「セ・パe交流戦」の解説を担当した真中満氏【写真:安藤かなみ】

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ゲームから実際の野球にトレンド逆輸入も? 「いいバッターにいっぱい回った方がいい」

「eBASEBALL プロリーグ」2019シーズンの「セ・パe交流戦」前節2日目が17日、フジテレビ内特設ステージで行われた。この日は昨季セ・リーグのAクラス3チーム(DeNA、広島、巨人)とパ・リーグのBクラス3チーム(オリックス、楽天、ロッテ)が激突。パが8勝1分と圧倒的な強さを見せ、セ3球団が1勝も挙げることができないまま前節が終了した。解説の真中満氏は「セ・リーグが全体的に元気がない印象。2日間で2試合しか勝っていないので、交流戦の後半はなんとかセ・リーグの意地を見たいなと思います」と次節以降の巻き返しを期待していた。

 プロ野球OBによる豪華解説陣を迎え、プロ野球さながらの盛り上がりを見せている今大会。「eBASEBALL プロリーグ 応援監督」を務めるなど、eBASEBALLとの関わりが深い真中氏は「去年に比べると会場に来てくれるファンの人も増えたし、選手もレベルが上がっている。より盛り上がる大会になっていると思う」と2年目を迎えてますます白熱するプロリーグのレベルアップを実感しているようだ。

 真中氏が解説を担当した3試合目ではオリックスの代表選手・高川が絶妙なタイミングで選手を操作し、ファインプレーを連発。「最後の高川くんの外野守備の扱いは見ていてしびれる場面も多かった」と絶賛。高川も「守備でリズムを作れた」とはにかんだ。

 1試合5イニング制の特別ルールで行われている今大会。延長戦がないため、1点でも多く先行しようと各チーム屈指の強打者を上位打線に並べるオーダーが目立つ。真中氏は「(多くの強打者は)併殺という特殊能力(無死または1死で一塁走者がいる場合にゴロを打ちやすくなってしまう能力)があるので、そういう起用になると思う」とゲームならではの起用に理解を示しつつ、「実際のプロ野球も考え直す時期なのではないかと思ってしまうくらい。能力の高い打者を上位に並べるのは物理的に理想の打順じゃないのかなと、eBASEBALLの選手たちの起用法を見ていたら感じる部分があります」と話した。

 真中氏もヤクルトの監督時代には2番に川端を置く攻撃的オーダーでリーグ優勝を経験しており、「点取りゲームですから、いいバッターにいっぱい(打席が)回ってきた方がいい。そういう風潮にeBASEBALLをきっかけに変わっていく気がしないでもない」とゲームから実際のプロ野球へ、トレンドの逆輸入もありえると持論を展開した。

 セ・パe交流戦は30日から後節に入り、選手たちはその後eペナントに戻ってシーズンを戦う。真中氏は「みんなに頑張ってほしいが、勝敗のあるプロスポーツなので、悔いの残らないようにプレーしてほしい」と選手たちにエールを送っていた。(安藤かなみ / Kanami Ando)