若者に蔓延している「SNSうつ」とは

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 いつの世もオトナたちにとって「最近の若いやつ」はよくわからないものですが、近年ますます若者の採用やマネジメントは難しくなっています。

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最近、「SNSうつ」というのが蔓延しているそうです。

SNSに投稿される、友達の幸せそうな姿や、楽しそうな活動――いわゆる「リア充」ぶりを見て、「それに比べて自分はなんてダメなんだ」とネガティブな気持ちになってしまうのです。

SNSはまさに「人生を楽しんでいます」報告の宝庫です。もちろん、誰だって退屈な時間くらいあるのですが、そういう投稿はほぼされません。目の当たりにするのは、友達の楽しい瞬間ばかり。それが次々と投稿されるので、相対的に自分はつまらない人間だと思い込んでしまいます。まさに人工衛星からの電波を捉えて相対的に自分の現在位置を把握するGPSのよう。自分の置かれた境遇や充実度、あるいは幸福度のようなものを、他人と比較してしまうのです。

「つまらない人」と見られるのは嫌なもの。だからこそ、自分も投稿しないといけないし、「いいね!」がつかないと不安にもなるのです。「ちょっとした隙間時間ができたらバイトを入れたい」と話した女子大生(21歳)の動機も、お金ではなく、友達と比べて自分だけ暇なのが嫌というものでした。

「人生充実してます」とアピールしなきゃ。そんな強迫観念は、ライフスタイルの価値観にも大きく影響します。今は、ワークライフバランスの流行、ブラック企業への反発、働き方改革の推進など、自分らしく人生を楽しむことに価値が置かれる時代。要は『社畜のように働いているやつはダメなやつ』くらいの価値観が主流です。これって若者を部下に持つ上司にすれば、明らかに逆風ですよね。

[文:ツナグ働き方研究所]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

平賀充記(ひらが・あつのり)

ツナグ働き方研究所 所長
1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。「FromA」「FromA_NAVI」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」などリクルートの主要求人媒体の全国統括編集長を歴任。 2014年株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役に就任。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任。2019年よりツナググループ・ホールディングス エグゼクティブフェロー就任。著書に『非正規って言うな!』『サービス業の正しい働き方改革・アルバイトが辞めない職場の作り方』(クロスメディアマーケティング)、『パート・アルバイトの応募が殺到!神採用メソッド』(かんき出版)、『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)。