中国メディアは、日本で生活している中国人が日本の街でごみ拾いを行っていることを伝える記事を掲載し、この中国人が拾い上げたのは「ごみ」ではなく、「中国人が過去に失ってしまった美徳」であると主張する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本では「ボランティア」として会社の社員が会社周辺を清掃したり、地域住民が協力して地域のごみ拾いをしたりする姿を見かけることがあるが、こうした光景に中国人の多くは驚くのだという。

 なぜなら、中国ではごみをポイ捨てする人が非常に多いが、落ちているごみを拾っている人の姿を見かけることはまずないからだ。中国メディアの捜狐は18日、日本で生活している中国人が日本の街でごみ拾いを行っていることを伝える記事を掲載し、この中国人が拾い上げたのは「ごみ」ではなく、「中国人が過去に失ってしまった美徳」であると主張する記事を掲載した。

 記事はまず、日本人の多くが中国人に対して抱く印象と言えば「マナーが悪い」などのネガティブなものが多いと紹介。続けて、来日して12年になり、日本で飲食店を経営する中国人女性が、「中国人に対する悪いイメージを払拭するため、たった1人で街のごみ拾いを始めた」と紹介した。この中国人女性が住んでいる街でも、「中国人はネガティブなイメージを持たれる傾向があった」ようで、こうしたイメージを覆したいというのがごみ拾いの動機であったようだ。

 続けて記事は、女性の行動には徐々に日本在住の中国人や日本人が加わり、毎月第一土曜日に約1時間ほど街の清掃を皆で行うようになったと伝え、こうした行動から「中国人の考え方が変化し、マナーを守るようになってきていることが分かる」と主張。また、自発的に清掃活動を行うことで、日本人が中国人に対して抱いている従来のイメージにも変化が生じているはずだと主張した。

 中国の都市部では若い者たちを中心にマナーの順守意識が高まってきているものの、ごみを平気でポイ捨てする人がいまだに数多く存在するのが現状だ。まして、自主的に街のごみ拾いをしている人を見かけることはまずない。ぜひ中国国内でも「中国人が過去に失ってしまった美徳」を取り戻して欲しいところだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)