『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』より。ジョー(シアーシャ・ローナン)&ローリー(ティモシー・シャラメ)

写真拡大

 12日より公開になった『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』で、ローリーを演じたティモシー・シャラメの美貌、圧倒的な存在感が話題を呼んでいる。

 ルイザ・メイ・オルコットの小説を、『フランシス・ハ』『レディ・バード』などのグレタ・ガーウィグ監督が映画化した本作。19世紀、南北戦争下を舞台に、個性豊かなマーチ家の四姉妹の受難、成長を、過去と現在を行き来する時間軸の中に描き出す。長女メグにエマ・ワトソン、次女ジョーにシアーシャ・ローナン、三女ベスにエリザ・スカンレン、四女エイミーにフローレンス・ピュー。アカデミー賞レースを席巻したこともあり注目度も高かったが、日本では新型コロナウイルス感染拡大により3月27日の公開が6月にずれこんだ。ようやく封切られると、公開から3日間で観客動員数4万210人、興行収入5,415万1,340円を記録。週末映画ランキング2位となった。

 四姉妹にふんした女優たちもさることながら、ネット上などで話題になっているのがマーチ家の隣人でジョーの幼なじみのローリーを演じたティモシー・シャラメの演技。シャラメといえば『君の名前で僕を呼んで』(2017)で同性の大学院生にひかれていく多感な17歳の少年を好演し、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされて以来、スター街道まっしぐら。影ができるほど長いまつげを有する美貌は世界中に衝撃を与えてきたが、『ストーリー・オブ・マイライフ』では登場するだけで場が華やぐ圧倒的な存在感で、『君の名前で〜』に劣らぬ当たり役といっても過言ではない。

 ローリーは、厳格な祖父(クリス・クーパー)と二人で暮らすいわゆるお坊ちゃん。本作での魅力の一つは、本作でアカデミー賞衣装デザイン賞に輝いたジャクリーン・デュランが手掛けた19世紀のクラシックな衣装がばっちりハマっていること。そして、ジョーとはしゃいでいた少年期を経て、一方通行の恋に苦悩する青年へと成長していく過程で見せる多彩な表情。シャラメはジョーとローリーの関係について「二人の友情が素晴らしい結婚に結実した可能性もあるが、彼らは本当に似ていて、喧嘩もするだろうから、同じぐらいの可能性でお互いを傷つけ合ってしまったかも」と分析している。

 ジョー役のシアーシャとは、グレタ・ガーウィグ監督の前作『レディ・バード』に続く共演。『レディ・バード』ではシアーシャ演じるヒロインが夢中になるバンドマンの設定で、『ストーリー・オブ・マイライフ』とは180度異なる関係、キャラクターにあるので改めて比較するとよりシャラメの演技力を実感できる。今後はウディ・アレン監督のラブコメ『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(7月3日公開)などが待機中だ。(編集部・石井百合子)