍するまでになったという。『Mirror』『Bored Panda』などが伝えている。

今年の初め、ブラジルの自動車販売店「ヒュンダイ・プライム(Hyundai Prime)」に1匹の野良犬が姿を現すようになった。スタッフは「そのうちにいなくなるだろう」と思っていたが、野良犬は何度誘導しても夜には帰ってきてしまう。

そのうちこの犬に愛着が湧いてきた展示場の責任者エマーソン・マリアーノさん(Emerson Mariano)は、ある雨の日に犬を店舗内に招き入れて水と食料を与えた。そして野良犬がこの場所を離れていく様子がなかったことからエマーソンさんは同社の理事に掛け合い、この犬を正式にマスコットにしてはどうかと打診したのだった。

エマーソンさんは野良犬を受け入れた経緯をこのように話している。

「何といっても、この会社はいつも動物に優しかったんだよね。今は多くの動物が捨てられているけど、僕らが実際にこの動物愛護の考えを実践してみようって思ったんだ。」

こうして人懐っこい野良犬は“ツーソン・プライム(Tucson Prime)”という名前が付けられ、寝床や食事、さらに社員証も与えられて正式にヒュンダイ販売店のマスコットとして雇われることとなった。ツーソンはこの店舗で働くにあたり、すぐに獣医の診察を受け、すべての必要なワクチンを受けたという。

ツーソンが引き取られたのは5月のことだが、7月11日よりヒュンダイ販売店にて初出勤となった。そこで同店がインスタグラムを開設し、「プロフェッショナル」ならぬ「パウ(paw、犬の肉球のこと)フェッショナル・コンサルタント」としてツーソンが働く姿を投稿し始めたところ、これが大きな話題となり注目を浴びることとなった。

同店は「当初は単に野良犬が過ごせる場所を与えただけのつもりだった。だけどツーソンの挨拶と顧客との交流する能力が買われて、彼は自分でこの昇進をモノにしたんだよ」と彼の実力を認めている様子だ。

エマーソンさんも『Top Motors Brazil』に「ツーソンの接客に対するフィードバックは非常に評判がいいんだ。さらに、彼の『非常に思いやりがあり従順な性格』のおかげでヒュンダイ組織内の環境も改善されたんだよ」と語っている。

エマーソンさんによると、車を購入した顧客がツーソンに挨拶するためだけに同店を訪れたり、プレゼントをもってきたりすることもあるという。しかもツーソンは、ヒュンダイのマスコットキャラクターとしてブラジル国内の広告塔になることも期待されているそうだ。

このツーソンの活躍ぶりから、ネット上では「なんて素晴らしいの! ツーソンを受け入れてくれてありがとう!」「ツーソンとの試乗テストを予約しなきゃ」「これはどこの店なの? 私はJeep愛好者だけど、ヒュンダイが好きになるかも!」など野良犬を受け入れたヒュンダイ販売店に対して多くの称賛の声があがっている。

画像は『Mirror 2020年8月10日付「Stray dog who keeps visiting car dealership is adopted by staff and given a job」(Image: tucson_prime/Instagram)』『TUCSON PRIME 2020年8月5日付Instagram「Bom Dia meus AUmigos」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)