鍋のふたを開けたらすごいのが入っていた――!

そんな驚きの報告が、ツイッターで話題になっている。いったい、鍋には何が入っていたのだろうか。

こちらをご覧いただこう。

鍋の中には、なんだか不思議な物体が見える。気が小さい人は、見てはいけないシロモノかもしれない。

よく見ると、世界最大の両生類として知られ、絶滅が危惧されており、国の特別天然記念物にも指定されている、あの「オオサンショウウオ」のようにも見える。いったいこれは何だ?

2020年7月13日に投稿されたこのツイートには、17万9000件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(16日現在)。

投稿者のかもすさんによると、この不思議な物体は、広島県のフジトシ食品が製造・販売する「オオサンショウウオこんにゃく」という商品だという。

なぜ、こんなビジュアルにしたのだろうか。Jタウンネット編集部は、フジトシ食品の伊藤剛代表を取材した。

「きもかわいい」で注文殺到?

「オオサンショウウオのこんにゃく」の原材料は、こんにゃく粉(国産)、魚卵、削り節、いりこ、醤油、食塩、海藻粉末、発酵調味料、調味料(アミノ酸等)など。その特長は、

「地元、広島県立湯来南高校の生徒が国の天然記念物のオオサンショウウオの形をしたこんにゃくを商品化。シシャモの卵を練り込み味付けはしょうゆ出汁でさっぱり風」(フジトシ食品公式サイトより)。


かもす(@kamosdeepforest)さんのツイートより

湯来町を流れる「水内川(みのちかわ)」にオオサンショウウオが生息しており、湯来町の自然と特産品であるこんにゃくを知ってもらいたいとの思いから作られたそうだ。

フジトシ食品の伊藤剛代表はこう語る。

「地元の高校生のアイデアを生かして商品化したのが、3年前。地域起こしのために、細々と作り続けてきました。通販サイトで販売するようになったのは、1年前。高校生たちのために、地域のために、という思いが込められた商品なのですが、商売としては厳しい状況でした」

ところが、冒頭に紹介したツイートのおかげで、わずか1週間で、通販サイトには注文が殺到しているという。フジトシ食品のオンライン通販サイトには、次のような注意書が記されている。

「現在、多数の御注文を頂き出荷までに約3〜4か月のお時間を頂いております」

とても製造が追いつかないのだという。ツイッターで拡散するにつれ、「きもかわいい」という評判が全国で高まっているようだ。

ところで、話題の発端になったツイートの投稿者・かもすさんが鍋の中で発見した「オオサンショウウオのこんにゃく」。その後、どんな料理になったのだろう? 本人に聞いてみると...。

「このこんにゃくは、いりこ出汁のつゆに浸かっているので、そのまま温めてお皿の上にのって食卓にのぼりました。味はだしがよくしみ込んでいておいしかったです。分量も意外に多くて、お腹の中にずっしりとたまりました」

両生類好きでなくとも、一度は食べてみたい味かもしれない。