【MLB】ドジャース番記者、前田健太との“別れ”惜しむ「いつも正直」「チームを最優先に…」
有名レポーターのリゾさん「いつも正直に話してくれた」
ドジャースからツインズにトレードで移籍した前田健太投手が13日(日本時間14日)、フロリダ州フォートマイヤーズで行われているバッテリー組のキャンプに1日遅れで合流した。ドジャースでの4年間で137試合(103先発)登板で47勝35敗6セーブ。チーム事情に応じて救援にも回るなど献身的な働きを見せ、明るい性格で誰からも好かれた右腕の移籍を、ドジャース番のメディアは一様に惜しんでいる。
ドジャースのテレビ中継には欠かせない有名レポーターのアラナ・リゾさんもその1人だ。今年でドジャース担当7年目。前田を1年目から見てきたリゾさんは、こう惜しんでいる。
「ケンタは本当にプロフェッショナルだった。そこが一番尊敬していたこと。どんな結果に終わっても、試合後に正直に話してくれていつも感謝していたわ。何に対しても丁寧でね。それはきっと日本の文化の現れなんだと思う。感情を隠さずにいた。純粋な気持ちで試合に取り組んでいた」
そしてこう続けた。
「柔軟なところも持っていた。先発でありたいことはみんな分かっていたのに、一切文句を言わなかった。私も彼がブルペンに入るのを見るのは結構好きだった。考える暇を与えないから。先発の時はちょっと考えすぎる傾向があったから。でも本当に寂しいわ。彼の笑顔も、滲み出ていた優しさも、野球に対してのリスペクトもね。でも面白いのはヒル(前ドジャ―スのリッチ・ヒル)と(ツインズで)合流したってことかしら。でもケンタがいないことは本当に寂しい」
ドジャース取材歴38年の記者ガーニックさん「ミネソタはラッキー」
ドジャースを取材して38年になるMLB公式サイトのケン・ガーニックさんもその1人だ。
「入団した時は本当に健康状態を心配していた。すぐ怪我をするのではないかとみんな思っていた。でも違ったよね。一度も怪我せず4年間を投げ切ったよ。想像を超えるほどの投球をしてくれたと思う。彼のプロフェッショナルな姿勢だったり、耐久性だったりね。彼が怪我したのは本当にマイナーなことで、ちょっと休めば治る程度のことだった。チームも上手く彼をケアしたと思うけど、やっぱり本人が頑張った結果だよ」
リゾさん同様に、その人間性にも感服している。
「どんな時でも準備万端だったし、とても頼りになる存在だった。もちろん彼は嫌だったかしれないけど、ちゃんとブルペンにも回ってくれたしね。彼はいつもチームを最優先に考えて貢献してくれた。とても謙虚でね。彼にとってはインセンティブもなかった時もあったと思う。でも誰も彼が悪口を言うところを聞いたことはないよ。メディアに対してもとてもリスペクトフルでね。彼は完璧なプロフェッショナル。ミネソタはラッキーだと思うし、ドジャースは彼がいないと寂しくなるね」
前田の移籍を惜しむ声は止むことがない。チームへの貢献、そして人間性。4年間で前田は名門球団にしっかりと“足跡”を残したようだ。(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)