16日、都内のホテルで行われた記者会見で業務提携を発表するUSENの宇野康秀社長(左)とライブドアの平松庚三社長。(撮影:吉川忠行)

写真拡大 (全2枚)

USEN<4842>の宇野康秀社長とライブドア<4753>の平松庚三社長は16日夕、東京都千代田区のキャピトル東急ホテルで記者会見を開き、インターネット関連事業を軸とした分野で、業務提携することを正式に発表した。

 両社は今月中にも業務提携推進委員会を設置する予定。USENはライブドアに特別顧問を派遣し、6月開催予定のライブドアの臨時株主総会で選任される取締役5人のうち、取締役候補者に決まっている平松社長、清水幸裕副社長、落合紀貴副社長を除く、残り2人を指名する権利を持つ。

 平松氏は、会見の冒頭で事件について改めて陳謝した上で「幸運にも高い社会的信用と安定した経営基盤を持ち、事業面でも大きなシナジーが期待できるパートナーとタッグを組んでいけることになった」と同提携に意欲を示した。

 同席した宇野氏は、無料インターネット放送「GyaO(ギャオ)」の800万人、 ポータルサイト「livedoor」の1500万人と、両社のメディアが抱える利用者数の多さを強調。「補完関係を持っており、うまく融合させることでさらに利用者を増大させる可能性がある」と述べ、広告収入の増大や課金サービスなど収益機会の増大をシナジーとして掲げた。

 ライブドアは「不可能ではないが時間がかかる」(平松氏)との理由で自力再生を断念、他社との提携による再生の道を選んだ。就任以来、複数社から出資意向を受けたものの、社内の議論でUSENがパートナーとして浮上し、ライブドアから提携を申し入れたところ、今回の合意に至ったとしている。平松氏は、USENについて「非常に自由かっ達な企業文化で、ライブドアに似た部分を持つ会社との印象を受けた」と、相性の良さを繰り返し語った。

 また、宇野氏はフジテレビジョン<4676>が持つライブドアの全株式約1億3000万株を買い取ることで、発行済み株式総数の12%超を握り、堀江貴文被告に次ぐ第2位株主となる。筆頭株主の堀江被告について、宇野氏は「新生ライブドアは、完全に断絶を図っていると聞いている。大株主ではあるがあくまでも1株主」との見方を示した上で、健全な成長のためには株主構成の適正化が今後の資本政策として必要であるとの認識を語った。

 同会見は、フジテレビの日枝久会長と宇野氏の共同会見終了後に同じ会場で行われ、300人を超える報道関係者らが集まった。【了】

■関連記事
宇野社長、LD支援の決意示す
フジ保有LD株、宇野社長が取得
ライブドア株続伸、87円

■関連動画ニュース
3月16日動画ニュース