お披露目された新「スプラッシュ・マウンテン」のコンセプトアート
 - (c) Disney

写真拡大

 カリフォルニアのディズニーランド・パークとフロリダのマジックキングダム・パークにあるアトラクション「スプラッシュ・マウンテン」のテーマが、黒人描写が物議を醸していた映画『南部の唄』(1946)から、ディズニー初の黒人プリンセス映画『プリンセスと魔法のキス』(2009)に変更されることになった。現地時間25日、米ディズニー・リゾートが発表した。

 『南部の唄』は、アメリカ南部のプランテーションを舞台にしたミュージカル映画。白人の少年ジョニーと黒人のリーマスおじさんの交流パートが実写で、リーマスおじさんが語る物語パートがアニメーションで描かれている。主題歌「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」はアカデミー賞歌曲賞を受賞するなどしたが、ステレオタイプな黒人描写と南北戦争前の南部を美化しているとして長年批判されており、ウォルト・ディズニー・カンパニー会長のボブ・アイガーは今年3月、同作をディズニーの動画配信サービスでは扱わないと明言していた。

 白人警官の暴行で黒人男性ジョージ・フロイドさんが死亡した事件を受け、アメリカでは国を挙げての人種差別への抗議デモが行われており、「スプラッシュ・マウンテン」のテーマを『プリンセスと魔法のキス』に変えるよう求める署名活動も行われていたが、ディズニーによると、今回の変更は昨年から取り組んできたものとのこと。『プリンセスと魔法のキス』での“最後のキス”後の物語として、プリンセス・ティアナとトランペットが得意なワニのルイスの音楽に満ちたアドベンチャーを描くという。もちろん映画での音楽も使われる。

 『プリンセスと魔法のキス』のティアナは何が本当に大切なことかを決して見失わず、夢を追いかける現代的で勇敢な女性であり、新たなコンセプトの「インクルーシブ(包括性)」に相応しいとしている。声優を務めた女優のアニカ・ノニ・ローズも喜びのコメントを寄せている。(編集部・市川遥)