どの時代も美しい。福士蒼汰にうっとりする映画7選
「仮面ライダーフォーゼ」で注目され、朝ドラ「あまちゃん」で大ブレイク。並み居るイケメン俳優を抑え頭一つリードし続けてきた福士蒼汰が、5月30日に27歳の誕生日を迎えた。恵まれたスタイルと整った顔立ちを武器に、女子がうっとりする胸キュンラブストーリーも、同性が一目置くアクション大作も、お茶の間が涙するハートウォーミングドラマも制覇。主演にふさわしいオーラを放ちながら、遊び心ある脇役にも挑戦する、頼もしい存在に成長した。来年はデビュー10周年。もう10年、まだ10年。これからも目に留め続けたい眼福俳優、福士蒼汰の衝撃的に麗しい7本。(高山亜紀)
『江ノ島プリズム』(2013)
10代の幼なじみ男女3人の淡い愛と友情にタイムトラベルが交錯する青春ドラマ。友情と恋との狭間で、自分はそっと身を引こうとする……。三角関係こそ恋愛ドラマにおける福士の黄金パターン。そして、自分よりもまず周囲のことを考えるという10代男子とは思えない、全くがつがつしていない役どころも福士の持ち味。とはいえ、本作の修太のようなビビりなキャラは珍しい。何度も同じシチュエーションをタイムトラベルするうちに調子づいてくる、コミカルな演技も意外とハマっている。幼なじみ役に野村周平と本田翼。デジャヴ感満載の月9ドラマ「恋仲」とあわせて楽しみたい。
『図書館戦争』(2013)
ベストセラー作家・有川浩の人気シリーズ「図書館戦争」を実写化。読書の自由を守るための自衛組織“図書隊”の活躍を描いたアクション大作。福士は榮倉奈々演じるヒロイン・郁の同期で新人隊員の手塚光役。撮影時、まだ10代だった福士は自分でも認めているほど、体が細く、制服の腰回りの細さは劇的。落ちこぼれの郁に冷たく当たっていた、クールなエリートの光がある事件をきっかけに態度を急変させる。ツンデレっぷりがたまらない。岡田准一、佐藤信介監督への揺るぎない信奉はこの作品から。2年後の『図書館戦争 THE LAST MISSION』では、数年で存在感がぐっと増す福士の成長に目を見張る。
『ストロボ・エッジ』(2015)
登場人物全員が片思いの切ない恋愛模様。原作は「アオハライド」の咲坂伊緒による大ヒット少女コミックで、福士も高校時代に読んでいたそう。恋人がいると知りながら、ヒロインの仁菜子が告白せずにはいられない蓮は、誰もが魅かれてしまう圧倒的カリスマ性がないと仁菜子にも蓮にも大ダメージだが、この完璧な男子高校生を福士が体現。さらに漫画の名場面、壁ドン、袖クルもみごとに実現し話題になった。仁菜子役・有村架純とはバランスいい身長差で映画史に残したい名カップル。しかも仁菜子を好きになる蓮の親友・拓海は山田裕貴。いまも続く2人の友情。冷静な福士と情熱的な山田、それぞれの持ち味が際立つ。
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016)
七月隆文の同名ベストセラー小説を映画化したファンタジックなラブストーリー。とある事情のために生涯で30日間しか恋人として一緒に過ごせない20歳の男女の純愛を描く。恋してきれいになるのは女の子ばかりじゃない。恋してどんどんあか抜けていくのが福士演じる美大生の高寿。ギャップのため、オープニングはぼさぼさヘアに眼鏡の福士だが、それもまたほほ笑ましい。恋する楽しさ、苦しさ。普通の男子の心理に迫った福士のストレートな感情表現に引き付けられる。特に、ヒロインにふんした小松菜奈と「せーの」でケーキを選んだり、道行く子犬にメロメロになったりといった何気ないデートシーンの表情に注目。2人の時間が輝けば輝くほど、エンディング後も余韻で号泣。
『BLEACH』(2018)
「週刊少年ジャンプ」で連載され、爆発的人気を博した大ヒットコミック「BLEACH」を映画化したアクション大作で、監督は『図書館戦争』シリーズの佐藤信介。主人公・黒崎一護の役づくりのため、カラコンを入れ、髪の毛をオレンジに染めた福士は、少年漫画らしい軽くて熱いキャラに大変身。和装に巨大な刀という漫画だから成立するコーディネートも違和感なく着こなし、一見大味になりそうな重く大きな斬魄刀での殺陣も、長い手足で華麗に演じ切った。そして何より、「仮面ライダーフォーゼ」以来の吉沢亮との共闘。美形2人の背中合わせのシーンは、目の保養以外の何ものでもない。
『旅猫リポート』(2018)
新しい飼い主を探すため、愛猫と旅をする青年・悟のロードムービー。動物大好きな福士の猫への眼差しのなんとも優しいこと。猫相手に福士が普段あまり見せないリラックスした素の顔つきになるのが本作の醍醐味。悟の愛猫・ナナを演じたスターキャットのトムは抱っこが嫌いでじっとしていられないタイプなのだが、福士が抱きかかえると気持ちよさそうにリラックスし、時にはしっぽまで振ってみせる。劇中にもそんな2人の仲の良さが感じられるショットが満載。
『ザ・ファブル』(2019)
一般人として暮らすことになった超人的な戦闘能力を持つ殺し屋・ファブルの姿を描く。主演は岡田准一。福士はファブルを狙う殺し屋のフード役。『図書館戦争』で共演した岡田と「今度はアクションで闘いたい」と願っていた福士の夢が実現した。殺しをゲーム感覚で楽しむフードは、ファブルとは正反対の人間っぽさを感じさせない狂気の人物。怪演と呼ぶにふさわしいアクロバティックな動きを披露し、超絶技巧のアクションで知られる岡田も太鼓判を押した。