ほぼ2か月間、触れ合うことができなかった父と娘(画像は『ITV News 2020年5月6日付「Four-year-old with cancer reunited with father after seven weeks kept apart in lockdown」』のスクリーンショット)

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昨今は各国で、医療従事者や老人介護施設の入居者といった人達が家族と直接会うことやハグをすることもできない日々を過ごしている。スコットランド白血病と闘う女児も、大好きな父親と離ればなれで暮らす日々を送っていた。『ITV News』『9Now』などが伝えている。

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スコットランド在住のスコット・スネドンさん(Scott Sneddon、50)は、妻リンダさん(Lynda、36)やジョディさん(Jodi、16)、ミラちゃん(Mila、4)という2人の娘と共に過ごしていた。しかしミラちゃんが、昨年11月に白血病と診断されてしまった。

ミラちゃんは化学療法による治療で髪の毛がほぼ抜け落ちてしまったが、家族と一緒にいることで病気に立ち向かいながらも幸せに暮らしていたようだ。だが新型コロナウイルススコットランドで猛威を振い出した頃、スコットさんはミラちゃんと離れて暮らす決断をした。

スコットランドでは3月に不要不急の外出自粛要請が発令されたが、サービスエンジニアとして働くスコットさんはその後も会社へ出勤する日々を送らざるを得なかった。そのため免疫機能が低下しているミラちゃんに感染させるわけにはいかないと思ったスコットさんは、3月20日に長女のジョディさんと自宅を出て両親のもとでしばらく過ごすことにしたのである。

スコットさんは仕事が終わった後、毎日ミラちゃんがいる自宅へと向かい、キッチンの窓ガラス越しに外からミラちゃんへキスを送り、少し窓を開けて離れた場所から言葉を交わしていた。パパが恋しいミラちゃんは窓ガラスに張り付いて、スコットさんのキスを受けていた。

そして家族が離ればなれに過ごすようになってから7週目に入った今月6日、スコットさんはいつものようにキッチンの窓越しに立ちミラちゃんに会いにきた。ミラちゃんは嬉しそうにスコットさんに挨拶したが、その日はいつもとは違い、スコットさんはキッチンの勝手口のドアを開けて中にいるミラちゃんの目の前に現れた。

一瞬、ミラちゃんは状況が飲み込めない様子だったが、スコットさんの「ハグしてくれるかい」の言葉に、すぐに両手両脚を巻きつけるようにしてスコットさんに抱きついた。ミラちゃんは嬉しさのあまり泣き始めてしまったが、スコットさんから「ミラ、愛してるよ。元気だったかい?」と聞かれ、泣きながら「元気だったよ」と答えた。

実はスコットさんの会社では、新型コロナウイルスの感染予防対策により従業員の一時帰休を実施したため、スコットさんは会社の指示があるまで自宅で家族と自粛生活をすることができるようになった。妻のリンダさんは「私達家族にとって本当に困難な時期でしたが、今はスコットとジョディが我が家に戻ることができて本当に幸せです」と語っている。

画像は『ITV News 2020年5月6日付「Four-year-old with cancer reunited with father after seven weeks kept apart in lockdown」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)