中国メディアは、日本人の仕事における「問題点」について指摘する記事を掲載し、「日本人はなぜ新型コロナウイルスの感染が拡大しているなかでも働こうとするのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 厚生労働省は2月17日、新型コロナウイルスを巡る相談や受診の目安を示した際、「発熱など風邪の症状がある時は学校や会社を休んでください」と呼びかけた。しかし、会社の現実としてなかなか休めないと感じている人は多いことだろう。

 中国メディアの新浪網は2月29日、日本人の仕事における「問題点」について指摘する記事を掲載し、「日本人はなぜ新型コロナウイルスの感染が拡大しているなかでも働こうとするのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 中国でも会社のために自分を犠牲にしてまで働く人を「社畜」と呼んでいる。記事は「社畜」という言葉は日本語から来ていると紹介。この言葉には「愛社精神」とも関係があると分析した。そして特に大企業ではこの愛社精神と「チームワーク」が密接に関係しているとしている。このため、あるプロジェクトのチームが残業する時は、そのメンバー全員が残業することになり、強制ではないものの、残業せざるを得ない雰囲気があると問題点を指摘した。

 別の問題点は「仕事効率の低さ」だ。1日でできる仕事を3日かけることは普通のことで、上司の許可、上司の上司の許可、さらにその上司の許可と手続きに時間がかかるとしている。さらに「仕事以外の人生の楽しみを知らないこと」も問題だと分析。仕事にすべてをささげているため、退職すると何をして良いか分からない人が多いと伝えた。ほかにも「仕事に対する心配」が強すぎると分析している。失業を極度に恐れていると指摘した。

 最後に記事は、「年功序列の終身雇用制度、高給取りは高齢者で、権力があるのも高齢者という仕事環境では、仕事に没頭せざるを得ない」と分析。そのために台風が来ても地震が起きても仕事に行くようなことになっており、この精神は学べる点もあるとはいえ、良い点だけを学んで悪い点は取り除くべきだと結んだ。

 確かに、日本の会社のなかには病気で休みを取ると病院の診断書が求めるところがあり、ちょっと体調が悪い程度ではなかなか休みにくい環境にあると言えるだろう。また、非正規雇用者の場合、休みが直接収入減になるため、休みたがらないという現実もある。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、これまでの慣習を捨てて休む必要があるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)